BLACK HAWK DOWN

文字数 828文字

 おっと、長いことVODになかった標題映画がNETFLIXで観られるようになってるじゃないですか。
 てことで、朝っぱらからご飯食べながら、この凄惨描写満載の映画観てるじょー!

 米映画ですが、米側の視点ばかりから描かれず、ソマリア側の視点も交え、大作映画としてはかなりリアルに紛争を描こうとしたこの作品を、私は何度観返したことか知れません。
 原作のノンフィクションも秀逸で、これも何度も読み返しました。しかし一度紙本を殆ど手放してしまい、電書で探し直しても見つからないのよね……。
 早く何でも電書で手に入るようにして欲しい。タニス・リーとかさ……。

 いま観てるんですが、プロパガンダ要素をなるべく排除してる点はもちろん、米映画にありがちな、米軍つええ! 特殊部隊すげえ! という描写はなく、市街戦の恐ろしさ、民間兵と民間人の境なく住民が武器を持って向かってくる際限のなさを淡々と描いているんですよね。(淡々と、というのがこの映画の秀逸なところ。)
 敢えて誤解を恐れずに書けば、一人の人間の命の重さの差が、ろくに訓練もされていない民間兵だか民間人だかを訓練された兵士より強い存在に仕立て上げていくというか……。彼らは同胞の遺体から無造作に武器を拾って米軍に撃ち込んでくるんですね。
 兵器では当然米側がソマリアを圧倒してるんですが、ソマリア側が大量のRPGを有していたことで制空権のバランスが崩れ、ヘリが墜落したところから米側はコントロールを失っていきます。
 そうした兵器の流出というのは冷戦終了から始まっていて、昔は冷戦が終われば世界は平和になると信じられていたことを思い出すと何とも言えない気分になります。

 この映画では米軍内でのレンジャーとデルタの微妙な空気感も描かれています。この辺も原作のノンフィクションで行われた当事者たちの丁寧なインタビュー内容を、なるべく忠実に再現しようとしたことが窺われます。

 市街戦が激化してきた……観よう。

二〇二一年四月四日
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