新しい物語の始まり
文字数 232文字
「転校生を紹介します」
6月9日
新しい家から出て、吹上市よりも建物が多くて落ちつかない通学路を歩き、全く新しい校舎の
廊下で待機する。可愛らしい顔の教師がドアを開け、「さあ、針本さん」と親しげな小声で私を
呼び掛けた。
その声に呼応する脳。しかし心は立ち止まる。
でも大丈夫。
制服の内側にある青バラを感じながら、勇気をもってドアを開いた。
将来は、アオイ先生みたいになりたい。新しくできた目標。
だからこそ、いつまでも受け身でいるのはダメだ。
そうだよね、駆くん。
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