第45話 ピアノレッスン
文字数 3,794文字
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E3%81%95%E3%81%AA%E6%9C%A8%E3%81%AE%E5%AE%9F
幅広い表現力、天性と言うべき透き通った声が特徴のソプラノ。その声はしばしば「天使の声」に喩えられている。ある時は清澄可憐に、またあるときは憂愁の色をたたえ、旋律の美をさわやかに歌い上げる。
恋人から「あの花をとって」とせがまれた青年が崖に降りて花をつかもうとしたとき、崖から落ちてしまい、その際に「私のことを忘れないで」と言葉を残した
というドイツの伝説が由来になっています。
ブラームスのワルツは16曲から構成され、最初は連弾用に作曲されました。
その後ブラームス本人により独奏用に編曲され今に至ります。
中でも15番は一番有名な曲であり、その美しいメロディーから「愛のワルツ」と呼ばれています。
ゆっくりとした曲調で、楽譜も1ページと取っつきやすく見えますが、右も左も和音が多く、中々難しいこの曲。
悲愴ソナタはベートーヴェンの創作時期の中ではかなり初期の作品になります。正式名称はGrand Sonata pathétiqueといい、初版の段階から悲愴というタイトルがついていたそうです。作曲されてから現在に至るまで頻繁に演奏されている大変人気のある作品です。特に第2楽章のメロディはベートーヴェンの作品の中でも特に有名なフレーズだと言えるでしょう。
「シャコンヌ」は、ヴァイオリン独奏の曲で「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ より パルティータ第2番の第5曲 シャコンヌ」という曲です。ヴァイオリン独奏でどこまで音楽を作れるかという限界に挑戦した曲で、難技巧を駆使して、ヴァイオリンソロによって壮大な世界が描かれます。現代のヴァイオリニストにとっても「レパートリーに欠かせないバッハ作品」となっています。
このオリジナル曲が完成されたのは1720年ごろ、まだバロック時代のことで、ピアノという楽器は発明こそされていたものの、改良されてはおらず、ほとんどチェンバロに近い弱々しい音しか出ない楽器でした。バッハは試弾したことはあるものの、ピアノ独奏のためになにか作ろうという気はあまり起こさなかったようです。
時代ははるかに下って、19世紀も終わりにさしかかった1894年ごろ、イタリア生まれのピアニストにして作曲家、指揮者でもあったフェルッチョ・ブゾーニが、19世紀を席巻した楽器であるピアノ独奏のために、この「シャコンヌ」を編曲したのです。
ピアニストにとっても大変な難曲に
「シャコンヌ」はもともとヴァイオリンの究極技巧をつかった傑作でしたが、ピアノに匹敵するような音の数はありません。ブゾーニは大胆にも、バッハのオリジナルに和音を付け加える、という大胆な「加筆」を行っているのですが、自らがスーパーピアニストであり、作曲家であり、バッハの楽譜の研究家でもあったブゾーニの編曲は的確で、これはひょっとして元からピアノの曲だったのではないか!・・または、バッハ自身がピアノ版を書き残していたのではないか!・・・と思えるぐらいの出来栄えになっています。
バッハのシャコンヌそれ自体が人気曲目ですから、ピアニストはブゾーニ本人も含めてこぞってこの曲を取り上げ、現代でも重要なレパートリーとなっています。
ただし、天才バッハが技巧を凝らしたヴァイオリンの曲が原曲で、それをスーパーピアニスト、ブゾーニが編曲したので、ピアノにとっても大変な難曲に仕上がっています。それがまた、ピアニストの挑戦意欲を掻き立てるのかもしれません。
ともあれ、2人の天才が作曲・編曲したことが実を結び、ピアノ編曲版も、原曲のヴァイオリン独奏版も、現在でも両方とも頻繁に演奏されています。編曲は通常、「楽器の都合」で仕方なく編曲する、ということも多いのですが、この曲は、もとからピアノ曲だったではと言えるほど、完成度が高いからなのかもしれません。
メンデルスゾーンの《無言歌集》が俳句とか短歌の世界を思わせるとすれば、シューベルト の即興曲は長唄とか、ソネット(14行の抒情詩)を思い出させる。
シューベルトは 晩年になって、八曲の即興曲を書いたが、いずれも1827年、死の前年の作といわれている。
このほの暗い抒情の世界は、やがて生まれてくるブラームスの到達するであろう孤高の晩年の予感でもある。
出典:諸井誠 著 「ピアノ名曲名盤100」P82より引用
『ピアノ・レッスン』(The Piano)は、1993年公開のフランス、ニュージーランド、オーストラリアによる合作映画。監督・脚本はジェーン・カンピオン。主演はホリー・ハンター、ハーヴェイ・カイテル。第46回カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作品。
製作費700万$ 興行収入4000万$
19世紀のニュージーランドを舞台に、ピアノの音色を言葉代わりにする女性と、原住民マオリ族に同化した一人の男性との激しい愛を描いた恋愛映画。
第66回アカデミー賞において作品賞を初めとした8部門にノミネートされ脚本賞、主演女優賞、助演女優賞の3部門で受賞を果たした。
イギリスの作曲家、マイケル・ナイマンによるサウンドトラックは注目を集め、全世界で300万枚以上の売り上げを誇った。特にメインテーマとも言うべきピアノソロ曲『楽しみを希(こいねが)う心』は印象的で、劇中では主役のホリー・ハンターが自身で演奏を行っている。
(ログインが必要です)