第45話 三〇3 物慣れた様子 

文字数 329文字

□そこで世話をしている僧侶と物語などしたり、車を立てることなどをさへぞ世話をしたり、物慣れた様子である。久しぶりに会う人が、参ってこられて、珍しがりて近に座り込み、もの言いうなずいたり、面白いことなどを語りながら、時には扇を広げて、口にあてて笑い、立派に装束した数珠をかいまさぐり、手まさぐりし、あちこち見て回り、車の良し悪しを褒めたりくさしたり、なにがしかの人がした八講や、経供養をしたことを、あれやこれやと、言いくらべ、この説教のことなど聞きも入れもしていない。なにか、通常に聞くことであるので、耳馴れてきて、珍しくもないということだろう。
※最初は熱心に説教に耳を傾けていたが、回を重ねるごとに、耳慣れてきて、 結果初心をわすれ俗化していくのだろう。
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