第37話  革命・自由禁止

文字数 839文字

 するとオータムは博士から聞いたという、今から1200年前に実際に起きた国を変える革命の話を教えてくれた。

 革命の原因の多くは、お金と政治不満や階級制度などにあったんだと教えてくれた。

 それを変える為に今では存在しないが、軍人と呼ばれる他の国からの侵略を防ぐ部隊や、他国を攻める部隊が「自由、平等、友愛」というスローガンを掲げて、国を変えてしまった話をしてくれた。

 現在では不満を覚える要素として、お金と階級制度を取り除かれている。

 さらに国の運営に対して強い不満を抱えている事と、階級制度をなくした事に対する不満がこの国の現状なのだと答えた。

 オータムの回答に理解できなかった。なぜならGame世界は自由だったという話を昔から聞いていたからだ。今では、禁止されている宗教や国に対するデモも自由だったはずだ。

 ただ、階級制度がなくなったのに不満とはどういうことなのか。オータム曰く人間は本能的に自分が人間世界のどの位置にいるのかを確認したいらしい。そういう生き物なのだと言っていた。「自分は何番目なのか」と考えるらしい。

 俺には理解できなかったが言っている意味は分かる。喧嘩ばっかりしないで少しは歴史の勉強をすればよかったと今更ながら思っていた。

「また同じ道走ってないですか?」
 心配そうにアンコが車の外を見ていた。
「そんなことないよ。前に進んでいるぜ……多分」

 オータムに運転ばかり頼むのは申し訳ないと思い、運転を変わった。オータムは後部座席に移動して、今は寝ている。アンコにはそうは言ったものの、自信はない。

 車のナビは調子が悪くなったのか現在地から全く動いていない。携帯の通信もここは電波が悪くつながらない。道路に出ている看板だけが頼りだった。

「まさかだったね」
 オータムとの運転を変わる際に休憩スポットに寄った。その時にメロンとアンコはアイスを買っていた。今回は助手席に座りたいと言い出し、美味そうに横で食べていた。

「この世界どうなっちゃうんですか?」

 
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