第4話 第2章

文字数 547文字

見つけた。アイツだ。彼女の新しい男。

思ったよりも地味な奴だ。真面目そうに見える。
運動でもしていたのか、矢鱈に体格がいい。俺よりもガッチリしている…
男の俺から見ても、ハンサムな感じだ。女に不自由しなさそうに思える。
まーちゃんが好きそうなタイプだ。

彼女の拗ねた顔を初めて見た… あんな表情を見せるんだ…
彼女の甘えた素振りを初めて見た… いつも泰然自若としているのに…
あんなにいっぱい二人で買い物しやがって。
あんなに楽しそうな彼女の表情は初めてだ、クソが…

スマホのカメラで二人を撮る。何枚も何十枚も撮る。
腕を絡めている姿を動画で撮る。手をつないでいる姿も動画で撮る。
もう沢山だ。これ以上見たくない。

俺は駐車場に向かいながらこれからの事を考える。
まずはこの写真や動画を彼女に見せよう。そして男を呼び出させよう。
昔の下っ端を数人集めて、二人をあの倉庫に拉致ろう。
男の服を引っぺがして鎖で繋ごう、それから下っ端は見張に外に追い出して
思う存分、まーちゃんをいたぶろう。泣いて許しを乞うても
俺の精が尽き果てるまで、打ち込んでやろう。

それからまーちゃんの目の前で男を締め殺し、
アイツらに海に沈めてこさせよう
それから…

何処をどう運転してきたのだろうか
気がつくと海ほたるの喫煙所でタバコのフィルターに火を付けていた。
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