遺産:私家秘密改稿型

文字数 2,454文字

 これは『インセイン』のルールブック内のサンプルシナリオ『遺産』の【秘密】のみを変更したものです。

 基本的にキャラクターの立ち位置は変わりません。ですが、以下の効果を見込んで作成しました。

・全員の使命を達成させることはできるが、実質的に対立型になる。

・PCたちの【本当の使命】達成条件が明確になる。

・PCやNPCがシナリオ内で指示される行動の理由が明確になる。

・PC③とPC④が他の【秘密】を知っても、モチベーションが下がらなくなる。

・特定のPCの戦力差が軽減される。

 付録として、PC③とPC⑤の共演者としてのデータを作成しました。GMは、PC人数が4人の時にこれを使っても使わなくてもよいです。

以下、プレイヤーへのネタバレ防止のため余白

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハンドアウト

PC① 【秘密】 ショック:なし

PC④は偶然居合わせた泥棒ではない。あなたとPC④はカルト教団「銀の月」に多くのものを奪われ、共に復讐を誓い合った同志である。PC④は「銀の月」が叔父に接触していることを知り、先んじて叔父に警告しに行ってくれていたのだ。叔父の死の原因も、もしや奴らが関係しているのか?あなたの【本当の使命】は、「銀の月」の陰謀を打ち砕くことである。

PC② 【秘密】 ショック:なし

●変更なし

PC③ 【秘密】 ショック:あなたにプラスの【感情】を持っているキャラクター

あなたは、リードが過去の生物に精神を憑依させる装置を開発していたと知っている。装置の完成のために彼が、恐らく何らかの罪に手を染めていたことも。だが、あなたには地獄に堕ちてでも過去に飛びたい事情がある(内容は自由に考えること)。あなたの【本当の使命】は、時間旅行機を確保することである。自分のものにならなくとも、いつでも使用できればよい。

PC④ 【秘密】 ショック:全員。PC①は《恨み》で恐怖判定

あなたは、本当はステファン・リードである。今は、あなたに監禁されて衰弱死したはずの人物(本物のPC④)の中に、あなたの精神だけが入っている状態だ。それ以外の記憶はあいまいで、なぜこうなったかもわからない。本来の自分を取り戻さなければならない。あなたの【本当の使命】は、ステファン・リードの【秘密】を知り、彼の【本当の使命】を達成させることである。

PC①は本物のPC④と知り合いのようだ。警戒して損はない。

PC⑤ 【秘密】 ショック:PC①

●『(しかし、~知られてはならない。』を以下の文章に差し替え

(死体をアーカム川に捨てた記憶はない)。幼い頃から好きだったPC①は、この事実を知っても自分を受け入れてくれるだろうか。

●文末に以下の文章を追加

ところで、妹のヴァイオレットは倫理に疎くうかつな面がある。気を付けて見守ろう。

ヴァイオレット・ターナー 【秘密】 ショック:全員

ある時あなたはリード氏の死体と、その前で錯乱しているPC⑤を発見した。大事な家族が困っているのを見かねたあなたは、死体をこっそり川に捨てておいてあげた。リード氏のことは嫌いだったし、特に罪悪感はない。この時、首無し殺人の犯行現場を目撃している。複数犯だった。彼らは「脳髄のスペアを集めなければ」と話をしていた。

ともかくPC①とPC⑤には、リード氏のことは忘れて幸せになってほしいものだ。

ステファン・リード 【秘密】 ショック:全員

あなたは、現在アーカムで起こっている連続殺人事件の首謀者である。自ら発明した時間旅行機の部品にするため、大勢の人間の頭部を必要としていたのだ。そして時間旅行機は完成した。折角の発明品を、倫理にもとるからと壊されてはたまらない。あなたの【本当の使命】は、時間旅行機を解体させないことである。

生前のあなたはこの【秘密】を知った人間を一人、尋問のため屋敷のどこかに監禁していた。

リチャード・ヤング 【秘密】 ショック:全員

あなたは「深淵に眠るもの」なる神を信奉する宗教団体「銀の月」の幹部だ。過去から神を呼び出すため、リードの時間旅行機の開発を手伝い、こっそり細工をした。リードが死んだせいで邪魔者に押しかけられ、あなたは困っている。あなたの【本当の使命】は、「深淵に眠るもの」を自分に憑依させ、この世界を神への生贄に捧げることである。

あなたは「地下室への鍵」を持っている。最初にこの【秘密】を知ったPCは、即座にこっそりこれを奪える。

モロク館 【秘密】 ショック:この【秘密】が明らかになったシーンに登場していたキャラクター

●変更なし

時間旅行機 【秘密】 ショック:全員

この機械は、本来は過去の生物を眠らせて使用者の精神を憑依させるものであった。だが何者かの細工により、使用者と過去の生物の精神を交換する仕様になってしまった。リード氏はこれを使い過去へ飛んだ。その間、リード氏の肉体には過去の生物の精神が乗り移っていたのだろう。だがリード氏の肉体はその生物の精神と共に死去。装置停止後、リード氏の精神はどこへ……?

共演者データ

PC③ メルヴィン・グラハム

性別:男 年齢:19

職業:大学生

生命力:6 正気度:5

好奇心:技術 恐怖心:《哀しみ》

特技:《恥じらい》《物陰》《電子機器》《メディア》《化学》《時間》

アビリティ:【基本攻撃】《メディア》 【トリック】《電子機器》 【目星】《物陰》

アイテム:「鎮痛剤」「武器」

メルヴィン・グラハムは道ならぬ恋の果てに死亡した恋人を救うために、時間旅行機を欲している。恋人の夫に乗り移るつもりだ。

PC⑤ エヴァンジェリン・ターナー

性別:女 年齢:18

職業:美術商

生命力:6 正気度:6

好奇心:情動 恐怖心:《恋》

特技:《恋》《愛》《手触り》《芸術》《整理》《人類学》

アビリティ:【基本攻撃】《恋》 【誘惑】《愛》 【研究】《人類学》アイテム:「お守り」×2

エヴァンジェリン・ターナーはPC①とヴァイオレットを大切に思っている。【本当の使命】を果たした後は、PC①の意向に沿うような行動を心掛ける。

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