遺産:デッドループ導入型 結末

文字数 1,164文字

・継承者が勝利した場合

 地下室の閉じられた炉から、ヴァイオレットの絶叫だけがいつまでも響いています。燃える幽霊たちは、いつの間にか消えています。

 継承者は、行動不能になったキャラクターの生死を自由に決めることができます。面倒であればバッドエンド表を代わりに振っても構いません。

 自発的な脱落に成功したPCは、とりあえずモロク館から逃げおおせることができ、望むならばアーカムを出奔することもできます。ただし、警察に事件の仔細を通報する場合は反応表を振る必要があります。リード家の悪行や児童連続失踪事件は、その後結局未解決に終わります。

・継承者が脱落・死亡した場合

 生き残ったPCたちは、気が付くとモロク館の玄関ホールに立っています。ヴァイオレットが生きているなら、「どうして私はこんな所に」とその場で怯えています。リード氏に関する記憶は失っているようです。

 継承者および死亡したPCの遺体はその場におらず、惨劇が繰り広げられたはずのモロク館の地下室への入口もなくなっています。児童連続失踪事件の証拠も、死亡したPCの遺体も見つかりません。

 継承者は、生きているならば実は玄関ホールで静かに佇んでいます。ですが自分がなぜか今のところ他者から認識されない状態であること、そして「燃ゆる丑」としての自分の力が弱体化していることはわかります。滅びはしませんでしたが、贄を集めるほど回復するには時間がかかるでしょう。継承者は1度だけ、PCひとりに何らかのメッセージを送ることができます。

 継承者が死亡している場合、PCはその後火を直視するたびに炎の奥から視線を感じ、時折石炭と脂が爆ぜるような幻聴が聞こえることになります。

・継承者が「聖なる戦棍」を持つ人物に殺害された場合

 燃える幽霊たちのうち3分の2ほどの人員が継承者の遺体をバラバラに引き裂き(胎児が継承者なら、流産児が幽霊の集団に引き裂かれる地獄絵図となります!)、炉に押し込めます。その幽霊たちは「燃ゆる丑が滅びたので、燃ゆる丑の象徴であるモロク館はこれから火事で跡形もなくなる」とPCに継げ、脱出を促します。リード氏とリチャード、その他先代の燃ゆる丑であったらしき者たちは疲れ果てた様子を見せ、その目や口から吹き出す炎は黒く燻りだします。PCは、望むなら幽霊たちと短い会話を交わすことができます。

 ヴァイオレットが生きているなら、「どうして私はこんな所に」とその場で怯えています。リード氏に関する記憶は失っているようです。

 館は実際火事ですが、燃え上がる炎は、どことなく「清らかな」印象をPCに与えます。PCたちは安全に逃げ出すことができます。

 後日、モロク館の焼け跡から死亡したPCらしき遺体は発見されますが、継承者の遺体とモロク館は跡形も残りません。得たプライズは、そのまま。

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