忠実な人?

文字数 561文字

旧約の話で最もショッキングな話の一つ、それがこの「イサク奉献」物語です。


アブラハムが「信仰の父」と呼ばれる所以は、このとき神様の命令に従って息子さえ献げるのを惜しまなかったことが挙げられます。


しかし……そのしばらく前では、ソドムの町が滅ぼされないよう必死に神様にとりなした彼の姿が書かれています。


数少ない善人のために命がけで神様にお願いするアブラハム、良い人だなぁ……と思っていたら、自分の息子のためには全くとりなそうとしません。おい……あの時のお前はどこに行った?


アブラハムが神様の命令にためらわず従ったのは、「たとえ息子が死んでも神様が生き返らせてくれる」と信じていたからだ! と後のキリスト教会では理解されるようになりました。


しかし、たとえ生き返らせてもらっても、自分を殺そうとした父親とその息子の関係ってどうなるんだろう……そう簡単には回復できるとは思えません。


「息子イサクも自分が殺されることを分かってついていったんだ」という解釈もありますが、どうなんでしょうか? 自分が殺されるのを恐れて何度も妻を妹だと偽ったアブラハム、その息子イサクも後に同じようなことをしてしまいます(創世記二六章)。


僕には、この親子が死を恐れずに神様の命令に従う人物とはなかなか思えないんです。うーん……やはり、一筋縄ではいきませんね。

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登場人物紹介

白兎のシロウ。

聖書を読み始めた。

黒兎のクロウ。

シロウの親友。

足長兎のナガオ。

シロウに茶々を入れる役目。

硬兎のカタナリ。

とりあえず硬い感じに生きている。

幽霊のヤドナシ。

ちょこっと解説してくれる。

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