第24話 SF映画の傑作『惑星ソラリス』とバッハ
文字数 1,725文字
『惑星ソラリス』(1972)はスタンリー・キューブリックの『2001年宇宙の旅』(1968)と比肩されるSF映画の傑作で、アンドレイ・タルコフスキー監督の名を不朽のものにした。
ポーランドのSF作家スタニスラフ・レムのベストセラー長篇「ソラリスの陽のもとに」の映画化であるが、"未知なるもの"と遭遇して極限状況に置かれた人間の内面に光をあて、「愛」と「良心」をめぐる道徳・哲学的な問題を提起。深い洞察と独特の映画表現によって、映像による思弁ともいうべきタルコフスキーの世界を構築している。そして、これまでのSF映画に見られない新たな地平を拓いた画期的作品として、多くのファンを今なお魅了し続けているのである。
[ストーリー]
映画はプロローグ(地上の現実)とエピローグ(惑星での未来)を持つ2部作。
惑星ソラリス、それは宇宙のかなたの謎の星で、生物は存在は確認されないが、理性を持った有機体と推測されるプラズマ状の“海”によって
心理学者クリスが原因究明と打開のために送られることになった。美しい緑に囲まれた我が家を後に宇宙ステーションヘと飛び立つクリス…。
しかし彼を待っていたのは異常な静寂と恐しい程の荒廃だった。物理学者ギバリャンは謎の自殺を遂げ、残った二人の科学者も何者かに怯えている。そんなある日、突然クリスの前に、すでに10年前に自殺した妻ハリーが現われた。
彼女はソラリスの"海"が送ってよこした幻だった。"海"は人間の潜在意識を探り出してそれを実体化していたのである。妻の自殺に悔恨の思いを抱いていたクリスは、遂には幻のハリーを愛するようになるが、科学者としての使命感と個人的な良心との
映画を観たかったが、まだビデオは存在しなかった。ずいぶん経ってから観た『惑星ソラリス』は……
シンフォニアはどこに? 流れているのはバッハのコラール『イエスよ、わたしは主の名を呼ぶ』
検索してもわからない。記憶違いか?
……映画は全然理解できなかった。ビデオを借りて観たが、眠った……
ホロヴィッツのピアノで。
冨田勲(シンセサイザー音楽作家、奏者)の『宇宙幻想』の8曲目は『惑星ソラリス』を観た印象に基づいて作られたという。
『ソラリスの海』(J・S・バッハ)
・シンフォニア第2番(BWV788)
・我汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ(BWV639)
『天才ピアニストの愛と孤独』という映画がある。クラシック界の異端児だった……
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