第19話
文字数 1,028文字
「グラディア隊! ここで終わらせるぞっ!」
先頭を飛ぶ赤髪の男性がそう叫んだ。部下が返事をして、戦闘が始まった。
「グラディア……」
あの赤髪は、スレイ隊長の親族だろうか。仲間が彼をグラディア隊長と呼んでいる。
攻防は熾烈を極め、双方の死体が床をデコレートする。
「抜かれたっ!」
クォーツが振り向く。既にグラディア隊長を含む三人が、防衛線を突破して王が待つ深部へと向かっていた。
「行かせません!!」
鬼気迫るクォーツ。尾に水晶体を纏い、剣尾というより槍とかした尾先でグラディア隊長を狙う。
「隊長っ!」
随伴の女性隊員が、グラディア隊長を身体で押しのけて位置を変わる。そしてクォーツの一刺を胴で受ける。
「ナカタっ!」
「行って……ください!」
ナカタと呼ばれた女性隊員は、そのままブレス・ライフルを放つ。クォーツは顔、目をガードせざるを得ない。あの状況で、なんて正確な射撃を……。
「!?」
そして俺の意識も、神殿深部へと向かっていく。
「王! 覚悟っ!」
グラディア隊長が叫び、抜剣。王もブレスで応戦する。
「うおっ!」
褐色の男性隊員が被弾した。下半身が蒸発し、上半身だけで飛ぶ。
「アリオっ!」
「グラディア隊長! 俺に構うな! いけぇ!!!!!」
クォーツの気迫もすごかったが、彼らも負けていなかった。俺が恐怖を感じる程だ。アリオという男性隊員は、左手に握るサーベルで自身のライフルを傷つけながら、真っすぐ王の頭部目がけて突進した。
「くたばれっ!」
アリオが叫ぶ。ブレス・ライフルが爆発し、ウイングも誘爆する。彼の腕とサーベルだけが爆発から飛び出して落下した。爆発は王には届いていなかった。
「うおおおおおおお!!!!」
グラディア隊長が突貫する。
「!?」
だが、王の身体が既に青白く発光していた。
「なんだこれは!?」
「見事であった。貴君らの勇気に、心からの敬意を表する」
何かが起こることは明白であり、その何かにグラディア隊長の刃が届かないこともまた、明白になりつつあった。
「まだっ!」
グラディア隊長は最後、ブレス・ライフルを放った。王の角に弾かれ曲がったそれが、壁に刻まれた青白い光の一部を傷つけた。
「……さらばだ」
そして、王は意識を失って、倒れた。
「クソ……」
グラディア隊長の胸には、不可視の水晶体が深々と刺さっていた。アリオの特攻もきっと、これに邪魔されたのだと理解できただろう。
「ここまでか……スレイ……すまない……」
そこで、意識が途切れていった。
先頭を飛ぶ赤髪の男性がそう叫んだ。部下が返事をして、戦闘が始まった。
「グラディア……」
あの赤髪は、スレイ隊長の親族だろうか。仲間が彼をグラディア隊長と呼んでいる。
攻防は熾烈を極め、双方の死体が床をデコレートする。
「抜かれたっ!」
クォーツが振り向く。既にグラディア隊長を含む三人が、防衛線を突破して王が待つ深部へと向かっていた。
「行かせません!!」
鬼気迫るクォーツ。尾に水晶体を纏い、剣尾というより槍とかした尾先でグラディア隊長を狙う。
「隊長っ!」
随伴の女性隊員が、グラディア隊長を身体で押しのけて位置を変わる。そしてクォーツの一刺を胴で受ける。
「ナカタっ!」
「行って……ください!」
ナカタと呼ばれた女性隊員は、そのままブレス・ライフルを放つ。クォーツは顔、目をガードせざるを得ない。あの状況で、なんて正確な射撃を……。
「!?」
そして俺の意識も、神殿深部へと向かっていく。
「王! 覚悟っ!」
グラディア隊長が叫び、抜剣。王もブレスで応戦する。
「うおっ!」
褐色の男性隊員が被弾した。下半身が蒸発し、上半身だけで飛ぶ。
「アリオっ!」
「グラディア隊長! 俺に構うな! いけぇ!!!!!」
クォーツの気迫もすごかったが、彼らも負けていなかった。俺が恐怖を感じる程だ。アリオという男性隊員は、左手に握るサーベルで自身のライフルを傷つけながら、真っすぐ王の頭部目がけて突進した。
「くたばれっ!」
アリオが叫ぶ。ブレス・ライフルが爆発し、ウイングも誘爆する。彼の腕とサーベルだけが爆発から飛び出して落下した。爆発は王には届いていなかった。
「うおおおおおおお!!!!」
グラディア隊長が突貫する。
「!?」
だが、王の身体が既に青白く発光していた。
「なんだこれは!?」
「見事であった。貴君らの勇気に、心からの敬意を表する」
何かが起こることは明白であり、その何かにグラディア隊長の刃が届かないこともまた、明白になりつつあった。
「まだっ!」
グラディア隊長は最後、ブレス・ライフルを放った。王の角に弾かれ曲がったそれが、壁に刻まれた青白い光の一部を傷つけた。
「……さらばだ」
そして、王は意識を失って、倒れた。
「クソ……」
グラディア隊長の胸には、不可視の水晶体が深々と刺さっていた。アリオの特攻もきっと、これに邪魔されたのだと理解できただろう。
「ここまでか……スレイ……すまない……」
そこで、意識が途切れていった。