閑話１３「ＳＤＧ’ｓぢゃて？」その１

【閑話１３】

　最近、SDG'ｓと云う言葉をよく耳にしますなぁ。
　マスコミがこぞってキャンペーンを張っておる。
　それは、サスティナブル・デベロップメント・ゴールズの頭文字を取ったもので、「持続可能な開発目標」と云う意味だそうですぢゃ。
　で、それについては１７の目標があるそうで、それぞれ立派な目標ぢゃと思うのぢゃが、それを簡単に要約すれば、『世界がもし１００人の村だったら』に書かれていたような、先進国と発展途上国の格差を解消することに尽きると儂は思うちょる。
　
　しかし本当に、“持てる国”である先進諸国が、SDG'ｓ達成のために自らの身を削って、“持たざる国”の発展途上国を、全面的に支援をすることが出来るのぢゃろうか？　と儂は常々疑問に思うておるのぢゃ。
　
　先進諸国が、これまでのような「大量生産・大量販売・大量消費」を続けていくことが、一番SDG'ｓに反することぢゃと儂は思うのだが、皆の衆はどう思うかの？
　地球のあらゆる資源を先進諸国が独占し、それを無限のごとく毎年毎年大量消費していくことを止めない限り「持続可能な開発」なんぞ実現不可能ぢゃろ？

　民放のテレビ番組で『〇ス〇コで食材を爆買いして、大量調理の料理自慢が得意気に料理して、それを大喰い主婦三人が食いまくる』と云う番組を目にしたのぢゃが、こんな番組こそ「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」というSDG'ｓの目標とは相反していると儂は思うのぢゃが、そんな番組を作っているテレビ局が、「SDG'ｓ　SDG'ｓ」と騒いでいるこの矛盾……。
　そんな、キリスト教の七つの大罪の「強欲」や「暴食」が、面白おかしく肯定されておるような現代社会のこの風潮……。

【日本の食品ロスは、１世帯年間６万円、全体では１１兆円 。
　世界では毎年、生産量のおよそ３分の１に当たる１３億トンもの食品が捨てられている。
　中でも日本は、世界の食糧援助量３２０万トンの倍相当の６３２万トンの食品を廃棄処分している。
　その日本の食品ロス６３２万トンのうち、飲食店やスーパーからの廃棄は３３０万トン。】

　と云う記事を見れば、この日本で「SDG'ｓ　SDG'ｓ」と騒いでみたところで、画餅(がべい)としか言い様がないぢゃろ。
　ひいては、「企業の売上と利益の成長率」「国の経済成長率」だって、それを毎年毎年向上させることを追求していては、結局この地球の資源を浪費していくことにつながるのではないかの？

　縄文時代は１万年続いたと云うが、キリスト誕生から始まった現代文明は、たった２０００年で文明崩壊の危機を迎えておる。
　それを避けるために、欧米諸国は「持続可能な開発目標・SDG'ｓ」なんぞと言い出したのぢゃろうが、元はと言えば、

「あんたらが築いてきた、奴隷制度と植民地政策と産業革命という西洋文明の成れの果てが現代ぢゃろが！」

　と儂は言いたい訳ぢゃ。