孤羊閣 メインフェイズ

文字数 3,151文字

・シーン1 脱出を試みた場合

 PCの誰かが脱出を試みた場合の描写です。

 PCが窓を壊そうと試みた場合、突如腕に強烈な痛みを感じます(窓枠に電流を流す装置が付いているのです)。そのPCは《痛み》で恐怖判定を行ってください。

 PCが扉を壊そうと試みた場合、扉の上からギロチンの刃が落ちてきます(間一髪、PCには当たりません)。そのPCは《切断》で恐怖判定を行ってください。

 PCが壁や床を壊そうと試みた場合、床から突如ガトリングガンが出現し、威嚇射撃を行います。そのPCは《兵器》で恐怖判定を行ってください。

 PCが中庭をよじ登ろうと試みた場合、壁の隙間から丸ノコが出現し、高速で壁を移動します。そのPCは《罠》で恐怖判定を行ってください。

 いずれの場合も、「これではまともな脱出ができそうにない」と告げてください。

・シーン2 園田みんとの部屋

 PCの誰かが園田の部屋に入った場合の描写です。

 園田の部屋の内装は落ち着いたものですが、壁一面カーテンで覆い隠されています。

 カーテンをはがした場合、そこには孤羊閣でのPCとNPCの生活風景(風呂とトイレは除きますが、それ以外のほとんど全てです!)を撮った写真がびっしりと張り付けてあります。それを発見したPCは《カメラ》で恐怖判定を行ってください。ゾーキングを行った場合、《情景》または《カメラ》で判定を行います。成功した場合、その写真の中には園田の姿もありますが、誰かといる時の写真しかなく、園田一人を撮った写真がないことが分かります。

 また、園田の部屋にはパソコンがありますが、ゾーキングを行った場合、壁に貼ってある写真と同じ画像が保存されてあることが分かります。

・シーン3 谷崎大悟郎の部屋

 PCの誰かが谷崎の部屋に入った場合の描写です。

 谷崎の部屋の内装はシャープで近未来的なものです。机にはパソコンと、それに直結した2台のハードウェアとルーターがあります。またIT関連の書籍がいくつもあります。

 パソコンに対しゾーキングを行った場合、現在いくつものプログラムが作動中であることが分かります。さらに《電子機器》の判定に成功した場合、このパソコンで作られたウィルスがどこかのコンピューターを攻撃していることが分かります。

 このパソコンを停止させても何も変わりません。孤羊閣のメインコンピューターはクライマックスフェイズに必ず弱体化します。

・シーン4 月本紗那恵の部屋

 PCの誰かが月本の部屋に入った場合の描写です。

 月本本人の派手な外見に反し、部屋の内装は驚くほど子供じみたものです。部屋の中央には積木が積まれてあり、ベッドにはぬいぐるみがたくさん置いてあります。

 机の上には鍵付きの日記が投げ出してあります。中を見ると、日々の出来事や「家族」について書かれてあり、月本が「家族」との生活を心からの喜びを持って受け入れていたことが分かります。ただし核心的なことについては、【秘密】を見ない限り分からないとPCに明言してください。

・シーン5 孤羊閣の刺客

 孤羊閣の【秘密】が公開されたタイミングで挿入します。マスターシーンです。

 どこからやってきたのか、子供くらいの大きさの、不気味な姿をしたロボットが2体、PCたちの前に現れ、「警告。現在皆様の外出、および転出は許可しません」「メインコンピューターへのクラッキング行為を中止してください」「警告に従わない場合、メインコンピューターは暴力で強制的に皆様の活動を鎮静化させます。ご了承ください」というアナウンスを合成音声で繰り返します。外見は「形容表」と「部位表」を使って決定してください。本体にあたる部分は「機械」となります。

 このシーンにいるPCは《機械》で恐怖判定を行ってください。その後、そのシーンにいるPCとNPC、哨戒ロボットで戦闘を行ってください。哨戒ロボットは首謀者一味にも容赦なく攻撃を仕掛けます。ただし、この戦闘でNPCが哨戒ロボットによって死亡することはありません。

 哨戒ロボットに勝利した場合、孤羊閣が敗者となったものとして扱います(PCにも説明してください)。

 戦闘に敗北し、哨戒ロボットが生き残っている場合、以降、孤羊閣との戦闘では哨戒ロボットが登場します。

・シーン6 シャドウレス

 マイセンの壺の【秘密】が公開されたタイミングで挿入します。マスターシーンです。

 PCは全員、かつて孤羊閣であった記憶を回想します。

 シャドウレスは孤羊閣の防犯システムに撃退され、ほうほうのていで逃げ出しています。PCたちはそれを、ある者は孤羊閣のバルコニーで、またある者は開いた玄関扉の前で見ています。

 この時、誰かが言います。「シャドウレスのような気高い義賊は、この家族にふさわしくないわ。汚れた手と心でなければ分かり合えない。彼女はわかってくれない。そう、彼女は孤独な羊喰いの羊ではないのだから」

 PC全員、《憂い》で判定を行ってください。成功したPCは、この台詞を吐いたのが月本であることを思い出します。

・シーン7 メモリーカード

 プライズ「メモリーカード」を獲得しているPCは、パソコン、スマートフォン、タブレットなどでメモリーカードの中を閲覧することを選択できるようになります。PCがメモリーカードを閲覧することを選択したら、このマスターシーンを挿入してください。

 メモリーカードにはたくさんの動画ファイルが入っていました。一つ一つ閲覧していくと、孤羊閣内、さらには孤羊閣の外でのPCとNPCの生活風景が映し出されます。中にはきわどいアングルのものや、風呂やトイレなどプライバシーに関わるものまでありありと撮影されています。それを閲覧したPCは《恥じらい》で恐怖判定を行ってください。

 ゾーキングを行った場合、好きな技術分野の特技で判定を行います。成功した場合、その映像の中には園田の姿もありますが、誰かといる時の映像しかなく、園田一人を撮った映像がないことが分かります。その後、さらに《物陰》または《カメラ》で判定を行います。成功した場合、月本が隠し撮りの存在に気付いた上で、恥じらいながらもわざと見せつけていることが分かります。

・シーン8 谷崎襲われる

 2サイクル目が終了した時点で、孤羊閣の【秘密】が公開されていない場合のみ、3サイクル目の最初に挿入します。

 谷崎は自室でパソコンを操作しています。「最終調整完了。可もなく不可もなく、といったところか。すっかり腕がなまっちまった」ここでGMは「孤羊閣」の【秘密】を公開してください。

 谷崎の後ろに、哨戒ロボットが音もなく忍び寄ります。谷崎と哨戒ロボットで戦闘を行うと宣言してください。PCが誰も戦闘乱入できなければ、谷崎はここで自動的に死亡します。その際、哨戒ロボット2体を道連れにします。

 そしてその後、谷崎の部屋のドアから血が流れているのを月本が発見し、絶叫しその場に崩れ落ちます。PCが駆けつけ、谷崎の部屋のドアを開けた場合(誰も開けなければ園田が開けます)、谷崎の死体と哨戒ロボットの残骸が見つかります。それを目撃したPCは《死》で恐怖判定を行ってください。

 月本は「ごめんなさい…ごめんなさい…あたしが…全部あたしが悪いの…あたしさえいなければ……みんな………」とうわ言を繰り返し、泣き崩れます。

 PCが戦闘乱入すれば、そのまま戦闘に突入します。この戦闘で谷崎の生命力が0になった場合、谷崎は死亡します。その場合も戦闘に参加したPCは《死》で恐怖判定を行ってください。その際、谷崎はPCのいずれかに「遺言」を行います。

 戦闘に敗北し、哨戒ロボットが生き残っている場合、以降、孤羊閣との戦闘では哨戒ロボットが登場します。

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