大森第四中学校の思い出 四中と私の過去・現在・そして未来

文字数 1,294文字

大森第四中学校の思い出

四中と私の過去・現在・そして未来

2007(平成十九)年度

大森清陵会 会長

 私が大森第四中学校で過ごした3年間は、単なる過去の出来事ではなく、現在の自分に繋がっているものだと思います。

 私が所属していた部活は、自然科学に関する様々な活動を行っていました。普段は理科関係の実験や工作を行うほか、休日には博物館に行ったりしました。部活動の中でも特に印象に残っているのは、やはり文化祭です。発光ダイオードで星座を作ったり、プラネタリウムを上映したり、核実験の問題を展示したりと、色々なテーマを扱いました。準備期間における顧問や他の部員との協同作業、そして当日でのお客さんとの交流は忘れられません。

 こうした活動を通して、私は理科の中でも特に、地球や宇宙の姿を考える地学分野に興味を持つようになりました。そして今、私は大学で地理学を専攻しています。また、一年生の時に顧問の先生に連れて行って頂いたある博物館には今でも通っており、自分にとって無くてはならない存在となっています。

 そしてもう一つ、私に大きな影響を与えたのは、委員会活動です。私の所属していた委員会は、校内の美化を推進するもので、具体的な活動内容を充分に理解せずに入った私は当初、その大変さに困惑しました。しかし活動を続けるに連れて次第にやりがいを感じるようになり、ついに3年間継続してその委員会に所属するに至りました。現在、本校の同窓会は定例の総会を行うほか、四中を舞台に様々な活動を無償で行っています。いま考えてみると、私がこうして同窓会の活動を続けているのも、あの委員会で学んだボランティア精神とでも言うべきものが影響しているのだろうと思います。

 以上の経験は飽くまで私のものですので安易な一般化はできませんが、このように考えてみますと、中学校で過ごした3年間はその人の後の人格形成に大きな影響を与えると言えるのではないのでしょうか。本稿を読む皆さんも、本校での経験が何らかの形で今の自分に繋がっていると思います。

 しかし今、その教育現場で、不登校・(いじ)め等の様々な問題が発生しています。昨年教育基本法が改正され、道徳教育がより重視されるようになりました。こうした動きを確実なものにするためには、現場の先生方はもとより、保護者や地域住民の行動が必要です。私達は、生徒一人ひとりの自由を尊重しながらも、善悪をはっきりと教える教育を築いてゆかなくてはなりません。そのためには私達自身が、日本や世界の様々な思想を学び、人間として大切なものは何なのかを考え、意識する必要があります。

 今、四中に通っている生徒の皆さんも学校生活の中で思った事、感じた事をどんどん言って下さい。そして何か辛い事があったら、迷わず身近の人に相談して下さい。

 大森第四中学校が誕生して60年の歳月が過ぎました。そしてこれからも、本校の歴史は続いてゆく事でしょう。この地で学ぶ子供達にとって本校が、本来へと繋がる繋がる掛け替えの無い思い出を築く場所であり続ける事を祈ります。また同時に、大森第四中学校同窓会を今後とも宜しくお願いします。

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登場人物紹介

 地球研究会は、國學院高等学校地学部を母体とし、その部長を務めた卒業生らによって、2007(平成十九)年に「地球研究機構・國學院大学地球研究会」として創立された。

國學院大学においては、博物館見学や展示会、年2回(前期・後期)の会報誌制作など積極的な活動に尽力すると共に、従来の学生自治会を改革するべく、志を同じくする東方研究会政治研究会と連合して「自由学生会議」を結成していた。


 主たる参加者が國學院大学を卒業・離籍した後も、法政大学星槎大学など様々な舞台を踏破しながら、探究を継続している。

ここ「NOVEL DAYS」では、同人サークル「スライダーの会」が、地球研究会の投稿アカウントを兼任している。

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