閑話32「続々・身も蓋もない話」なのぢゃ!

文字数 628文字

【閑話32】

 そんで、この「身体的接触欲求」とは、哺乳類の本能であってな、人間も動物も「おぎゃあ!」と生まれ落ちたその日から、母親から授乳されたことの記憶が、しっかりと大脳皮質に刻み込まれておることから端を発しておるのぢゃろうて……。

 例えば、愛撫の際の「すりすり」や「なでなで」や「もみもみ」と云う動作は、すべて授乳の際の身体的接触に発せられるものぢゃ。
 また、例の「団十郎様 御痰」や「侍従の君のオマルの中身」のように、身体的接触を持ちたい相手の身体から出される「排出排泄物」に対する執着も、母親の乳房から滲出せられる母乳への憧憬の変形とも考えられるぢゃろうの。

 話がいささか、フロイトじみてきたがの、衛生学的な見地から「恋」と云う「身体的接触欲求」を考察してみるとぢゃな、これまた、身も蓋もない話になってしまうのぢゃよ。

 ラブストーリーには欠かせない「キス」ぢゃがな、これはお互いの「口内細菌の交換」と言い換えることができるぢゃろうが、口内細菌の実態を知るとなんぞ恐ろしくなってしまうぞい。

 お口と大腸のなかの細菌の密度は同じと云われておるそうぢゃ。
 つまり、お口の中は、お尻の穴と同じほどの細菌がおるのぢゃな。

 で、唾液には1グラム中に108個の細菌が……、そしてなんと! 口の中の歯垢と大腸には最大で1g中に1011個もの細菌が存在しておるそうぢゃ。
 鼻水のなかの細菌数は105個だそうぢゃから、お口の中の細菌は桁違いに多いことが分かるのう……。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み