閑話53「続・独身飯」なのぢゃ!

文字数 1,315文字

【閑話53】

 まあ考えてみれば、独身飯なんぞまことに貧相な話なんですがな、この貧相な飯が旨くなるのが夏の醍醐味なんですわい。

 儂が食卓で勝手に独身飯を食ろうておりますとな、我が妻がまことに嫌な目つきで冷ややかな一瞥をくれるのですわい。
 妻としては、自分の面前で夫にそんなジャンクフードを勝手に飲み食いされたりするのは、主婦の沽券にかかわると云うことなんぢゃろうが、そんな嫌味は気づかぬふりして、黙々と飲みかつ食らいますのぢゃ!
 嗚呼、夏が儂を狂わせるのよ。

 炭水化物のカップ焼きそばには、たんぱく質補充のために、シュウマイと冷奴を添えて栄養バランスを取りますのぢゃ。
 楽陽食品の「チルドシウマイ(赤箱)」は、儂のビールのお供としての定番なのぢゃがな、1箱100円ちょっとで12個入り、このなんでも値上げのご時世に値段はほとんど上がっておらぬという物価の優等生、しかもチルドなんでジューシーでそこそこ旨い!
 しかも、パッケージを破って中のトレーのままレンチンできる優れモノでしてな、レンチンしたあとは、はじめに1個だけつまんでトレーのスペースを空け、そこに練りカラシをしぼり、ポン酢を垂らしてタレを作りますのぢゃ。
 カラシ&ポン酢タレで食すシウマイ(商品名に準じてシウマイと記す)は、いつ食っても旨いのぢゃ!

 で、お次は冷奴でございますわい。
 儂しゃ、冷奴の豆腐は、チューブ豆腐と決めておるのぢゃ。
 これも、1袋に3本入って100円ちょっとの安物ぢゃがな、この豆腐はチューブからベロンと器に出した後も、余計な水分がほとんど出ないところが儂のお気に入りでしてな、四角い容器に水と共に入っておる豆腐は、器に移して水が出るし、その水を捨ててもタレをかけると浸透圧で水が出てタレが薄くなるのが儂しゃ嫌なんじゃよ。

 このチューブ豆腐は、絹ごしの作りながら適度な硬さもあって、なかなか丁度よろしい歯ごたえとノド越しでしてな、冷たいまま食すには最適なのですわい。
 で、このチューブ豆腐冷奴を更に旨くしてくれますのが、懲無庵オリジナルタレなのぢゃ!
 まあこれも、オリジナルとは申しても、あり合わせの材料で簡単に作れるものでしてな、まず、妻が貰いものだと言っておった「ヤマサ・せいろつゆ」を豆腐に適量かけ回し、次にごま油を少々とお酢を少々入れて出来上がりでございます。
 ざるそば用のつゆは、かつおだし味と甘みが強いようぢゃがな、それに若干の酸味とごま油風味が加わりますとな、これがまた絶妙な味わいとなりましてのう、冷蔵庫でよく冷えたチューブ豆腐にかけて食しますとな、もうたまらん旨さなのですわい。

 もちろんチューブ豆腐は、まな板にのせて包丁で切って器に盛りつけなんて面倒なことはしませんぞ、チューブを剥いて、そのまま豆腐をズドンと器にのせて、箸で適宜カットして、特製タレをかけて食すのですわい。
 これ、暑いあいだは、毎日食っても食い飽きんのよ……。

 今日も暑い一日ぢゃったで、こうやって書いておりましたらば、チューブ豆腐&特製タレ冷奴が食いとうてたまらなくなりましたのでな、儂しゃ、もう帰宅することにいたしますわい。

 では皆の衆、続きはまた次回ぢゃ!
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