第10話 ベートーベン ピアノソナタ1番

文字数 424文字

ベートーベンのピアノソナタ第1番。第1楽章は馴染みがある。娘が習っていたが、第4楽章は聴いたことがなかった。速い。劇的。好きだ。

この曲を主人公に弾かせよう。

これ、好きだわ。発表会で弾いた。

美登利は弾いた。楽譜を開きベートーベンの1番、1楽章。

楽譜をめくってやる。久々に弾くのか? ぎこちない。

4楽章。美登利に代わり弾く。よく弾いた曲だ。悲しみと怒りを叩きつけた。美登利がページをめくる……

夏生は和樹と喋っていた。いちゃついていた。ムカつく男だ。

聴けよ。演奏を。腕が鈍ったか? 

美登利は魅了されたようだ。


ゾクゾクする。私も弾きたい。教えて……

情景が蘇る。第4楽章。弾いていたのはあの男だった。そばに美登利が。和樹の横には夏生がいた。

弾きなよ。和樹も。

冗談言うなよ。弾けるわけないだろ……弾けるわけないだろ、あの男のあとに、なんて……

あれから練習していたんだ。あのスピードは出せないが……

今回も作品とは無関係ですが、なんとなく……

意味がよくわからない。

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登場人物紹介

作者

英幸《えいこう》

亜紀 英幸の義母

英輔 英幸の父

美登利

瑤子 亜紀の従妹

幸子 英幸のママ 英輔の前妻

香《こう》

三島 英輔の会社の部下

圭 英幸の友人

葉月

夏生

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