母の思いは?

文字数 407文字

お兄さんもいつかきっと許してくれる……そう言ってヤコブを避難させたお母さん、しかし彼女がヤコブを呼び戻すことはありません。何年経っても、エサウがヤコブのしたことを忘れて仲直りできるとは信じられなかったのかもしれませんね。

ヤコブ自身も故郷へ帰る直前何度も怖くなって立ち止まるくらいですから、この家族で兄弟が仲直りすることを信じていた人は、当の本人たちも含めて誰もいなかったのかもしれません。ところが、いざ神様に促されて恐る恐る帰ったヤコブを最初に迎えて抱きしめたのは、なんとあのエサウでした……仲直りできちゃったんです。

聖書の中では、神と人、人と人との関係の回復というテーマが繰り返し出て来ますが、ここもその一つ。両親の愛情の偏り、兄弟間の騙し討ち、家族関係は決して理想的とは言えないボロボロの家族……にもかかわらず、彼らは和解するんです。関係の回復とはほど遠い世界で生きていた人たちに、それが実現してしまうんです。
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登場人物紹介

白兎のシロウ。

聖書を読み始めた。

黒兎のクロウ。

シロウの親友。

足長兎のナガオ。

シロウに茶々を入れる役目。

硬兎のカタナリ。

とりあえず硬い感じに生きている。

幽霊のヤドナシ。

ちょこっと解説してくれる。

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