閑話28「呪物」なのぢゃ!

文字数 1,142文字

【閑話28】

 前回は、呪術にまつわる話をしましたがの、その手の話は、儂も元来嫌いではなし、そこそこ研究もしておりますでの、今回も続けてみることにいたしますわい。

 最近のテレビ番組は、作り手の方も、平成生まれの世代が中心になっているせいか、昔からの伝承も知らんので、ある意味怖いもの知らずな気がしますのお。

 前回話した、「ジャニタレの呪術師訪問」はまだいいとしても、テレ東の「所さんのそこんトコロ」で放送された或る“モノ”は、テレビに映してはいかんものぢゃったわい。

 呪術では、その“(しゅ)”を発動させるために、“呪物(じゃぶつ)”と云う物が必要なのぢゃ。
 分かりやすい例では、「丑の刻参りの藁人形」や「陰陽師が式神にするための人形(ひとがた)御幣(ごへい)」などがあるのぢゃが、日本の呪術の中でも、“最強で最恐”な呪物が、“犬神”なのぢゃわい。

 この“犬神”が何であるか、どうやって作るかは、ここには書きませぬ。
 書いて“言霊”が発生してはいかんからの……。
 興味のある方は、ググってみて下され。

 で、「所さんのそこんトコロ」の「開かずの蔵を開ける」という企画で、関東地方の旧家の蔵から出てきたのが、な、なんと、その“犬神”だったのぢゃよ。ワナワナ……。(;゚∇゚)

 その家の現在の当主は、「なんでも、昔から祀っていたらしいんですが……」なんぞと暢気なことを言っていて、“犬神”の(いわ)れも知らず、今は祀るどころか、使ってない蔵の箪笥の中に押し込めて粗末にしている始末……。
 “犬神”は、人間の願いを強力に叶えてくれる“家神”ぢゃがな、粗末にすると、その家の家人に取り憑くのぢゃよ。

 この“犬神憑き”の霊障は、昔はけっこうポピュラーなものでな、例の高知県物部村のイザナギ流の太夫の仕事のひとつが、“犬神憑き”を解く術だったのぢゃよ。

 で……、番組では、箪笥の抽斗(ひきだし)から布包みが出てきたのぢゃがな、その布包を外に持ってきて、カメラの前で包みを開いたら、出てきたのが……、な、なんと“犬神”だったのぢゃよ。( ̄▽ ̄;)
 しかも、カメラが寄って、アップになって……。

 画面では、包みを開いた途端に、林の中の鳥が一斉にチュチュチュチュと大騒ぎになってな、気づいたのは儂だけか、と思ったら、テレビの編集でも「不思議なことが起こりました」というテロップを出して、リピートしていたのぢゃよ。
 あれは、画面越しにでも、何らかのエネルギーが出ておりましたわい。
 儂は、不可思議なエネルギーを感じると、おでこの真ん中がモヤモヤモゾモゾしたり、頭痛がしてくるのぢゃよ……。
 こうして、書いていてもズーンと頭が重くなってくるのぢゃわい。

 あのようなものは、テレビで放送してはいかんのぢゃ!
 ほんに、最近の若い者は、物を知らん分、怖い物なしぢゃわい。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み