第97話 五三 殿上の名対面
文字数 8,443文字
□夜の十時頃の、4殿上人が、点呼に答えて姓名を名乗る名対面こそ、なほ面白いものだ。帝の御前に人の伺候している折に、その人が直ちに「誰だ」と問うのも面白い。足音どもがして、大勢の人が集まってくるのを、上の御局の東御で、耳をすまして聞いているのだが、よく知っている人の名前が聞こえる時は、何時ものように胸きゅんのことになってしまうのです。また、生きているも、なんともとも、言ってこない恋人などが、この時に聞きつけたら、いどんな思いがするだろうか。
「名のり、よし」とか「悪し」とか「聞きにくい」など女房たちが、品定めするのも、面白い。
※夜の点呼をとるのですか、帝はその時間もお勤めがあるのでしょうか。面白い仕来りがあったのですね。
「名のり、よし」とか「悪し」とか「聞きにくい」など女房たちが、品定めするのも、面白い。
※夜の点呼をとるのですか、帝はその時間もお勤めがあるのでしょうか。面白い仕来りがあったのですね。