プロローグ
文字数 226文字
中継のセカンドからの送球がサード側にやや流れる。左腕を伸ばし確実に捕球しなければ。ホームに滑り込むランナーと交錯する。砂煙の中、バキッという音と激痛が同時に僕を襲う。
救急車の中で涙が止まらない。三週間後の甲子園に立てない悔しさ? 二度と野球が出来ない事への絶望? くの字に曲がった腕の痛み?
サイレンが走馬灯のように僕の頭に鳴り響く。
灼熱の炎天下。準々決勝で惜敗した仲間たちをアルプススタンドで迎え、僕の野球人生は終わった。心と腕が折れたまま…
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