第2章 第1話
文字数 586文字
8階の大会議室には全企画部員が緊張した面持ちで待っていた。そんな彼らを泉さん特有の人懐っこさで解していく。
「初めまして、金光専務の友人の、泉貴志と申します。金光さんとは温泉友達でして、ISSAとか何とか言う変な名前の組織とはイッサい関係ございませんので」
あーあやっちまった。つまらない親父ギャグに皆ドン引き…… かと思いきや、数名の女子がプッと吹き出しておる! 凍りつくかと思われた会議室は意外にも室温が上昇する。
「いやー、金光さんは僕の命の恩人なんですよ、温泉で心臓が止まっちゃった時にね、彼が熱い口付けをしてくれてね、びっくりして僕生き返っちゃったんですよー」
おい。間違いではないが、変な所をピックアップして話すなよ。ああ、何人か食いついちゃったじゃないの……
「いやー、僕ね、初めて男性に口付けされたんですけどね、余りにお上手なんで病みつきになっちゃって。なんちゃって」
企画部女子社員が俺を鬼畜を見る表情で見てるじゃないの…… 折角ひと月前に誤解が解けて信頼信用してくれるようになったのに…
クスクス笑いで騒然とする大会議場の空気をガッツリと掴んだ泉さんは、
「実は今日、金光さんと皆さんにご相談があって伺ったんですよ、まあ年寄りの戯言と思ってお耳をお貸しくださいな」
そう言うと泉さんは肩にかけていたビジネスリュックから古ぼけた木箱を取り出して目の前に置いた。
「初めまして、金光専務の友人の、泉貴志と申します。金光さんとは温泉友達でして、ISSAとか何とか言う変な名前の組織とはイッサい関係ございませんので」
あーあやっちまった。つまらない親父ギャグに皆ドン引き…… かと思いきや、数名の女子がプッと吹き出しておる! 凍りつくかと思われた会議室は意外にも室温が上昇する。
「いやー、金光さんは僕の命の恩人なんですよ、温泉で心臓が止まっちゃった時にね、彼が熱い口付けをしてくれてね、びっくりして僕生き返っちゃったんですよー」
おい。間違いではないが、変な所をピックアップして話すなよ。ああ、何人か食いついちゃったじゃないの……
「いやー、僕ね、初めて男性に口付けされたんですけどね、余りにお上手なんで病みつきになっちゃって。なんちゃって」
企画部女子社員が俺を鬼畜を見る表情で見てるじゃないの…… 折角ひと月前に誤解が解けて信頼信用してくれるようになったのに…
クスクス笑いで騒然とする大会議場の空気をガッツリと掴んだ泉さんは、
「実は今日、金光さんと皆さんにご相談があって伺ったんですよ、まあ年寄りの戯言と思ってお耳をお貸しくださいな」
そう言うと泉さんは肩にかけていたビジネスリュックから古ぼけた木箱を取り出して目の前に置いた。