閑話16「SDG’sぢゃて?」その4

文字数 829文字

【閑話16】

 唐突ぢゃが、皆の衆は、二期作と二毛作の違いは知っとるかの?

 「二期作は、同じ耕作地で作物を年二回栽培収穫すること」で、「二毛作は、同じ耕作地で種類の違う作物を時期を変えて栽培収穫すること」ぢゃな。

  稲作の二期作は、年間平均気温が16℃以上の地域でのみ可能だそうぢゃから、我が国では、四国の高知から九州沖縄でしか出来ないそうぢゃ。
 一方、二毛作は、米と麦の組み合わせだと、本州全域で可能なのぢゃな。

 この二期作や二毛作が、我が国で盛んになったのは、鎌倉時代以降のことらしいがの、皆の衆はそれはなぜかご存じかの?
 それはね、鎌倉幕府が 支配地に順次“守護”と“地頭”を配置して、地域の支配と税の徴収を厳しくしたので、米や作物の収穫量を増加させる必要があったからなのぢゃ。

  鎌倉幕府は、まず関東から平氏勢力を掃討して支配を確立した後、次は奥州藤原氏を滅ぼして、東北の支配権を確立したのぢゃ。
 源氏三代が支配権を確立したのは、この東日本地域までで、西日本はまだまだ朝廷の権力と支配が残る地域ぢゃった。

  西日本が完全に鎌倉幕府の支配地域となったのは、幕府第二代執権 北条義時が承久の乱で、後鳥羽上皇の朝廷軍に勝利してからのことぢゃ。
 承久の乱以降、西日本全域に幕府の守護地頭が配置され、日本全域の鎌倉幕府支配体制が確立する訳ぢゃな。

 で、二期作や二毛作は、同じ耕作地を使い回しするのでな、土地がすぐに痩せてしまうのぢゃな。
 そこで、土地の耕作に使役していた牛馬の有機物、つまり糞を土地に漉き込んで肥料にし、土地を人工的に肥やす農法が確立された訳ぢゃな。ふむ。

  しかし、牛馬の数には限りがあるし、肥料の使用量は年々増加するから、不足分を補う必要が出てきたのぢゃ。
 その不足分を補ったのが、“人糞”でございますのぢゃ。
前回書きましたように、地面に穴を掘り、穴に二枚の板を渡した鎌倉時代のトイレは、その為に広まっていったのぢゃよ。
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