第59話 三四3 桐の紋章

文字数 509文字

□桐の木の花は、紫色に咲いたのは、やはりなんとも風情がある。葉の広がる様子は、ちょっと仰々しいけれども、他の木と同じように言うべきではない。唐の国で鳳凰という名前のついた鳥は、選んでこの桐の木だけに住むというのも、格別に素晴らしい。まして、琴を作り、さまざまな音色を出せるなどは、風情があるなど、世間並みに言うべきではなく、いみじう素晴らしいことである。木は不格好ではあるが、アフチという栴檀(センダン)の花は、とても面白い。枯れそうな感じでで、紫の花が咲き、かならず五月五日の節句に合わせて咲くのも、面白い。
※500円硬貨の裏の図案が3枚の桐の葉に5・7・5の花茎が立っている。総理大臣の紋章だそうですね。思わず5百円玉を出して、まじまじと見つめました。嵯峨天皇のころ800年頃から桐の紋が使われているともいわれる。清少納言さんの博学はすごいですね。段々枕草子のすごさを知らされる気がします。
※センダンは5月から6月に紫の花をつけ、木全体が紫に見えるという。センダンには魔除けの霊があるということで、牢獄の前に植えたらしい。桐の材木は湿気を通さず割れや狂いがすくなく家具や琴の胴として仕立てられ愛用されている。
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