第14話

文字数 418文字

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 一週間後、僕は竹内さんに電話をして、家庭教師をやらせて下さいと返答をした。ただ、定期試験が近いので、その日程が終了するまで待って下さい。あとニ週間で終わります。 
竹内さんは電話口で感謝の言葉を述べた。必ず引き受けて下さると思っていました。ありがとうございます。試験が終わりましたらまた連絡をください。 
その声からは非常に安堵した様子がうかがえた。その声を聞けて僕も一息落ち着くことができた。
 定期試験は無事に終わった。後は成績が出るのを待つだけだ。試験開始から30分が経過した時点で回答が終わっていれば答案用紙を提出して退出してよいのだが、僕は退出できた試しがない。時間いっぱい粘っているのではなく、ただ単純に間に合わないだけなのだ。退出していく人を一人また一人と見送るたびに、同じ問題を解いているはずなのに、彼女ら彼らの頭の中はどうなっているのだろうと疑問に思う。何はともあれ試験は終わった。
スティービーは依然姿を消したままだ。
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