2月12日 【特別編‼】台湾救助犬「樂樂」の物語
文字数 4,128文字
台湾救助犬シリーズ(?)の第3弾をお送りいたします。
第1弾のところで、台湾が救助犬大国であること、国際救助犬連盟(IRO)が認証を与えている救助犬は全アジアで9頭しかいないにもかかわらず、なんとその三分の二を占める6頭が台湾で訓練された救助犬だとご紹介しました。
ところが、台湾救助犬について資料にあたっているうちに、わたしはあることに気づいたのです。
それは――
2020年12月以前の資料では、台湾の国際救助犬は全部で7頭になっているのです。
つまり、2020年12月以降、1頭減って6頭になったということですよね。
救助犬の多くは7~8歳で引退するのだそうです。
わたしは、その引退した1頭に興味を持ちました。そこで少し調べてみて驚きました。この犬——名を「樂樂 」と言います――は、台湾で初めて国際救助犬として認証された偉大な犬なのです!
しかも彼女(樂樂は女の子です)は、数奇と言っていい
そこで本日は特別編として、この「樂樂」の物語について書きたいと思います。
先ず皆さんにお訊きしたいのですが、救助犬というと、普通はシェパードのような大型犬を思い浮かべるのではないでしょうか?
ところが、この樂樂、なんとジャックラッセルテリアなのです!
ジャックラッセルテリアは小型犬で、成犬でも体重は4~6㎏しかありません。実際、樂樂も身長は30センチほどしかありません。
樂樂は台湾初の国際救助犬であり、同時に世界最小の国際救助犬でもあったのです。
樂樂の元々の飼い主は、ある老夫婦でした。
ところが、樂樂は元気いっぱいの遊び好き。「いい子」でいることができません。
老人のズボンの裾を噛んだり、家の中の物をめちゃくちゃにしたりと、とにかくやんちゃだったのです。
樂樂を持て余した老夫婦は、彼女を犬の訓練学校に預け、新しい飼い主を探してもらうことにしました。
ここで、樂樂の運命が大きく変わります。
――「小さいけれど、すごく頭が良くて、ものすごく活発な犬がいる」
そんな噂が、「特種搜救隊」の一人の隊員の耳に入りました。
「その犬は救助犬に向いているかもしれない」
という直感から、樂樂を「特種搜救隊」で引き取ることにしたのです。
「特種搜救隊」とは、どういう組織なのでしょうか? ――話は1999年まで遡 ります。
台湾の災害政策を語る時、ターニングポイントになるのが、「921大地震」と呼ばれる、1999年9月21日に台湾の中部を震源地として起こった大地震です。
死亡者が2400人以上、けが人が11000人以上、全壊した建物が52000戸ほどにも及ぶという大震災でした。
この震災の経験から台湾の災害政策は修正されることになり、2002年、「南投竹山」というところに、內政部消防署管轄の「特種搜救隊」が設立されました。
救助犬の育成もこの「特種搜救隊」の一部署として行われることになったのですが、正式に「搜救犬隊」(救助犬隊)が設立されたのは、2010年になってからです。
「特種搜救隊」が設立されてから20年あまり、「搜救犬隊」設立からはまだ13年という短い時間の中で、アジアの国際救助犬のほとんどを台湾の救助犬が占める結果になったのですから、壮挙と言っていいと思います。
「樂樂」は「特種搜救隊」で、ある「領犬員」(救助犬訓練師)と出会います。
その「領犬員」が「詹天文」さんです。彼の人生にも物語があります。
詹天文さんは警察専門学校卒業後、「消防署特種搜救隊」の救助隊員としてバリバリ活躍していました。
ところが、ある任務の最中に重傷を負ってしまうのです。
一度は医者に「右手は一生使い物にならないかもしれない」とまで言われた詹天文さんでしたが、懸命のリハビリの末、なんとか「特種搜救隊」に復帰を果たします。
しかし、右手で重い物を持つことができないので、救助隊員を続ける夢は叶わず、「搜救犬隊」への異動が決まりました。
そこでバディを組むことになったのが、当時1歳の樂樂だったのです。
救助隊員として挫折し、失意の中にあった詹天文さんと、老夫婦に見捨てられ、「特種搜救隊」に流れ着いたジャックラッセルテリア。
マッチョな詹天文さんと、小さな小さな樂樂。正に映画のような凸凹コンビの誕生でした。
「特種搜救隊」にきたばかりの樂樂について語る時、詹天文さん以外の隊員たちは皆、苦笑まじりに首を横に振るそうです。以下は雑誌のインタビュー記事からの引用。※1
「あの子がやった悪戯 を数え上げればキリがない。隊で飼っている豚や鶏にちょっかいを出すのは日常茶飯事。しかも、隊の中の樂樂よりずっと身体の大きい犬まであの子にいじめられる始末だからね。救助犬たちは皆、樂樂に振り回されて大変だったよ」
「一番頭が痛かったのが、『脱走』だったね。樂樂が脱走しないように、特別の犬舎を建てたんだけど、それでもちょっと油断すると、もうもぬけの殻なんだ。脱走の度に、門のところにいる警備員から電話が掛かってきて、『お前たちのところの樂樂がまた来てるぞ!』なんて言われて……。ある時なんて、樂樂がうちの大隊長にとっ捕まって、おれたち全員、大目玉を食ったっけ」
ここで、樂樂の写真をお見せしましょう!
(『自由時報』2018年4月27日付の記事より※2)
かっわいい~~‼
そんなやんちゃな樂樂でしたが、救助訓練において類い稀 な才能を示し、みるみる頭角を現しました。後に台湾初の国際救助犬となるのは、前述した通りです。
詹天文さんは樂樂のすごさについて、インタビューの中で以下のように語っています。
「ふだん樂樂の欠点とされる性質が、仕事の上では非常に有効的に働くのです。しかも、身体が小さいため、狭い瓦礫の隙間にも入っていけますし、足場の悪い場所でも大型犬よりうまくバランスを取ることができます。大型犬の場合は、瓦礫の山に登ったとたん、瓦礫が崩れてしまうこともあって、極めて危険なのですが、樂樂はそうした危険を極力回避することができるのです」
詹天文さんは特に印象に残っている救助活動として、2016年に「台南市」という台湾南部の都市で起こった「維冠金龍ビル倒壊事故」を挙げています。
「維冠金龍ビル倒壊事故」というのは、耐震構造に問題のあった「維冠金龍ビル」が地震で倒壊し、115人もの人が亡くなるという大惨事でした(単一の建物での死者としては、台湾災害史上最大の事故)。
事故現場に派遣された樂樂は大活躍を見せたそうですが、詹天文さんは思わず手に汗握る場面が何度もあったと語っています。
「あの時、ビルはすっかり横倒しになっていました。樂樂は自分の身体の利点を活かして、狭い瓦礫の隙間に入って、その下にいる生存者を捜索していたのですが、私は樂樂が下に降りてしまうのではないかと気が気ではなかったのです。降りるのは簡単ですが、もし上がってこられなかったら? 私は、樂樂が帰ってこないのではないかと思うと、恐ろしくてなりませんでした」
実際、救助犬が狭い瓦礫の奥で首輪が何かに引っかかって出られなくなり、不幸にも犠牲になってしまうケースもあるのだそうです。
インタビューで詹天文さんが語った言葉が、心に刺さります。
「多くの人は救助犬をただの道具のように考えています。時には犠牲もやむを得ない、と。でも、私たちにとって彼らは道具ではありません。
救助犬は、災害現場で人間を助けてくれるだけではありません。樂樂たちは国際救助犬として国連の依頼を受け、海外での救助活動にも参加しています。そこには当然、外交的な意義があります。
国際救助犬は、台湾の親善大使の役割も立派に果たしているのです。
2020年12月、9歳の樂樂はついに引退することになりました。
引退した救助犬は、一般家庭に引き取られることになります。台湾では、日本のように「譲渡」という言葉は使わず、「領養 」と言います。
ここで、意外な人が「領養」家庭として名乗りを上げました。
それはなんと――
そうです! 蔡英文総統です。
無類の犬猫好きとして知られる蔡総統。
総統官邸には蔡総統の愛猫 である「想想 」と「阿才 」の他に、引退した盲導犬3頭がいるのですが、そこに樂樂が、新しい家族として加わることになったのです。※3
「ファーストレディ」のことを、中国語では「第一夫人」と書くのですが、それをもじって、樂樂たちは「第一犬 」と呼ばれています。
こうして第一線を退き、悠々自適の引退生活を送ることになった樂樂ですが、再び表舞台に立って、脚光を浴びる日がきました。
2021年4月16日――アメリカ代表団の訪台です。
蔡総統はアメリカ代表団を総統官邸に招き、そして、これがいかにも蔡総統らしいのですが、愛犬たちも一緒に記念撮影をすることになりました。
それがこの写真です。
樂樂、ちゃっかり自分だけ前に出てポーズを決め、一番目立っています!
とにかくじっとしていられない性格である彼女の、正に面目躍如というところでしょうか。そして、この表情。まるで――
「蔡総統、外交のことはわたしに任せてくれていいのよ!」と言っているみたい。
この写真は、元々蔡総統が自らのフェイスブックに投稿したものなのですが、それがニュースでも報道され、すごい反響を呼びました。しかも皆、人間たちではなく、樂樂たちを見ていたそうで……
台湾国際救助犬——彼らは危険な災害現場で懸命な救出活動をしてくれるだけでなく、こうして外交の場の雰囲気をやわらげる、最高の親善大使としても活躍しているのです。
※1 「聯合國認證搜救犬亞洲僅9隻!7隻來自台灣!」『今週刊』(2019年1月28日)
※2 「全世界最小隻搜救犬「樂樂」 超Q模樣萌翻全場」『自由時報』(2018年4月27日)
※3 樂樂が蔡総統官邸の「家族の一員」となった時の映像があります。「總統家添新成員!年前認養退役搜救犬"樂樂"|TVBS新聞」URL:https://youtu.be/WnrqXLmEX9E
第1弾のところで、台湾が救助犬大国であること、国際救助犬連盟(IRO)が認証を与えている救助犬は全アジアで9頭しかいないにもかかわらず、なんとその三分の二を占める6頭が台湾で訓練された救助犬だとご紹介しました。
ところが、台湾救助犬について資料にあたっているうちに、わたしはあることに気づいたのです。
それは――
2020年12月以前の資料では、台湾の国際救助犬は全部で7頭になっているのです。
つまり、2020年12月以降、1頭減って6頭になったということですよね。
救助犬の多くは7~8歳で引退するのだそうです。
わたしは、その引退した1頭に興味を持ちました。そこで少し調べてみて驚きました。この犬——名を「
しかも彼女(樂樂は女の子です)は、数奇と言っていい
犬
生を歩んでいるのです。そこで本日は特別編として、この「樂樂」の物語について書きたいと思います。
先ず皆さんにお訊きしたいのですが、救助犬というと、普通はシェパードのような大型犬を思い浮かべるのではないでしょうか?
ところが、この樂樂、なんとジャックラッセルテリアなのです!
ジャックラッセルテリアは小型犬で、成犬でも体重は4~6㎏しかありません。実際、樂樂も身長は30センチほどしかありません。
樂樂は台湾初の国際救助犬であり、同時に世界最小の国際救助犬でもあったのです。
樂樂の元々の飼い主は、ある老夫婦でした。
ところが、樂樂は元気いっぱいの遊び好き。「いい子」でいることができません。
老人のズボンの裾を噛んだり、家の中の物をめちゃくちゃにしたりと、とにかくやんちゃだったのです。
樂樂を持て余した老夫婦は、彼女を犬の訓練学校に預け、新しい飼い主を探してもらうことにしました。
ここで、樂樂の運命が大きく変わります。
――「小さいけれど、すごく頭が良くて、ものすごく活発な犬がいる」
そんな噂が、「特種搜救隊」の一人の隊員の耳に入りました。
「その犬は救助犬に向いているかもしれない」
という直感から、樂樂を「特種搜救隊」で引き取ることにしたのです。
「特種搜救隊」とは、どういう組織なのでしょうか? ――話は1999年まで
台湾の災害政策を語る時、ターニングポイントになるのが、「921大地震」と呼ばれる、1999年9月21日に台湾の中部を震源地として起こった大地震です。
死亡者が2400人以上、けが人が11000人以上、全壊した建物が52000戸ほどにも及ぶという大震災でした。
この震災の経験から台湾の災害政策は修正されることになり、2002年、「南投竹山」というところに、內政部消防署管轄の「特種搜救隊」が設立されました。
救助犬の育成もこの「特種搜救隊」の一部署として行われることになったのですが、正式に「搜救犬隊」(救助犬隊)が設立されたのは、2010年になってからです。
「特種搜救隊」が設立されてから20年あまり、「搜救犬隊」設立からはまだ13年という短い時間の中で、アジアの国際救助犬のほとんどを台湾の救助犬が占める結果になったのですから、壮挙と言っていいと思います。
「樂樂」は「特種搜救隊」で、ある「領犬員」(救助犬訓練師)と出会います。
その「領犬員」が「詹天文」さんです。彼の人生にも物語があります。
詹天文さんは警察専門学校卒業後、「消防署特種搜救隊」の救助隊員としてバリバリ活躍していました。
ところが、ある任務の最中に重傷を負ってしまうのです。
一度は医者に「右手は一生使い物にならないかもしれない」とまで言われた詹天文さんでしたが、懸命のリハビリの末、なんとか「特種搜救隊」に復帰を果たします。
しかし、右手で重い物を持つことができないので、救助隊員を続ける夢は叶わず、「搜救犬隊」への異動が決まりました。
そこでバディを組むことになったのが、当時1歳の樂樂だったのです。
救助隊員として挫折し、失意の中にあった詹天文さんと、老夫婦に見捨てられ、「特種搜救隊」に流れ着いたジャックラッセルテリア。
マッチョな詹天文さんと、小さな小さな樂樂。正に映画のような凸凹コンビの誕生でした。
「特種搜救隊」にきたばかりの樂樂について語る時、詹天文さん以外の隊員たちは皆、苦笑まじりに首を横に振るそうです。以下は雑誌のインタビュー記事からの引用。※1
「あの子がやった
「一番頭が痛かったのが、『脱走』だったね。樂樂が脱走しないように、特別の犬舎を建てたんだけど、それでもちょっと油断すると、もうもぬけの殻なんだ。脱走の度に、門のところにいる警備員から電話が掛かってきて、『お前たちのところの樂樂がまた来てるぞ!』なんて言われて……。ある時なんて、樂樂がうちの大隊長にとっ捕まって、おれたち全員、大目玉を食ったっけ」
ここで、樂樂の写真をお見せしましょう!
(『自由時報』2018年4月27日付の記事より※2)
かっわいい~~‼
そんなやんちゃな樂樂でしたが、救助訓練において類い
詹天文さんは樂樂のすごさについて、インタビューの中で以下のように語っています。
「ふだん樂樂の欠点とされる性質が、仕事の上では非常に有効的に働くのです。しかも、身体が小さいため、狭い瓦礫の隙間にも入っていけますし、足場の悪い場所でも大型犬よりうまくバランスを取ることができます。大型犬の場合は、瓦礫の山に登ったとたん、瓦礫が崩れてしまうこともあって、極めて危険なのですが、樂樂はそうした危険を極力回避することができるのです」
詹天文さんは特に印象に残っている救助活動として、2016年に「台南市」という台湾南部の都市で起こった「維冠金龍ビル倒壊事故」を挙げています。
「維冠金龍ビル倒壊事故」というのは、耐震構造に問題のあった「維冠金龍ビル」が地震で倒壊し、115人もの人が亡くなるという大惨事でした(単一の建物での死者としては、台湾災害史上最大の事故)。
事故現場に派遣された樂樂は大活躍を見せたそうですが、詹天文さんは思わず手に汗握る場面が何度もあったと語っています。
「あの時、ビルはすっかり横倒しになっていました。樂樂は自分の身体の利点を活かして、狭い瓦礫の隙間に入って、その下にいる生存者を捜索していたのですが、私は樂樂が下に降りてしまうのではないかと気が気ではなかったのです。降りるのは簡単ですが、もし上がってこられなかったら? 私は、樂樂が帰ってこないのではないかと思うと、恐ろしくてなりませんでした」
実際、救助犬が狭い瓦礫の奥で首輪が何かに引っかかって出られなくなり、不幸にも犠牲になってしまうケースもあるのだそうです。
インタビューで詹天文さんが語った言葉が、心に刺さります。
「多くの人は救助犬をただの道具のように考えています。時には犠牲もやむを得ない、と。でも、私たちにとって彼らは道具ではありません。
彼らは友人であり、仲間であり、人間を救ってくれる英雄なのです
」救助犬は、災害現場で人間を助けてくれるだけではありません。樂樂たちは国際救助犬として国連の依頼を受け、海外での救助活動にも参加しています。そこには当然、外交的な意義があります。
国際救助犬は、台湾の親善大使の役割も立派に果たしているのです。
2020年12月、9歳の樂樂はついに引退することになりました。
引退した救助犬は、一般家庭に引き取られることになります。台湾では、日本のように「譲渡」という言葉は使わず、「
ここで、意外な人が「領養」家庭として名乗りを上げました。
それはなんと――
そうです! 蔡英文総統です。
無類の犬猫好きとして知られる蔡総統。
総統官邸には蔡総統の
「ファーストレディ」のことを、中国語では「第一夫人」と書くのですが、それをもじって、樂樂たちは「
こうして第一線を退き、悠々自適の引退生活を送ることになった樂樂ですが、再び表舞台に立って、脚光を浴びる日がきました。
2021年4月16日――アメリカ代表団の訪台です。
蔡総統はアメリカ代表団を総統官邸に招き、そして、これがいかにも蔡総統らしいのですが、愛犬たちも一緒に記念撮影をすることになりました。
それがこの写真です。
樂樂、ちゃっかり自分だけ前に出てポーズを決め、一番目立っています!
とにかくじっとしていられない性格である彼女の、正に面目躍如というところでしょうか。そして、この表情。まるで――
「蔡総統、外交のことはわたしに任せてくれていいのよ!」と言っているみたい。
この写真は、元々蔡総統が自らのフェイスブックに投稿したものなのですが、それがニュースでも報道され、すごい反響を呼びました。しかも皆、人間たちではなく、樂樂たちを見ていたそうで……
台湾国際救助犬——彼らは危険な災害現場で懸命な救出活動をしてくれるだけでなく、こうして外交の場の雰囲気をやわらげる、最高の親善大使としても活躍しているのです。
※1 「聯合國認證搜救犬亞洲僅9隻!7隻來自台灣!」『今週刊』(2019年1月28日)
※2 「全世界最小隻搜救犬「樂樂」 超Q模樣萌翻全場」『自由時報』(2018年4月27日)
※3 樂樂が蔡総統官邸の「家族の一員」となった時の映像があります。「總統家添新成員!年前認養退役搜救犬"樂樂"|TVBS新聞」URL:https://youtu.be/WnrqXLmEX9E