第20話 紗也⑤
文字数 535文字
6年生になって、瑛斗のことを好きだと言ってた友達が転校した。
心がすっと軽くなったのがわかった。
今年の運動会は瑛斗も佑樹もリレーの選手に選ばれた。
二人ともアンカーだ。
瑛斗と佑樹が肩を組んで笑い合う。
その光景が、なぜかとても嬉しかった。
その日から、ずっと離れてた瑛斗が私たちと一緒に行動することが多くなった。
嬉しかった。
けど、戸惑ってた。
瑛斗に佑樹と同じように接することができない。
緊張する。
噂にならないためにと開けてた瑛斗との隙間が、本当に私たちの距離のようになっていった。
運動会の日は、どっちを応援するということもない。
クラス対抗だからほんとは佑樹を応援しなきゃいけないんだけど。
私は心の中でどっちも応援する。
佑樹と瑛斗の番。
瑛斗が1周近く遅れて走り出した。
頑張れ、頑張れ、頑張って!
負けがわかっても最後まであきらめず走り抜けた瑛斗を、かっこいいと思った。
どっちも応援してる。
そう思ってたのに、最初から最後まで、私が見てたのは瑛斗だけだった。
ゴールした瑛斗が、ゆっくりとこっちを見て、目が合った。
その時わかったんだ、ハッキリと。
私の中で、瑛斗は佑樹と違う、特別になってしまった。
同じになんてできるわけがない。
瑛斗は、ただの幼なじみじゃない。
そう、わかってしまったんだ。
★
心がすっと軽くなったのがわかった。
今年の運動会は瑛斗も佑樹もリレーの選手に選ばれた。
二人ともアンカーだ。
瑛斗と佑樹が肩を組んで笑い合う。
その光景が、なぜかとても嬉しかった。
その日から、ずっと離れてた瑛斗が私たちと一緒に行動することが多くなった。
嬉しかった。
けど、戸惑ってた。
瑛斗に佑樹と同じように接することができない。
緊張する。
噂にならないためにと開けてた瑛斗との隙間が、本当に私たちの距離のようになっていった。
運動会の日は、どっちを応援するということもない。
クラス対抗だからほんとは佑樹を応援しなきゃいけないんだけど。
私は心の中でどっちも応援する。
佑樹と瑛斗の番。
瑛斗が1周近く遅れて走り出した。
頑張れ、頑張れ、頑張って!
負けがわかっても最後まであきらめず走り抜けた瑛斗を、かっこいいと思った。
どっちも応援してる。
そう思ってたのに、最初から最後まで、私が見てたのは瑛斗だけだった。
ゴールした瑛斗が、ゆっくりとこっちを見て、目が合った。
その時わかったんだ、ハッキリと。
私の中で、瑛斗は佑樹と違う、特別になってしまった。
同じになんてできるわけがない。
瑛斗は、ただの幼なじみじゃない。
そう、わかってしまったんだ。
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