第36話 金がない世界では、強いものが偉い
文字数 1,277文字
朝起きたら奥さんが朝食を作ってくれていた。朝食は、牛の搾 りたて牛乳とフレンチトーストを食べた。
フレンチトーストの語源が気になり、オータムに質問したが、物知りなオータムも知らなかった。代わりにメロンが答えた。
メロン曰 くジョーゼフ・フレンチさんが作ったことからその名が付けられた説があるようだ。
とても眠たそうにあくびをして、昨日の話は一切 しなかった。俺は昨日の看病をしてくれたことに感謝を言わないといけなかった。アンコの視線が痛い。あえてアンコの方は見ないようにして感謝の言葉を言った。
「昨日は、助かったぜ!ありがとうな」
「え。別にいいよ」
メロンは苦笑いだった。それを見たアンコは大きく頷 いていた。これでアンコの機嫌も直ると思うと、気が楽になった。
朝食を食べていたらフィガロがどこからかやってきた。顔はニコニコと上機嫌なようだ。昨日のタンとの決闘が楽しかったようだ。
「あ! そういえば、タンからの贈り物だ」
「これは? ……拳銃?」
手に取ってみると、年期が入っているのがわかる。手で握るところは木製でできていた。弾を確認すると3発分込められていた。
「昨日、タンは自分の中でこれを賭 けて戦っておったそうだ」
「不気味だね」メロンは苦笑いをしていた。
「何かあったら連絡しろよ。気を付けてな」
そういうとまた仕事なのだろうか軽トラックに乗り込んだ。
「おう、ありがと!」
「色々あったけど、いい人達だったですね!」
「ほんとだな。これから大変になりそうだな……」
俺たちは車に乗り込んで、また図書館に向けて出発した。
「フィン。体大丈夫?」
顔にあざができており、メロンが痛々しそうに苦い顔をしてこちらを見ている。
「あのくらいじゃ、死にはしないぜ!」
ただ、タンの蹴りは痛すぎた。金属バットで叩かれたように痛かった。痛みのせいで昨日あまり寝た気がしない。
「このお金が存在しない世界では喧嘩が強い人が偉いところはあるよね。小学生の時、運動会で足が速い人がモテたようにね」
オータムは出ていく際に奥さんから貰ったコーヒーを悠々 と飲んでいた。
「はい! 今後気を付けてね!」
メロンはそう言いながら、俺のあざを強く押して、ケタケタと笑っていた。もちろん俺は、悶絶 。
「さあ、図書館まではあと少しだね!」
メロンは助手席に座っている俺の背中を強く叩いた。昔から俺が考え込んでいるときや、落ち込んでいる時に空気を変える為、気を使ってメロンはいつも俺の背中を強く叩く時がある。だが、今はとても痛い。
車は止まることなく3時間ほど進んだ。運転席ではオータムがずっと運転してくれ、助手席に座った俺はずっとアンコがいた工場の事、フィガロと博士の事を考えていた。
車はオータムが運転して、俺は助手席に乗った。国に歪 みが生じているのだろうかと考えていた。また、フィガロが刻んでいた碇の印が気になっていた。アンコの身に着けていたペンダントにも同じような印があったなと思い出していた。
近いうちに大きな衝突が起きる予感がある。俺では考えの整理ができなかったので、オータムに聞いた。
フレンチトーストの語源が気になり、オータムに質問したが、物知りなオータムも知らなかった。代わりにメロンが答えた。
メロン
とても眠たそうにあくびをして、昨日の話は
「昨日は、助かったぜ!ありがとうな」
「え。別にいいよ」
メロンは苦笑いだった。それを見たアンコは大きく
朝食を食べていたらフィガロがどこからかやってきた。顔はニコニコと上機嫌なようだ。昨日のタンとの決闘が楽しかったようだ。
「あ! そういえば、タンからの贈り物だ」
「これは? ……拳銃?」
手に取ってみると、年期が入っているのがわかる。手で握るところは木製でできていた。弾を確認すると3発分込められていた。
「昨日、タンは自分の中でこれを
「不気味だね」メロンは苦笑いをしていた。
「何かあったら連絡しろよ。気を付けてな」
そういうとまた仕事なのだろうか軽トラックに乗り込んだ。
「おう、ありがと!」
「色々あったけど、いい人達だったですね!」
「ほんとだな。これから大変になりそうだな……」
俺たちは車に乗り込んで、また図書館に向けて出発した。
「フィン。体大丈夫?」
顔にあざができており、メロンが痛々しそうに苦い顔をしてこちらを見ている。
「あのくらいじゃ、死にはしないぜ!」
ただ、タンの蹴りは痛すぎた。金属バットで叩かれたように痛かった。痛みのせいで昨日あまり寝た気がしない。
「このお金が存在しない世界では喧嘩が強い人が偉いところはあるよね。小学生の時、運動会で足が速い人がモテたようにね」
オータムは出ていく際に奥さんから貰ったコーヒーを
「はい! 今後気を付けてね!」
メロンはそう言いながら、俺のあざを強く押して、ケタケタと笑っていた。もちろん俺は、
「さあ、図書館まではあと少しだね!」
メロンは助手席に座っている俺の背中を強く叩いた。昔から俺が考え込んでいるときや、落ち込んでいる時に空気を変える為、気を使ってメロンはいつも俺の背中を強く叩く時がある。だが、今はとても痛い。
車は止まることなく3時間ほど進んだ。運転席ではオータムがずっと運転してくれ、助手席に座った俺はずっとアンコがいた工場の事、フィガロと博士の事を考えていた。
車はオータムが運転して、俺は助手席に乗った。国に
近いうちに大きな衝突が起きる予感がある。俺では考えの整理ができなかったので、オータムに聞いた。