第30話 紗也⑮
文字数 588文字
今日は全部活が休みの日。
早坂くんに会わないうちに、瑛斗の家の前で待つことにした。
瑛斗にハッキリ言おう。
今までの瑛斗の気持ちが聞きたいってこと。
きっと、私を幼なじみ以上には思ってない。
そう思ってたけど、それは私の勝手な思い込みかもしれない。
もしも瑛斗にとって私が本当に幼なじみでしかないなら、
私はきっと、早坂くんを好きになれる。
そんな気がしてる。
最後の1%。
そこを瑛斗の口から聞かなきゃ進めない。
今日。
絶対に今日。
意気込んでたのに、思いがけず玄関で瑛斗に会ってしまった。
びっくりしすぎて、口を開いた勢いで
「いっしょに帰ろ」って、
あの日の瑛斗と同じ言葉が出そうになった。
その時。
向こうから女子バスケ部っぽい女の子が靴を履いてこっちに回ってきた。
「ねー瑛斗、どっか寄り道して帰らないー?」
私はハッとして慌てて靴を履き、玄関を出た。
なんだ、いるんじゃん。
瑛斗、彼女、いるんじゃん。
あーバカみたい。
ほんと、バカみたいだよ、1人で。
もーやだ、もーやだ、もーいい。
早歩きしてたけど途中からは走って、家へ帰った。
自分の部屋のドアを思いっきり閉めて、息を切らしてそこにそのまま座りこんだ。
手に持ってたカギに、早坂くんとお揃いのキーホルダーがついてる。
それをはずして、通学カバンに付け替えた。
終わった。
自分の思ってた終わりじゃなかったけど。
いや、終わってたのか、最初から。
もう、いい加減進もう。
★
早坂くんに会わないうちに、瑛斗の家の前で待つことにした。
瑛斗にハッキリ言おう。
今までの瑛斗の気持ちが聞きたいってこと。
きっと、私を幼なじみ以上には思ってない。
そう思ってたけど、それは私の勝手な思い込みかもしれない。
もしも瑛斗にとって私が本当に幼なじみでしかないなら、
私はきっと、早坂くんを好きになれる。
そんな気がしてる。
最後の1%。
そこを瑛斗の口から聞かなきゃ進めない。
今日。
絶対に今日。
意気込んでたのに、思いがけず玄関で瑛斗に会ってしまった。
びっくりしすぎて、口を開いた勢いで
「いっしょに帰ろ」って、
あの日の瑛斗と同じ言葉が出そうになった。
その時。
向こうから女子バスケ部っぽい女の子が靴を履いてこっちに回ってきた。
「ねー瑛斗、どっか寄り道して帰らないー?」
私はハッとして慌てて靴を履き、玄関を出た。
なんだ、いるんじゃん。
瑛斗、彼女、いるんじゃん。
あーバカみたい。
ほんと、バカみたいだよ、1人で。
もーやだ、もーやだ、もーいい。
早歩きしてたけど途中からは走って、家へ帰った。
自分の部屋のドアを思いっきり閉めて、息を切らしてそこにそのまま座りこんだ。
手に持ってたカギに、早坂くんとお揃いのキーホルダーがついてる。
それをはずして、通学カバンに付け替えた。
終わった。
自分の思ってた終わりじゃなかったけど。
いや、終わってたのか、最初から。
もう、いい加減進もう。
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