閑話25「SDG’sぢゃて?」その11

文字数 1,097文字

【閑話25】

 今回は現代の話ぢゃ。
 このシリーズ、本来は前回の続きである、平安の京の都の優秀な街の清掃員である“野良ワンちゃん”の話をせねばならぬのぢゃが、どうも昨今の緊迫した世界情勢に接しておりますとな、のんびりと浮世離れした話をする気になれんのですわい……。

 EUが、脱炭素エネルギーの主力に考えていたのは、ロシアから輸入するはずの天然ガスだったらしいのう。
 その腹積もりが、このたびのロシアの暴挙に対する西側の経済制裁で、ご破算になってしまったようですわい。

 大体にしてあやつらは、ことエネルギー政策については理念先行ばかりで、他人の褌の上で相撲を取るつもりで失敗こいてることが多いように見受けられますのう。

 ドイツなんぞは、自他ともに認める“脱原発&脱炭素の先進国”ぶっておったがの、実際はグリーンエネルギー政策は大失敗したし、その政策の補完エネルギーとして、原発大国である隣国のフランスから原発エネルギーの供給を受けておるし、そんな状況でSDG'sを進めるために、脱炭素エネルギーとされる天然ガスをロシアから輸入するために、ガスパイプラインの構築を進めておったわけぢゃ。

 そんなこんなで、EUは苦肉の策として、原子力発電を“クリーンエネルギー” “グリーンエネルギー”と認定するなどと、朝令暮改のことを言い出したわけぢゃな。

 で、ロシアからの天然ガス供給がストップして、困るのはEU諸国ぢゃが、陰で笑いが止まらんのがアメリカぢゃ。
 なぜって? そりゃ、自国のシェールガスを増産して、困っとるEUに売りつけることが出来るからぢゃよ。

 そんな訳で、アメリカとしては、ロシアには永遠に経済制裁しとけば、ロシアが崩壊する可能性もあり、西側の安全保障の面でも、アメリカのシェールガス商売の面でも、なんと一石三鳥の効果があるわけぢゃな。

 ぢゃから……、アメリカとNATOは、絶対にウクライナには武力で直接的には加勢はしないはずぢゃ。
 国際政治力学とは非情なものでしてな、アメリカなんぞは「ロシアへの経済制裁が長引くように、このままの状態で、ウクライナには出来るだけがんばって欲しい」と考えておるやもしれんのう。

 かたやロシアぢゃが、あの禿頭の被害妄想のご老人は一体何を考えておるのぢゃろうか?

 自国の安全保障のために、苦渋の決断でウクライナへの侵攻を実行したそうぢゃが、その独断専行の暴挙によって、西側の強力な経済制裁を受ける羽目となり、二週間ほどでロシアの経済安全保障は崩壊の危機に面しておるではないか。

 あの禿頭の被害妄想老人は、武力だけが自国の安全を保障すると思っておるのかのう?
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