BEEF BOWL シナリオハンドアウト

文字数 3,340文字

沖田勇作

あなたはこの牛丼屋の店長である。本社の出世街道から蹴落とされ、こんなチンケな店の店長にまで落ちぶれ、最近医者から血圧が高いと言われるし、頭はハゲるし、嫁はいないし、挙句店が強盗に入られるとかふざけるな。あなたの【使命】は、とにかく生き残ることである。

【秘密】 ショック:全員

私は人間ではない。この世界の運命を俯瞰し裁定する邪神ゲームマスターの化身である。私は暇つぶしのために、この牛丼屋の因果律を操作し、「BEEF BOWL」というセッションの舞台として構築したのだ。私の【本当の使命】は、この状況を楽しむことである。私はこのセッションに登場するすべてのハンドアウトの【秘密】【居所】【精神状態】を持っているので、これを読んでいる君が望むなら2つまであげよう。私の【秘密】を大きな暴力団に渡せば、60万円の情報量が得られる……まあ、何かに使うのだろう。私自身は金をびた一文持っていない。
この【秘密】を知ったPCは、《罠》で恐怖判定。成功すれば1枚、失敗すれば2枚の【狂気】を獲得する。

明智弥生

キミはこのしみったれた店に来てまだ水しか飲んでないホットなベイブだ。キミはさっさと安っぽい牛丼を胃の中に収めてこの場からオサラバするつもりだったのに、こんな事件に巻き込まれて、全くなんてアンラッキーな日だ!キミが男たちを骨抜きにする前に、強盗共に君の全身の骨を粉砕されちゃたまったもんじゃないよね?キミの【使命】は、とにかく生き残ることさ!

【秘密】 ショック:全員

実はキミは暴力団「新紀元組」に所属するヤクの売人だ。店長がどこからか仕入れてきた麻薬を割と安い値段で購入し、売り捌いて組に金を納めるのがキミの仕事。客がいなくなったところを見計らい、店長から最近入った麻薬「ゴールデン・ミード」を買うつもりだった……のだが、こんな状況になった以上は金より命だ、わかるね?
キミと新紀元組は相互に【居所】を持っている。キミは20万円を持っている。この【秘密】を知ったPCは、《薬品》で恐怖判定。

現ナマ

今回のシナリオでは20万円単位のプライズとして扱い、「プライズの獲得」として功績点を得るには、20万円以上を新たに手に入れなければならない。はした金はかき集めても役に立たない。
戦闘に勝利したとき、戦果として敗者ひとりの持っている現ナマをすべて奪うことができる(ただし、クライマックスフェイズで自発的に脱落したキャラクターからは奪えない)。また、金を奪う行為として、誰かを対象として《脅す》《手触り》《罠》いずれかによる計画判定を行うことができる。判定に成功すれば、シーンプレイヤーは対象から20万円を奪うことができる(はした金しか持っていなければ、PCは無駄に行動したことになる)。

【秘密】 ショック:なし

レジに入っている金に、なぜか違和感を覚える。見た目も触感も完全に本物の金なのだが、なんだか「紙よりはもろくて分厚い、乾燥した何か」というイメージが頭に浮かぶ。金庫の札束にも同様の雰囲気がある。

警察

交番や警察署はここから割と遠い場所にある。警察のパトロールも、今のところ来る様子はない。警察に自分の【居所】を渡すには、《電子機器》の計画判定に成功しなければならない。このハンドアウトに【秘密】はない。

店の外

深夜なので外は真っ暗だ。もしかして、外に目撃者はいないか?開いている店はないか?

【秘密】

ショック:PC②④⑥ 拡散情報。店の外は全く人気がない。ここから見渡せるどの建物にも明かりはついていない。コンビニとかも近くにない。強盗は牛丼屋が孤立したこの時、この状況を狙って犯行に及んだのか!

牛丼

あなた達は牛丼だ。安全基準を満たした牛肉と玉ねぎをこの牛丼屋チェーン店独特の汁で煮込み、ほかほかのブレンド米ごはんに乗せた日本発祥のおいしい食べ物だ。玉子をかけてもいける。店長に頼んだら出してくれるよ。あなた達の【使命】は、誰かにおいしく食べてもらうことである。定食もあるでよ!

【秘密】 ショック:なし

特に変わった点はない。牛丼は牛丼だ。豚汁もセットでお得やで!

レジ

何の変哲もないレジ。シーンプレイヤーは《電子機器》《機械》の補助判定に成功した場合、この【秘密】を獲得できる(通常の調査判定でも獲得可能)。またPC②は、このハンドアウトの【秘密】をいつでも獲得することができる。

【秘密】 ショック:なし

拡散情報。レジの中には20万円が入っている。

金庫

事務室に置いてある頑丈な金庫。シーンプレイヤーは《破壊》《分解》《罠》《数学》の補助判定に成功した場合、この【秘密】を獲得できる(通常の調査判定でも獲得可能)。また、主要な行動を放棄することで「店長に開けさせる」こともできる。その場合、自動的にこの【秘密】を獲得できる。

【秘密】 ショック:なし

拡散情報。金庫の中には40万円と、なぜか板ゼラチンが入っている。「板ゼラチン」のハンドアウトを公開。

謎のペットボトル

ペットボトルの中には透明な液体とビニール袋が入っている。ビニール袋の中には、さらに透明な液体が入っている。もし液体が混合すれば、何か危険な化学反応が起こりうることは想像に難くない。このプライズを獲得したとき、《薬品》または《化学》の判定を行うこと。成功すると、ただちにこの【秘密】を獲得する(通常の調査判定でも獲得可能)。ドラマシーンで受け渡し可能。

【秘密】 ショック:全員

これは一種の毒ガス爆弾である。このプライズの持ち主は、戦闘中に支援行動としてこのプライズを使用することができる。使用すると、その戦闘に参加しているキャラクター全員は、《薬品》で判定を行う。失敗したキャラクターは3点のダメージを受ける。このプライズは、一度使用すると無くなる。この【秘密】を知ったPCは、《化学》で恐怖判定。

黒い大きなカバン。このプライズに入れた現ナマは、戦闘や計画判定で奪われる対象にはならない(プライズそのものを戦闘で奪うことはできる)。このプライズの【秘密】は、ドラマシーンなら、このプライズの持ち主が読むことができる(情報共有は起こらない)。ドラマシーンで受け渡し可能。

【秘密】 ショック:なし

ゲーム開始時点では、カバンの中には100万円が入っている。金額が増減している場合、GMが密かに伝える。

板ゼラチン

ハガキ大のゼラチンが全部で20枚ある。なぜか黄色く、糖質を発酵させたような香りがする。
このプライズに対して適切なゾーキングを行った場合、この【秘密】を獲得できる。これは主要な行動とはみなさない。また、《味》《メディア》《化学》で補助判定を行った場合も、この【秘密】を獲得できる。ドラマシーンで受け渡し可能。

【秘密】 ショック:全員

このプライズの本当の名前は「ゴールデン・ミード」という。これには依存性の高い覚醒・幻覚成分が含まれている。要するに、麻薬だ。
ひとかけらでも服用した場合、【依存】の【狂気】を持っていたら未顕在・顕在化に関わらずゲームから除外する。また、正気度を1点回復する(「鎮痛剤」を使用したものとして扱う)。ただし、その処理の後【狂気】を持っていたらランダムに1枚(1枚以上を丸ごと服用した場合、全て)顕在化させる。持っていなかったら、恐怖判定に失敗(1枚以上を丸ごと服用した場合、ファンブル)したものとして【狂気】を得る。
プライズを服用せずにこの【秘密】を知ったPCは、《夢》で恐怖判定。

フィッシュ・キッカー

この牛丼屋のある地域一帯で活動しているストリートギャング。大半がヤクにハマっており、危険な集団。フィッシュ・キッカーの【居所】を知っていれば、エピローグで何らかの取引ができるかもしれない。このハンドアウトに【秘密】はない。

新紀元組

広域指定暴力団。やり口の非情さと隠蔽力の高さに定評のある恐ろしい集団。その構成員には忍者、吸血鬼、オバケ使いや悪魔契約者までも含まれているという噂だが、真相は定かではない。新紀元組の【居所】を知っていれば、エピローグで何らかの取引ができるかもしれない。このハンドアウトに【秘密】はない。

プライズ「拳銃」のハンドアウトは『デッドループ』P187のものをそのまま使用する。
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