第54話

文字数 478文字

 無線越しの号令に、ディサイシジョンは一斉に攻撃を止めた。そして攻撃部隊に混じって飛んでいた、回収班が動き出す。

 バズーカのような筒を構えて、ディサイシジョンが撃墜した龍に向かって三発程撃ち込む。発射されたのは巨大な針のような弾で、龍に突き刺さると青白く明滅し始める。

「契約通り、俺らの取り分はもらっていく。安心しな、こすいマネはしねぇよ」

 コンドウはファンタズマによる結界を解除。ビンセントも銃を下した。

「またな、総司令殿」

 そしてそのまま後方にある龍の死体に乗って、翼を掴んだ。その龍にもディサイシジョンが針を撃ち込む。光る針のお尻部分から風船のようなエネルギー体が発生する。そしてその風船から光の翼が四つ生える。

 浮力が生じ、龍の死体が徐々に加速して浮き上がり、上昇。そのまま雲の中へと消えていった。

「ふぅ……」

 ビンセントがため息をつく。


 翌日。ニュースは龍の襲撃関連の報道に染まっていた。

“ギシミア国の防衛はこのままで大丈夫なのか”
“経済活動停止によって、早くもホームレスが増加傾向”
“反戦主義活動家に密着。武器を持たなければ龍は襲ってこない?”
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