第4話 二3 除目(ジモク)の儀式 枕草子

文字数 843文字

□大臣以外の官職を任命する儀式を除目(ジモク)という。地方官を任命する春の除目の頃などは、宮中の趣は,とても面白い。雪が降り、地面は凍っているのに、官職の申文を持ってあちこちする四位や五位は若々しく心地良げに、とても頼もしくみえる。老いて白髪頭の人が、取次案内を頼んで、女房がいる部屋の局に立ち寄り、己の身分が賢いものだということを、得意になって説き聞かせているのを、若い女房たちは口真似をして、笑うのだけれど、そんなことは本人は知らない。「天皇によろしく奏上してください、皇后にも啓上してください」などと言っても、 地位を得た人は良いけれど、得なかった人は哀れである。
※八日がこの除目という日なのでしょうか。天皇からの辞令をもらい、異動したりするのでしょうか。若い人は生き生きと新しい四位に就任しやる気満々なのでしょう。我々庶民には四位というと相当高貴な方だと想像しますが、家柄のいいお坊ちゃんが若い頃に官位を受けるのでしょう。生々しくて面白いですね。白髪の爺さんでも、相当なもので自慢するに値するのでしょう。女官の女房は宮中に仕えていて、目が肥えている。それはそうでしょう。天皇に仕えているのでしょうから。
□三月三日は、うらうらとのどかに照っている。桃の花が、今咲きはじめる。柳などの風情あるのも、さらによきものなれ。それも、まだ繭に籠もったような時は、趣がある。葉が広がっってしまうと、情けなく見える。おもしろく咲いた桜を、長く折って、大きな瓶にさしているのは、味わいがある。貴人平服である表は白、裏は赤の直衣に、出し袿(ウチキ)をして、客人であれ、御兄弟の君たちにても、その近く居て、なんとなく話しているのも、いと心ひかれる。
※現代の3月3日はひな祭り。ひな壇を飾って女性の祭りであるが、平安時代は、どうなのでしょうか。桜の花の咲いた枝を、切り取って大亀に飾るなど豪快な生け花ですね。着る物が今ひとつ不勉強ですが、お洒落な着方だったのでしょう。徐々に勉強していきます。

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