感謝祭には帰るから メインフェイズ

文字数 2,506文字

 基本的に、各シーンの合間は日をまたぐものとして描写するとよいでしょう。PCたちは休み時間や休日を利用して調査や交流を行うとすると、自然に動きやすいと思われます。もちろん、PCが「このシーンの直後に行動したい」と宣言した場合、それは認められるべきです。
・PC④がNPCであった場合
 1ラウンド目の最後に、PC①に自身の【居所】を渡した後、感情判定を行います。その時、「フルーツ」のハンドアウトをPC①に密かに見せ、「ちょっと精神が不安定になるかもしれないが、できれば食べてもらいたい」と告げます。その後、PC①の【生命力】や【正気度】が減少していたら、各ラウンドの最後に回復判定を行います。ただし、PC①が任意のハンドアウトを調べてほしいとPC④に依頼するならば、それに従います。
 PC①が「果樹園」の【秘密】を入手した場合、その場に現れ「果樹園」の【居所】を渡します。
 PC④は可能な限り、PC①の身の安全を考えて発言・行動します。一方で、PC①に偏執的ともいえる恋愛感情を抱いています。フルーツを食べるかどうかに関しては、無理強いはしません。
 他のPCに対しては、その【秘密】を知らない限り、PC①と同様の拉致被害者であると考え、同情的です。しかしPC①と敵対するそぶりを見せるなら、PC④は敵意をむき出しにします。NPCは絶対に信頼しません。特にPC①の家族たちに遭遇した場合、表面上は取り繕いますが、後でPC①に「奴らはあなたを財布とさえも見ていない、鉱物標本を眺めるような目をしている」と耳打ちします。
・合成宝石工場
 「工場の製品」の【秘密】を誰かが入手した時に発生します。
 工場の中、およびPCたちの行っている作業が明らかになります。工場は合成宝石工場です。大部屋には、人間大の砂時計に雑多な機械を取り付けたような形状の炉が所狭しと並んでいます。別の部屋では、座り作業で宝石のカット・研磨が行われています。
・宇宙からの声
 「黒い板」の【秘密】を誰かが入手した時に発生するホラースケープです。
 黒い板のガラス部分が光を放ち、奇妙な生物の姿が映し出されます。その生命体の体色は灰褐色、4フィート(120センチ)の大きな丸い頭(胴体を兼ねます)に大きな黒い目とくちばしを持ち、後頭部には大きな1枚の鼓膜があり、顔の周りの16本の触手で直立しています。
 彼は画面を覗き込んでいるシーンプレイヤーのPCに、「恐れる必要はない、私は君の味方でありたいと願っている。私が教導してやろう、より高みに上らせてあげようではないか」(シーンプレイヤーがPC②ならば、「こんなところに来たせいか記憶が混濁しているようだな、我々は君の導き手だ。思い出したかい?」)と話しかけます。PCは、その声、言葉に多大な安らぎを感じます。彼は続けてこう言います。「我々のもとに来るならば、感謝祭を待ちなさい。必ず迎えに行くよ」
 シーンプレイヤーのPCは、《宇宙》にマイナス2(PC②はプラス4)の修正をつけて恐怖判定を行います。
・偽りの家族
 「PC①の家族たち」の【秘密】が公開された時に発生するシーンです。
 PC①の子供たちがシーンプレイヤーを取り囲み、一斉に銃を突きつけます。彼らは「コソコソと嗅ぎまわるネズミめ。お前は何も知らぬ存ぜぬで工場で働いていればいいのだ。記憶を消してやればその行動も幾分かマシになるだろう」と吐き捨てるように言います。シーンに登場しているPCは、《脅す》で恐怖判定を行います。
 さらに、子供たちはその場にいるPC①の配偶者に、「心配ありませんよ、同志カオスソーサラー。この程度の弱敵、あなたの手を煩わせるまでもありません」と呼びかけます。PC①の配偶者……カオスソーサラーは「アレは解析しているな?間違っても奪われるんじゃないぞ。感謝祭にまた会おう」と言い、その場から退場します。
 この時PCは、「自分の【秘密】を彼らに見せる」と宣言することができます。PC③が【秘密】を見せた場合、「なんだ、そうなのか。後は我々に任せておけばいいから、持ち場に戻れ」という言葉と共に子供たちの敵意は失せ、PC③は戦闘から除外されます(シーンに登場しているPCがPC③のみなら、戦闘は起こりません)。その他のPCの【秘密】が見せられようと見せられまいと(【秘密】を見せた場合、逆に態度を硬化させます)、シーンにいるPCと子供たちとで、戦闘を行ってください。
 PC①の子供たちは戦闘に敗北した場合、その場から逃走します。戦闘の勝敗に関わらす、PC①の子供たちの【居所】を獲得します。
 以降、PC①の家には誰もいなくなります。
・禁断の果実
 「フルーツ」を誰かが食べた時に発生するホラースケープです。
 このフルーツは食べた瞬間陶酔するほどに美味です。上質の林檎、桃、柘榴、蜂蜜、スパイスが絶妙に組み合わされたかのような味と香気を感じ、この思い出だけでこれからの人生を乗りきれる気さえします。
 さらに、フルーツを食べたPCは、これがどこかの小さな、しかし強大な異世界から来た何かであることを直感的に悟ります。PCは大宇宙の真理をほんのひとかけら知り、自分は何らかの形で、自身の存在する世界の歴史を他人よりずっと多く変えていくだろうと確信します。
 PC①④がフルーツを食べた場合、久々に食べた懐かしい味であり、これらの感覚もまた何度も体験したことがあるという印象を同時に受けます。
 フルーツを食べたPCは、《悦び》にマイナス2(PC①④はプラス4)の修正をつけて恐怖判定を行います。
・優越主義者の暴虐
 2サイクル目終了時に発生するシーンです。PC全員が登場します。
 感謝祭の日が刻一刻と近づく中、地域の様子がだんだん荒れていきます。一部の民族(どういう民族なのかは、GMが決定してください。なお20年代アメリカでは、白人の団体が他の民族を差別していました)が他民族や彼らをかばう者を店から追い払ったり、不当にリンチ・逮捕する様子が目立ってきます。「民族優越主義団体」のハンドアウトがまだ公開されていなければ、ここで公開してください。
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