第50話 未来と過去どっちがすき
文字数 625文字
「いや。別になんでもねえよ!」 俺は即答した。
「ふーん。じゃあさ。フィンは遠い過去と遠い未来のどっちに行きたい?」
メロンはショートの髪を耳にかけながら聞いた。たまにメロンは不思議な質問をする。
「俺は今がいいな! なぜなら、過去や未来にお前らや博士がいないから。そんなところに行っても面白くないぜ!」
「答えになってないよ!」
メロンは窓の外を不満そうに見つめた。
「じゃ。お前はどっちの方が良いんだよ!」
「私も今だよ!」
メロンはニコッと笑って答えた。最近のメロンは考えごとが多くなったように感じる。それも仕方がないことだとは思う。博士がいなくなってからは、日常の穏 やかな生活が一変し、俺たちの状況が日々変化し続けている。
俺自身も感覚だけで生きてきたと思っていたが、最近は生きることについて考えるようになった。 学校では、頭が良い、足が速い、喧嘩が強い奴が人気者になる。それが学校の階層 (ヒエラルキー)だ。俺は喧嘩が強いから、特に不自由や不満に感じることはない。
ただ、Game世界ではそれがお金に変わると思うと不安に感じる。オズワルトはそれを壊そうとしたのかもしれない。不自由を感じていたオズワルトが革命を起こそうと立ち上がったのかもしれない。ただし、やり方があまりにも過激だ。
「うそ。……やっぱり過去かな」
メロンが耳元でささやき、後部座席で毛布にくるまって眠りについた。
今のメロンの質問さえ、答えが分からなかった。
「ふーん。じゃあさ。フィンは遠い過去と遠い未来のどっちに行きたい?」
メロンはショートの髪を耳にかけながら聞いた。たまにメロンは不思議な質問をする。
「俺は今がいいな! なぜなら、過去や未来にお前らや博士がいないから。そんなところに行っても面白くないぜ!」
「答えになってないよ!」
メロンは窓の外を不満そうに見つめた。
「じゃ。お前はどっちの方が良いんだよ!」
「私も今だよ!」
メロンはニコッと笑って答えた。最近のメロンは考えごとが多くなったように感じる。それも仕方がないことだとは思う。博士がいなくなってからは、日常の
俺自身も感覚だけで生きてきたと思っていたが、最近は生きることについて考えるようになった。 学校では、頭が良い、足が速い、喧嘩が強い奴が人気者になる。それが学校の
ただ、Game世界ではそれがお金に変わると思うと不安に感じる。オズワルトはそれを壊そうとしたのかもしれない。不自由を感じていたオズワルトが革命を起こそうと立ち上がったのかもしれない。ただし、やり方があまりにも過激だ。
「うそ。……やっぱり過去かな」
メロンが耳元でささやき、後部座席で毛布にくるまって眠りについた。
今のメロンの質問さえ、答えが分からなかった。