第38話

文字数 424文字

「ジーク様」
「どうした、ユキヅキ」

 急に急接近して、肉声でやり取りをする。俺は事情を察した。

「私の“サイン”をお伝えしておきます。私の隊服、第二ボタンまで外した時、私は龍に戻ります。これはトリガーではなく、私からのサインです」
「……わかった」

 ついでに、話す必要がある奴がいた。

「イオ、聞いているな?」
“どうした”
「俺は弱い」
“知っている”
「だから多少賭けでもいい。予想とかアドバイスは一歩早くくれ。外れても構わない」
“……そうか。わかった。ただし条件がある。敵を視界に捉え続けろ。情報が無ければ予想は立てられない”
「了解。レッスンその一。目を離すな、か」

 そして俺達は、浮いた隊員を回収する為に飛び回る。

 
「俺達はビンセント隊だ! 小隊に合流してくれ!」

 龍の足止めをする部隊に合流できた。彼らはビンセント隊ならと快諾してくれた。ネームバリューがプラシーボ効果を生むなら願ったり叶ったりだ。

 小隊員に事情を説明し、ファンタズマ回収作戦が、始まる。
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