4月28日 台湾コロナ事情と占いのお話

文字数 3,050文字

 本日、ついに大台にのってしまいました。
 こういう大台には永遠にのってほしくなかったのに……。

 下の画像を見て下さい。



 本日の台湾のコロナ国内感染者数(本土個案)、ついに一万人の大台を突破‼

 何しろ昨日が約8800人、一昨日が約6300人と、前日比2000人以上の割合で増えていたので予想されていたことではありましたが、やはり五桁の数字が並ぶと……お、重い……。

 恐るべし、オミクロン。

 もちろん、ワクチンを打っている人がほとんどなので、たとえ陽性でも軽症や症状無しの人が大半なのですが、今日の発表によれば亡くなった方も2名いらっしゃるそうです。

 正直言って――

 怖い~~。
 以前とはコロナ対策が変わっていて、今のところ仕事がオンラインになっていないので、毎日MRT(地下鉄)やバスに乗らなければいけません。

 有名人も次々と感染しています。
 この日記でも以前紹介した、産経新聞台北支局長の矢板明夫さんも、自分がコロナに感染したことを個人のフェイスブック(4月26日)で公表しました(下図)。



 正直なところ、マスコミとしての産経新聞はちょっとどうなのかなあ、と思ってしまうわたしですが、矢板さんがフェイスブックで発信している中国語のメッセージは、あくまで個人の見解ということで、独自の視点や分析が面白いです。今台湾で大きな人気を博しているのも頷けます。

 台湾のSNSとしては、ツイッターよりフェイスブックが主流です。
 その意味で、六万人近くの人にフェイスブックをフォローされている矢板さんは、台湾におけるインフルエンサーの一人と言っていいと思います。

 それにしても――
 繰り返しになりますが、本日だけで国内感染者数一万人超えとは……。

 ついつい暗い気分になってしまいます。

 こういう時は、楽しい番組なんかを見て笑った方が精神衛生上いいですよね。

 ――というわけで、最近台湾で大人気のユーチューバーの番組を見てみることにしました。
 そのユーチューバーの名は――

阿翰(ア・ハン)」さんです。

 阿翰さんの動画の中でも、今すごく話題になっている「算命阿姨(占いオバサン) 九天玄女之天女散花」を皆さんにご紹介しましょう。

 この動画は占いのお話です。

 台湾の占いはよく当たると世界的に有名です。
 実はわたしもすごく興味があるのですが、残念ながらまだ占ってもらったことがありません。

 何しろ台湾の友人たちから、「よく当たる占い師は『小鬼(シャオ・クゥイ)』(日本の陰陽師が使う式神みたいなイメージ)を飼っている」だの、「暑い日だったのに、占いの後で身体がガクガク震えて止まらなくなった。あそこには絶対

いたと思う」とか聞かされると、「ええー、ほんとー?」と顔では笑いながら、内心は(やっぱ怖っ!)と思ってしまうんです、気の弱いわたしとしては……。

 その点、この阿翰の「算命阿姨(占いオバサン)」を見ているぶんには危険はありません(笑)

 友人に言わせると、「男性の阿翰が台湾の女性占い師の雰囲気をとってもよく捉えて演じているところがすごい!」んだそうです。

 友人は動画を見て爆笑してましたし、わたしも面白く見ました。実際に占ってもらったことこそありませんが、わたしも「台湾って、確かにこういう話し方をするおばさんいるいる!」と思いました。

 さて、気になる動画の内容ですが――
 阿翰扮するオバサン占い師(名前は廖麗芳(リィアオ・リー・ファン))のところに女性のお客さんがやって来た、という設定でお話が始まります。

 オバサンはお客さんに「何を占ってほしいの?」と尋ね、相手は「流年運勢(リィウ・ニィエン・ユン・シィー)(今年の運勢)を見てほしい」と答えます。

 オバサンは「悪口を言うわけじゃないけど」と断りつつ、有名な同業者たちをこき下ろします。

「ああいう占い師たちはね、ただ話が面白いだけなのよ。ちゃんと占ってほしいなら、わたし(廖麗芳)のところへおいでなさい。真面目に占いをやってるのはわ・た・し・よ!」

 次に、オバサンはお客さんの生年を尋ねます。「1994年生まれ」と相手が答えると、「ということは民国83年ね……」(民国というのは台湾の元号)と、もっともらしく何やらぶつぶつ言い始めるのですが、最後にぼそっと「很老了(ヘン・ラオ・ラ)(あんた、もういい年ね)」。
 余計なお世話というか、生年を教えているんだから、そんなの占いしなくてもわかるでしょって言いたくなりますよね!

 その後も、いかにも

占い用語を駆使しながら、なぜかフライパンとトウモロコシと塩をテーブルに乗せるオバサン。

「いい? 先ずあなたの中学時代の国語の先生、それから英語の先生の顔を思い浮かべるの。そして最後に、一匹の天竺鼠(ハムスター)の顔を思い浮かべながら、このフライパンの中にトウモロコシと塩を撒きなさい!」と、まったく意味のわからない謎すぎる命令をします。

 更に占い用語を呟き続け、やがて「あ、九天玄女が降りてきた!」と叫ぶオバサン。(九天玄女のお告げを伝えているという設定)

 しかも九天玄女の降臨の実況中継付き。

「800英呎(フィート)、500英呎……100英呎、中華路二段55號(この占いの館の住所)收到(受信完了)!」

 フライパンの中でトウモロコシが弾ける様を「天女散花」(天女が空中に花を撒くイメージ)に擬えているようなのですが――

 いや、どう見ても、ただのポップコーンじゃん!

 オバサンは誇らしげに、こう宣言します。

「台湾広しといえども、この占いができるのはわたしだけよ!」(そりゃあ、そうでしょうね!)

「いい香り。これが九天玄女の香りよ!」(ポップコーンの香ばしい匂いとしか思えないけど)

 オバサンはポップコーンをかじりながら、その味で(?)占いをするのです。(もちろん台湾にこんな占いはありませんよ!)

 ここでも、

占い用語がいろいろ並ぶのですが、その合間に「今年あんたは便秘に悩むわよ」とか、「あんたって(いびき)が大きいでしょう」、「衛生習慣が悪い」とか、それって占いというより単なる悪口じゃないの? というひどい言葉をお客さんに浴びせています。

 オバサンの暴走は止まりません。

「あなたの今年の運勢を漢字で表すとこれよ!」と言って書いた字が、なんと「屎運(シィ・ユン)」。

 この「屎」の字は「ク●」、英語でいうと「シッ●」の意味ですね。(ちょっと下世話ですみません。わ、わたしは単に翻訳してるだけですから!)

 つまり、お客さんの今年の運は最悪だと言っているわけなのです。

「特に忌むことはね、他人と比べることよ。他人と比べるとね、屎の字が(ピー)の字になっちゃうから!」(「なっちゃうから!」って……)

「屎」から「屁」(おなら)に変わるって……どっちが悪いのかイマイチわかりませんが(笑)

 最後の最後に、それでも一応フォローのつもりか、「今年の運を良くする方法は、できるだけ物事を深刻に考えず、リラックスした態度で臨むことよ!」とアドバイスしています。

 さて、ラスト。
 お客さんが帰っていくと、オバサンはどこかに電話を掛けます。その内容は――

「明日、トウモロコシ二袋届けてよ。……ところでさ、今日のトウモロコシまずかったわよ。もうめちゃくちゃまずかった! 次はカナダ産のに換えるわ!」

 URLを載せておきますので、興味のある方はぜひ実際の動画を御覧になって下さいね。
 台湾で占いをしてもらっている気分を味わえる……かな?(かえって誤解されたりして……)

※阿翰po影片 │算命阿姨 九天玄女之天女散花
https://youtu.be/qo3H-VgXmHE
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