8月5日 ペロシ議長の訪台と隣のジャイアンの反応

文字数 1,676文字

 ペロシ下院議長訪台のニュースは、日本でもかなり大きく報道されたようですね。
 台湾国内の大部分の反応としては、「ペロシ議長歓迎」です(一部反対している人たちもいますが)。

 ペロシ議長は、大統領不在時に副大統領の次に職務を代替できる立場にあります。ですから、「アメリカ政府のナンバー・スリー」という形での報道が台湾でもされていました。

 こういう現役の大物の訪台というのは、台湾にとって「歴史的な事件」ということになります。

 政治的な影響力を持つ人ほど、「一つの中国」政策を掲げる中国に対する遠慮や忖度から、訪台を断念せざるを得ないというのが過去の歴史だったからです。

 今回のペロシ議長の訪台は、台湾の立場や状況が国際的に認知される大きな機会となるので、台湾の大方の反応としては当然、歓迎ムードになるわけです。

 台湾の立場は、一貫しています。
 要は――

「台湾は台湾。中国の一部ではない。」

 これに尽きます。

 台湾は独自の法体系と自らの軍隊を持っており、それは台湾が紛れもなく、一個の「国」だということを表しています。

 台湾が国であることを証明する方法は、実はとても簡単です。

「中国の人はパスポート無しで台湾へ来られますか?」

 来られないですよね。
 つまり、それが台湾が「国」である証明です。

 ところが、オリンピックには「地域」としてしか参加できないとか、国際的にいろいろ理不尽な扱いを受け続けているのが台湾の状況なのです。
 
 以上のような台湾の立場や状況が国際的に認知されていくことには、大きな意味があるわけですね。

 ただ、ペロシ議長の訪台には(これも当然ながら)リスクが伴います。

 具体的には中国の大規模な軍事演習――つまり、政治的な威嚇行動となって現れます。
 台湾の報道の一部を紹介しましょう。



 この記事を見て、わたしは思わず笑ってしまいました(もう笑うしかない……?!)。
 いやあ、見事に包囲されていますね~!

 報道によれば、中国は六か所の台湾の海域・空域で大規模な「軍事演習」(という名の威嚇行動)を行っている、とのことです。

 しかも、攻撃は「軍事演習」にとどまりません。
 大規模なサイバー攻撃もありました。

 次の記事を御覧下さい。



 こういう時は、日本でもお馴染み――台湾が誇るデジタル担当大臣唐鳳(オードリー・タン)氏の出番ですね。

 唐鳳氏は、「一日当たりのサイバー攻撃回数が過去最高数の23倍にも(のぼ)った」とした上で、「だが、これは既に予想されていたことであったので、全て速やかに発見、処理することができた」と語っています。

 おお、カッコいい!

 唐鳳氏は、これはwikiとかには載っていない情報なのですが、元々は凄腕のハッカーだったんです。

 だから、ハッカーのやり口は熟知しているわけで、見方によってはこれほどの適材適所はないですね。

 それにしても、いくら天才的な頭脳の持ち主とは言え、元ハッカーが大臣になってしまう国……マンガのような話ですが、本当です。

 これぞ正に「台湾ドリーム」……なのかな?

 というわけで、政治的な緊張が高まっているのは事実なのですが、台湾国内の生活は、驚くほど普段と変わりません。

 そもそも中国の戦闘機は、ペロシ氏訪台に関係なく、毎日台湾の領空を侵犯していますし、緊張状態が「常態化」しているところもあります。

 台湾の一般市民は、日本での報道を見ている人たちの目に意外に映るであろうほど、「フツー」に暮らしています。(むしろ台湾の人は、「日本のコロナ大丈夫?」と日本を心配しています^^;)

 わたしも、さっきセブンイレブンで、最近ハマっている小豆練乳アイスキャンディー(30元 / 本)を買ってきたところです。 

 それにしても……

 個々の中国の人には別に含むところはないのですが、「国」としての中国は本当にもう何と言うか――

 ジャイアン

 これですね。
 
 ドラえもんが

世界で、隣りにジャイアンがいる状況をご想像下さい。
 
「軍事演習」がジャイアンのリサイタル程度で終わってくれることを願うばかりです。

 いやはや。

 現場からは以上です――
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