第8話 チャイコフスキー ピアノ協奏曲 スメタナ モルダウ なぜか、とも子 

文字数 486文字

幸子はノートを付けていた。わからないことを書き出している。

コーヒーのコマーシャルのピアノの曲?

ウイスキーのコマーシャルの雄大な曲?

幸子の謎を解明していく。何年か前のコマーシャルの曲を口ずさむ。俺も思い出し口ずさむ。 

幸子はノートに書く。

チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番第1楽章。
おにいさんはなんでも知っているのね?
有名な曲を知らないんだな
私は無知だから……
無知じゃない。話していてこんなに楽しい

この会話、クラシック好きの母が喜ぶだろう……いや、無理だ。

幸子の数年来の疑問が解けていく。次に来る時はCDを持ってきてやろう。幸子からも教わる。彼女の心をとらえたジャズ、ロック、演歌、歌謡曲も。

良い音楽は第1楽章から。

コマーシャルに使われていたが、当時は曲名がわからなかった。

友人に聞くと、

チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番第1楽章。

それからレコードを買うように。

ウイスキーのほうは?
モルダウだよ。
馴染みのある曲なのに題名が何年もわからないまま。ある日ラジオを聴いていてようやくわかった。
作品に書けなかったけど、幸子の好きな歌謡曲は……吉幾三の、とも子。秋田か青森の出身。
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登場人物紹介

作者

英幸《えいこう》

亜紀 英幸の義母

英輔 英幸の父

美登利

瑤子 亜紀の従妹

幸子 英幸のママ 英輔の前妻

香《こう》

三島 英輔の会社の部下

圭 英幸の友人

葉月

夏生

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