第32話 みんな同じなのに

文字数 992文字

「うるっせーなだまってろ」
「みんな同じはずなのに」
「どうしてそんなにえらいの」

これは、東京にすんでいる人と、山形にすんでいる人との戦いだった。天空時空は、大金持ちの家の一人むすこ。今は12才だ。空は、自分のいえだけがえらい、とくべつだと思っていた。

 
 オレの名前は空。親立小にかよっている。ここらへんは東京のまんなからへん。世界で一番とくべつなオレの父ちゃんと母ちゃんとすんでいるんだ。オレのいえは金持ち。クラスの中で、学年の中で、学校の中で、東京の中で、日本の中で、世界の中でいちば——んおかねもち。まず起きて学校に行く。車で10分くらいしたらつくんだ。学校は、下はようちえんから、上は大学まである。ここに入ったら人生きらくにいけるのさ。クラスの中で一番好きなのは、あいちゃん。かわいくて、しんせつで、世界で一番すき。こくはくしたら、そくことわられた。それに、クラスの皆が、オレのことをぶじょくする。
「空はダメ。」「だまってて」「ウエーン」
など。ちょっといじっちゃっただけなのに、なくまではいかないでしょう。ひるは、カフェテリア。ジュースだってのめちゃうんだ。いいだろう。帰りも、むかえ。いえにかえって、テレビとゲームをして、ねたら次の日になるんだ。まいにちがたのしすぎる。金持ちだからよく、ハワイとかイギリスとかにつれていってくれる。本当にたのしい。東京以外のいえはかわいそうだな。


 ぼくはゆうさく、緑岡小の六年生。ぼくの友達は谷しゅうと。とってもしんせつでやさしい。大しんゆう。毎日ぼくらは、かたみち40分の土の道をあるいていく。しゅうとは、いつも元気。しゅうととゆうさくはコンビみたいなもん。先生だって「しゅうと君とゆうさく君は仲良しね」といつもいっている。とってもうれしい。ある時、ぼくらの小学校に東京の先生がやってきた。
そして、
                      続きは明日☆


補足説明(設定)
・天空時 空 てんくうじ そら
  私立親立小六年。威張り屋。だが、人が泣いているとほっとけない。
・三上 優作 みかみ ゆうさく
  山形在住。市立緑岡小六年。優しい。
・谷 柊斗 たに しゅうと
  山形在住。市立緑岡小六年。親切。優作と仲良し。

追記
 山形在住の方!すみませんm(_ _"m)
 今読んでみると”東京”に住んでいる人が 全員同じ生活みたいになってますね。
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