第21話 エルビス・プレスリー
文字数 2,351文字
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%82%B9_(%E6%98%A0%E7%94%BB)
エルヴィス・プレスリーは、その青年期にこそ輝いていた。ロックンロールに関しては、当初から誰の目にも明らかなことがあった。ファンも中傷者も一様に認識していたのは、プレスリーこそが変化を促進し、黒人と白人の双方のエンターテインメントに通じ、「貧しい南部の少年が20世紀の文化の象徴になる」人物であるということだ。のちにボブ・ディランが述べたように、「彼の歌を初めて耳にしたときは、牢獄から飛び出すような心地だった」
メンフィスのユニオンアベニューにあるサン・スタジオでレコーディングした最初の数曲は、新たな夜明けを期待させ、喜びと希望を宿す、力強い新世界を思わせた。
晩年のエルヴィスが肥満し、薬漬けになり、銃を持ち歩き、滑稽な衣装をまとってラスベガスのステージに出演しては中年女性に向かって歌い、汗まみれの安いスカーフを配る姿はぞっとする有り様だったが……成功とは裏腹に、その体は破滅を迎えていたのだ。
エルヴィスの名声の軌跡を振り返ると、この後の展開はほぼ不可避だったのではないかと思えてくる。新進のタレントは、成功によって蝕まれ、ついには破滅した。
https://therakejapan.com/issue_contents/late-nights-listening-to-the-sun-sessions/
サン・スタジオを去ってからのエルヴィスは、レコーディングセッションのたびにずるずると流され、自分のルーツからどんどん離れていった。彼とサム・フィリップスの関係を壊し、ハリウッドに向かわせ、ルーツから引き離した張本人は、おそらく彼のマネージャーであったトム・パーカー大佐だろう。
彼が遺したものは、今やひどく色褪せ、安っぽいスター性にまみれ、悲しいほど不健全な道楽ばかりが目立ち、強欲に毒され、けばけばしい金儲け主義に染まっている。
彼はやがて、痛々しいほど凡庸で情けない映画に出演し、ラスベガスのステージでラインストーンだらけのお決まりの姿を披露し、肥満、薬、超心理学、孤独、狂気の迷路に入り込んでいった。
https://therakejapan.com/issue_contents/late-nights-listening-to-the-sun-sessions/4/
(1977年に42歳で急死。死因は処方薬の極端な誤用による不整脈と発表された)
エルヴィスさんは晩年、頭痛、視力の低下、体重の増加に悩まされており、不整脈、疲労、失神、高血圧など肥大型心筋症に見られる症状を併発していたことで知られる。そして1977年には自宅のバスルームで死亡しているところを発見された。
キングズモア博士は、今回のDNA解析の結果によって、エルヴィスさんの死を彼自身の不摂生によるものだと非難することはできないことが証明されたとコメント。マーク・エヴァンスも「長い間、エルヴィスさんの死は、彼の過食やドラッグの乱用に原因があるとされてきました。もちろんそうした依存が健康にいいわけはありませんが、彼はDNAに問題を抱えていたようなのです」と続けている。
(ログインが必要です)