閑話27「陰陽」なのぢゃ!
文字数 1,732文字
【閑話27】
龍田が、「新・好 色」のなかに原作には出てこない “陰陽師 ” を登場させとるな。
(龍田です。「新・好色」は、こちらのサイトにはまだ投稿しておりませんが、近々投稿させていただく予定です。)
“陰陽師” とは平安の頃に、盛んに重用されていた呪術師のことぢゃな。
呪術師という言葉も、最近一般化してきたような気がするが、これは漫画&アニメの “呪術廻戦” の影響なのぢゃろうか?
こないだ、たまたま見ていたテレビで、「ジャニタレが現代の呪術師に会いに行く」という番組をやっていたので、「ん? 高知の物部村 か?」と思ったら、案の定そこを訪ねるというものだったのぢゃ。
四国は高知の物部村(現在は物部町)といえば、平安時代の陰陽師が行っていた呪術を、現在まで継承する “太夫 ” と呼ばれる呪術師が存在する地域として、民俗学研究者の間では有名なところぢゃ。
儂の店にも、小松和彦という文化人類学の博士が書いた『日本の呪い』という本があるのぢゃが、これは、この小松博士が、1971年から物部村に何度も足を運んで、“太夫”の執り行う儀式やら呪術を実地調査した記録を元に書かれたものでな、なかなか興味深い一冊なのぢゃ。
まあ、儂もその方面には詳しいのぢゃがな、ちとヘビーな話になるので、今回は、陰陽について軽めの話をしますわい。
*
“陰陽”とは、霊的な概念や作用ばかりではないのぢゃ。
実際、私たちの人体も“陰陽”の作用で成立しているのぢゃよ。
生物は“恒常性”(ホメオスタシス)という生命維持作用によって生存しておる。
その“恒常性”を維持しているのが、“自律神経”ぢゃ。
で、その“自律神経”とは“交感神経”と“副交感神経”のふたつで成り立っておるのぢゃ。
“交感神経”は日中に亢進し、脳や内臓や筋肉を活発に動かす作用を持ち、いわば身体のアクセルの役割。
“副交感神経”は夜間に亢進し、脳や内臓や筋肉を休息させる作用を持ち、いわば身体のブレーキの役割。
つまり、“交感神経”が“陽”であり、“副交感神経”が“陰”なのぢゃな。
人体は、過労やストレスに過度に晒されると、防御反応によって“交感神経優位”の状態になる。
その“交感神経優位”の状態が長期的に続くと、脳がその状態を“常態”と認識するようになり、“交感神経”のスイッチがオンのままオフにならず、いつまでたっても“副交感神経”が作用しない状態になるのぢゃ。
通常、“副交感神経”は、夕方から夜にかけて働き出し、人体に“睡眠”の準備をさせるのぢゃが、いつまでたっても“交感神経優位”が続くので“不眠”が続くことになる訳ぢゃ。
また、免疫機構も過剰になるので、アレルギー体質になったり過敏症になってしまう。
そして、内臓が常に過剰に働いていますから、消化液やホルモンも過剰に分泌され、身体にさまざまな異常が出て、脳や内臓が疲労していきます。
そうなると、血液が酸性に傾きやすく、病気になりやすい体質になり、神経症になりやすい体質になる訳ぢゃ。
つまり、鬱病をはじめとする数々の神経症の原因は、“交感神経”と“副交感神経”のバランスが崩れて、“交感神経過剰”によるものと言えるのぢゃな。
そして、それは『身体の“陰陽”のバランスが崩れた常態』とも言えるであろうの。
人体は、“恒常性”によって、常に自律神経のバランスを取ろうとするので、“交感神経過多”の状態が長らく続くと、今度は逆に“副交感神経過多”の状態を作り出してしまうのぢゃ。
神経症的にはそれが、“無気力状態”にあたる訳ぢゃ。
今、世界的に“神経症”が蔓延し、現代は“神経症時代”と言っても過言ではないように思えわるな。
で、儂が思うに、現在は人心は過敏であり、世論は異常な興奮状態にあるように思えるわい。
つまり現代は、“過剰な陽の時代”だと言えるではないかの?
儂は、現代を“陰陽逆転の時代”だと思うておるわい。
現在、世界中が“過激な天候変化” “異常気象” “巨大地震”などの自然災害の脅威に晒されておるが、これは、現代人の精神状態の陰陽、また男女の陰陽のバランスが崩れていることが作用しているのではないかと、儂は思うておるのぢゃわい。
龍田が、「新・好 色」のなかに原作には出てこない “
(龍田です。「新・好色」は、こちらのサイトにはまだ投稿しておりませんが、近々投稿させていただく予定です。)
“陰陽師” とは平安の頃に、盛んに重用されていた呪術師のことぢゃな。
呪術師という言葉も、最近一般化してきたような気がするが、これは漫画&アニメの “呪術廻戦” の影響なのぢゃろうか?
こないだ、たまたま見ていたテレビで、「ジャニタレが現代の呪術師に会いに行く」という番組をやっていたので、「ん? 高知の
四国は高知の物部村(現在は物部町)といえば、平安時代の陰陽師が行っていた呪術を、現在まで継承する “
儂の店にも、小松和彦という文化人類学の博士が書いた『日本の呪い』という本があるのぢゃが、これは、この小松博士が、1971年から物部村に何度も足を運んで、“太夫”の執り行う儀式やら呪術を実地調査した記録を元に書かれたものでな、なかなか興味深い一冊なのぢゃ。
まあ、儂もその方面には詳しいのぢゃがな、ちとヘビーな話になるので、今回は、陰陽について軽めの話をしますわい。
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“陰陽”とは、霊的な概念や作用ばかりではないのぢゃ。
実際、私たちの人体も“陰陽”の作用で成立しているのぢゃよ。
生物は“恒常性”(ホメオスタシス)という生命維持作用によって生存しておる。
その“恒常性”を維持しているのが、“自律神経”ぢゃ。
で、その“自律神経”とは“交感神経”と“副交感神経”のふたつで成り立っておるのぢゃ。
“交感神経”は日中に亢進し、脳や内臓や筋肉を活発に動かす作用を持ち、いわば身体のアクセルの役割。
“副交感神経”は夜間に亢進し、脳や内臓や筋肉を休息させる作用を持ち、いわば身体のブレーキの役割。
つまり、“交感神経”が“陽”であり、“副交感神経”が“陰”なのぢゃな。
人体は、過労やストレスに過度に晒されると、防御反応によって“交感神経優位”の状態になる。
その“交感神経優位”の状態が長期的に続くと、脳がその状態を“常態”と認識するようになり、“交感神経”のスイッチがオンのままオフにならず、いつまでたっても“副交感神経”が作用しない状態になるのぢゃ。
通常、“副交感神経”は、夕方から夜にかけて働き出し、人体に“睡眠”の準備をさせるのぢゃが、いつまでたっても“交感神経優位”が続くので“不眠”が続くことになる訳ぢゃ。
また、免疫機構も過剰になるので、アレルギー体質になったり過敏症になってしまう。
そして、内臓が常に過剰に働いていますから、消化液やホルモンも過剰に分泌され、身体にさまざまな異常が出て、脳や内臓が疲労していきます。
そうなると、血液が酸性に傾きやすく、病気になりやすい体質になり、神経症になりやすい体質になる訳ぢゃ。
つまり、鬱病をはじめとする数々の神経症の原因は、“交感神経”と“副交感神経”のバランスが崩れて、“交感神経過剰”によるものと言えるのぢゃな。
そして、それは『身体の“陰陽”のバランスが崩れた常態』とも言えるであろうの。
人体は、“恒常性”によって、常に自律神経のバランスを取ろうとするので、“交感神経過多”の状態が長らく続くと、今度は逆に“副交感神経過多”の状態を作り出してしまうのぢゃ。
神経症的にはそれが、“無気力状態”にあたる訳ぢゃ。
今、世界的に“神経症”が蔓延し、現代は“神経症時代”と言っても過言ではないように思えわるな。
で、儂が思うに、現在は人心は過敏であり、世論は異常な興奮状態にあるように思えるわい。
つまり現代は、“過剰な陽の時代”だと言えるではないかの?
儂は、現代を“陰陽逆転の時代”だと思うておるわい。
現在、世界中が“過激な天候変化” “異常気象” “巨大地震”などの自然災害の脅威に晒されておるが、これは、現代人の精神状態の陰陽、また男女の陰陽のバランスが崩れていることが作用しているのではないかと、儂は思うておるのぢゃわい。