西の辻風 3

文字数 4,558文字


 アロイジウスとアニョロが、西方長官附きの供廻りの兵士らにルージュー辺境伯が(あて)がった〝仮の館〟に戻り、主人である西方長官ポンペオ・タルデリの許に合流したのは昼近くだった。今回は盛装したアニタも同乗している。
 道中、聖王朝の国章とタルデリ宮中伯の紋章を掲げた3隻の飛空艇に分乗した彼らを地上から多くのカルデラの民が手を振って見送ってくれた。辺境伯の第2子と〝西方の名家〟ユレ家の一人娘の婚礼に招かれた〝聖王朝の特使〟の一行であることを、土地の誰もが知っているふうであった。なるほど、この縁組は領民に(こぞ)って祝福されているらしかった。

 〝仮の館〟を出てからは、十数頭のルージューのグリフォン・ライダーが先導をした。
 ──昨夜見た〝ウルラ・アラス(フクロウの翼)〟のグリフォンではなく、一回り大きく長距離を飛べる種のグリフォンである。
 それは壮観ではあったが、ポンペオ・タルデリに附けられた武官らにとっては面白い眺めではなかった。タルデリに理解できていたかは疑わしいが、これだけの数の能く訓練された〝戦大鷲(グリフォン)〟が揃えば、西方長官の座乗船〈ハウルセク〉とて危うい。それをこの様に見せつけられれば、軍役のプロ(専門家)としては威圧を覚えるしかなかった。
 もっとも、タルデリ当人は昨夜の〝仮の館〟での歓待にすっかり気を良くし、グリフォンの放つ獣性に本能的な恐怖を嗅ぎ取りはするものの、至って暢気(のんき)にこのデモンストレーション(示威)を見遣っている。

「いい気なものだ……」
 そんな上司に、竜騎ペナーティは周囲の数名にだけ聴こえる小声でそう漏らした。その表情(かお)は、苦虫を噛み潰すようなものとなっている。
「声が大きい」
 年長の竜騎をアニョロは(たしな)めた。と言って驕るふうではない。むしろこの場の言動が〝我が殿〟──最初に呼び掛けた際のこの古い言い回しをタルデリが気に入ったので、引き続きアニョロはそう呼んでいた…──の耳に伝わらぬようにする配慮である。
 ペナーティは口を噤んだ。

 しばらく進むと、このカルデラの六邦を治めるルージュー辺境伯の居城、マルティ城の青い大屋根が見えてきた。
 先導役のグリフォンが高度を下げると、それを追って3隻の飛空艇も高度を下げる。残りのグリフォンはむしろ高度をとって歓迎の意を表してみせた。同時に、周囲を警戒してもいるのだろう。その動きの無駄のないことにペナーティら数人の竜騎は更なる警戒の念を強くした。
 ワイバーンと比べ体の重いグリフォンは飛行時間が短いが、陸を遠く離れ瘴の雲の上で戦うのならいざ知らず、ここカルデラの大地の上で戦うのならそれもハンデとはならない。ここはルージューの地である。

 そうこうしていると飛空艇はマルティ城の本丸へと着地した。城には飛空艇用の空中桟橋搭も在ったが、敢えて本丸に迎えるのはむろん意図があってのことだろう。本丸には60騎からのグリフォン・ライダーが整然と控えていた。
 艇からタルデリ一行が降り立つや、グリフォン・ライダーは一斉に腰の剣を抜いた。鞘(ばし)る鋼の音が響き渡る。
 ……圧巻であった。その60騎の出迎えに、西方長官府一行の誰もが言葉が出ない。
(見事なものだ……)
 すでにカルデラの地に着任し、こういったルージューの状況を見知っていたアニョロは、さすがに表情(かお)に出しはしなかった。が、心中のルージューへの警戒の念はペナーティらと同じである。

 本丸居館の前にはルージュー一族の者が並んで出迎えた。場を代表して前に歩み出た若者にアロイジウスがわずかに反応した。辺境伯の第3子アティリオ・マルティ・アブレウだった。
 すらりとした貴公子然の外見に違わず、洗練された立ち居と振舞いで西方長官ポンペオ・タルデリの前に立つ。
「六邦を預りますライムンド・ガセト・マルティが三男、アティリオでございます」
 涼やかな笑顔で挨拶をした。21歳の若者の笑顔は輝かんばかりであった。
「遠路はるばるお越しくださり恐悦至極にございます。父は公務にて、代わりに私がもてなすよう言い付かりました。ようこそ、ルージューの地へ」
 グリフォンに囲まれぎょっと立ち竦んでいたタルデリは、安堵の色を浮かべて鷹揚に笑いを見せて言った。
「辺境伯は息子の婚礼当日も公務か。熱心なことよな」

 考えようによってはルージュー側のこの対応は無礼なものである。聖王朝の軍政務の代行者たる長官を(〝大国〟とはいえ)一辺境伯が婚礼に招くことからして前例がない。ルージュー辺境伯も西方長官の傘下に置かれる立場である。そういう状況で、家長が長官を出迎えずに代理が迎えるなど避けるべきであった。
 が、マルティ家の三男は、持って生まれた〝人懐こさ〟で、見事に場を収めてみせた。

「それだけが取柄の父なれば、平にご容赦を。 …──昨夜のこと、夜陰に乗じてカルデラ外輪の南壁に密輸船が紛れ込みました。それへの対処でございます」

 その言葉には、アロイジウスとアニョロだけが内心でだけ肝を冷やしたものの、昨夜の歓待に呆けていた主人を知る部下等は、むしろ自らの主人に〝その二十分の一ほどの勤勉さ〟でも持ち合わせて欲しいものだ、と失笑を堪えねばならないくらいであった。


「──西方長官閣下の御成りである」
 本丸居館の大ホールに入るや、アティリオ・マルティは声を張り上げた。
 ホールには客たちが待ち侘びていた。彼らはアティリオの声に促され、タルデリに向かって佇立すると、男は一礼し、女は膝を折って挨拶した。ホールには7~80人は居ただろうか。
 タルデリはホールの奥に設けられた席に着いた。
「アニョロもこれに」
 タルデリは(かたわら)の席を示した。アニョロは辞退した。下座に席が定められている。
「婚礼までは構わぬであろう」
 余程アニョロの見識を頼りとしているのか。そんな上司たるタルデリに、ペナーティが冷笑を浮かべるのをアロイジウスは見た。
 アニョロは、アティリオに肯かれることでタルデリの側に収まった。

「西方長官閣下にはご健勝の御様子にて」
 早速に1人の男が前に進み出た。恰幅のいい年配の男だった。
「フィルマン・エヴラール・ド・ユレにございます」
 名乗られる前にタルデリは頷いていた。──今宵の花嫁の伯父である。
「直々のお運び、恐悦至極にございます」
「〝新婦の父〟として参ったか」
 タルデリは口許に意地の悪い微笑を浮かべて言った。
 フィルマンは〝ユレの2つの浮き島〟を取り纏めている太守である。今日は一族の中のパトリス・エドガール・ド・ユレの娘オリアンヌが、ジョスタン・エウラリオ・マルティ・ポーロの妻に迎えられるが、オリアンヌは形式上フィルマンの養女という立場で送り出されている。フィルマン自身に子がないが故の仕儀であったが、フィルマンにはこれが面白くなかった。
 フィルマンとパトリスの仲の悪いことは有名であった。

 その後は次々と挨拶に来る者をアティリオが捌いていった。
 〝ルージュー六邦〟と一口に言うが、カルデラの内には6つの領邦ばかりが在るのではない。有力な6つの伯領の他にも多くの中小豪族が居り、カルデラの外には幾つもの浮き島を保護領としている。在郷の諸侯、諸邦の領主の数は、聖王朝直轄の3つの〝浮き島〟──〈シラクイラ〉〈エスティクイラ〉〈アルビクイラ〉──中の諸侯の数を合わせたほどは居る。
 事実上の独立国…──いや、グウィディルンの世界における二強の一角と言えた。
 だがカルデラの地とて、そもそもは6人の方伯がそれぞれの領地を治めていたのだ。それがいつの間にか1つの家に権力が集中し、現在(いま)では世襲の慣わしとなっている。

 タルデリの前に黒いドレスの女が立った。まずまず美しい顔立ちの中年の女だった。
「マールロキン女方伯クストディア・マールロキン・ベネディートでございます」
 紹介するアティリオの声が一段と高まった。
 西方長官府附きの誰もが女の顔を凝視した。むろんアニョロも目線を向けた。

(これが……マールロキンの〝黒狐〟)
 西のカルデラでは六邦のルージュー辺境伯と並ぶ巨魁…──いや、〝女傑〟であった。クストディアは女性ながら十数年前に死別した夫の『方伯』を継ぎ、カルデラの北西部、外輪山の〝外側〟に拠点を構えて勢力を保っていた。以来、ずっと喪服の色の服で通している。
「ご着任の折りにはご挨拶に伺いもせず、ご無礼申しあげました」
 クストディアは艶然と笑い、西方長官に膝を折って深々と頭を下げてみせた。
「山の()()奥から出向いて参るのは大儀であろうな。赦そう」
「飛空船を持たぬ〝田舎貴族〟故の不調法です」
「此度は山を越えて参ったか?」
「マルティは我らの縁続きなれば……翼獣でも山なれば越えられます」
「ほぅ……。縁続きであったか」
 タルデリは意外そうに目を細めた。

「遠き血筋に過ぎませぬが。領邦も近ければ、いまはこうして行き来もしております」
 クストディアは言い訳のように口にした。年齢は45。動じない気位を備えている。
「親族付き合いなれば無理もしてみせねばな」
 タルデリは頷くと笑いを繕った。
「隣に従っておる者は──」
 クストディアは自ら紹介役を果たした。
「息子、エドゥアルド・ルフィノでございます」
 聡明そうな男が一礼した。
「我が兄のイサーク・イシドロ・ベネディート・ペイロと、その子、ルシアノ、レオン…──」
 クストディアが名を言うごとに1人1人が前に出て頭を下げた。後でアニョロは知ることになるが、クストディアの息子エドゥアルド・ルフィノは30歳の働き盛り、クストディアの実家の兄イサークは48歳、その2人の息子はルシアノが28歳、そしてレオンが22歳であった。何れも今を盛りとする男たちである。

 タルデリは何度も頷いて言った。
「マールロキンとルージューが手を携えてくれればカルデラの地の平和も続く。安心したぞ」
「お心に添えますよう努めますれば」
 クストディアがそう言って引き下がった。
「──…存じておったか?」
 タルデリはアニョロに小声で訊いた。
「マールロキンとルージューが手を結びしことについては」
 とくに報告は受けていないとアニョロは応えた。──諜報活動は〝商館の機能〟の一つである。タルデリは不快そうに口許を歪めた。
「〝我が殿〟…──参りました」

 アニョロがホール入口の両開き扉に目を動かして囁いた。
 その動きに、ペナーティとアロイジウスも視線をそちらに向けた、
 ホールのざわめきが急に静まった。客たちは居住まいを正してルージュー辺境伯ライムンド・ガセト・マルティを待ち受けた。足音がホールに聴こえると一斉に膝を折って迎える。
 タルデリとアニョロ、そしてペナーティだけは頭を上げたままライムンドの登場を待った。
(これはもはや、宮廷だな……)
 ペナーティは微動だにせず辺境伯を迎えるその場の男女を眺めて溜息を吐いたが、それをアロイジウスは横目に見上げた。
 アティリオが父ライムンドを迎えに立った。
 ライムンドは一族を従えてホールを真っ直ぐに正面からやってきた。ライムンドのすぐ後ろに従っているのはジョスタン・エウラリオであろうか。婚礼を控えた身らしく、一際豪華な服を纏っている。
 ジョスタンの後にアティリオが入った。恐らく生まれの順に違いない。後ろに3人の男子が続く。合せると5人。壮観だった。
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登場人物紹介

■エリベルト・マリアニ(12 →19 ⇒22歳/♂)


竜騎見習い →聖王朝宮中竜騎(アレシオ・リーノ近習衆筆頭)




本作の主人公の1人。蒼い瞳、「麻くず」の色の髪トウヘッド。幼少時より〝物静かな〟顔立ちながら、その瞳に怜悧さを宿していたという。成人後は精悍さが強調されるのはお約束。もちろん均整のとれた長身。


生家は聖王朝の武門プレシナ大公家に代々使える宮中竜騎の家柄で、父リスピオは大公麾下の〈プレシナ大隊〉にあって筆頭の竜騎長である。


アレシオ・リーノの竜騎見習いへの志願の折での〝とある行い〟がアレシオの目に留まり、取り立てられることとなる。以後、彼の半身とも言うべき存在となった。




主人公の1人アロイジウス・ロルバッハの竜騎の師であり、そのアロイジウスの姉ユリアを妻に迎えた。


そのユリアを巡り権門マンドリーニ公の勘気を被り、第1部の後半では近習衆を解任され閑職に左遷の憂き目となっているが、アレシオ・リーノからの信頼は些かも損なわれていない模様。




<メイキングこぼれ話>


モデルは『銀河英雄伝説』のキルヒアイスですよ、それは。(笑)


物語の幕開けの視点の主人公なのに、以降、第1部ではほとんど出番がありません。(汗) 失敗ですねぃ。


でも物語全体ではアレシオ・リーノの片腕として活躍することが約束されているので〝問題無しノープロブレム〟なのですよ!

■アレシオ・リーノ・プレシナ(11 →18 ⇒21歳/♂)


竜騎見習い →プレシナ第2大隊第3中隊長 ⇒第2大隊次席指揮官(プレシナ大公家嫡子)




本作の主人公の1人で、聖王朝三公の1つ、武門のプレシナ大公家の嫡子。黒曜石の瞳、射干玉ぬばたまの髪の美丈夫──女性と見紛う美貌ながら溢れる才気、命令することになれた物言い、美しきモノへの憧憬、貴族たる気概と魂……、そして前線に兵と共に在ることを厭わぬ剛健、という真の武人。(盛り過ぎw)




自らの竜騎見習いの志願の折に出会ったエリベルト・マリアニを〝竹馬の友〟として側に置き、緩慢な衰退の中にある聖王朝にあって、火薬を始めとする科学技術を利用した軍制への改革を推し進めている。


かつては元老院派の論客ランプニャーニ宮中伯に学び武威に慎重な姿勢を見せていた。


なお、自身の傲慢を戒めるためか、幼き日に施しをした〝へロット下層民の娘〟から突き返された小金貨をペンダントとして常に身に付けている。




<メイキングこぼれ話>


当然こちらはラインハルトと思いきや、黒髪の美しい貴公子。現在なら『キングダム』の嬴政な感じでしょうか?


本作全般の主人公。やはり真価は第2部以降……ということに。


ちょっとだけネタバレな感じで言うと、〝ジブリ作品『風立ちぬ』の主人公は自分の理想的な美にしか関心のない残酷な男〟というキャラ分析を読んでインスパイアされてみました。そういう複雑なキャラを描いてみたいです。(笑)

■アロイジウス・ロルバッハ(8 →14 ⇒17歳/♂)


戦利奴隷 →竜騎見習い ⇒独立竜騎(西方軍長官府附き武官/ロルバッハ家当主)




本作の主人公の1人で最年少の少年竜騎。鳶色の目と同じ色の巻き毛の髪。頭の回転が速く弁も立つ。


元はアンダイエの工房職人の子だったが、アンダイエが聖王朝に攻め落とされたことにより姉ユリア共々戦利奴隷となった。奴隷市でロルバッハ砦の独立竜騎ファリエロに救われたことで姉と共にロルバッハの養子となり竜騎となる。




竜騎として養父とエリベルト・マリアニの薫陶を受け、優れた若武者であると共に〝知識の間〟ではアニョロ・ヴェルガウソと同窓という文武両道の者である。


その人物像の最大の特徴は〝誠実な為人ひととなり〟で、理よりも情で行動する。


アニョロとはその妹アニタと共に兄妹同然に育つ。そのアニタとは互いに憎からず思う間柄であるが……。




<メイキングこぼれ話>


いたって〝普通の〟主人公です。多くを語る必要はないという……。(笑)


モデルは安彦良和の『アリオン』の主人公アリオン。


……でも、ちょっと不幸な出来事が続いてますね。ごめんよ、アーロイ。

■アニョロ・ウィレンテ・ヴェルガウソ(18 ⇒21歳/♂)


竜騎見習い ⇒アンダイエ商館長代理(ヴェルガウソ子爵家当主)




本作の主人公の1人。17歳で父を流行り病で失い子爵家を相続した。ヴェルガウソ家はタルデリ宮中伯家を補佐する官吏貴族の家で、画に描いたような中級貴族の家柄。貴族社会の体面は立てるが個人にへつらうということをしない性格で、少々扱いにくい人物。


一応、竜騎見習いの資格はある(師は友人でもあるエリベルト・マリアニ……)が自他共に認める文筆の人で、聖王朝の学術機関〝知識の間〟で学ぶ学徒である。知恵者を気取っている。


アロイジウス・ロルバッハの身元引受人を父から引き継ぎ、彼とは兄弟のような仲。アニタという名の妹が1人いる。




主家の主ポンペオ・タルデリの西方長官着任に伴いルージューの地に赴任、アンダイエ商館の館長代理として聖王朝西方の情報収集を取仕切っている。そういった〝裏向き〟の活動の中でルージューの姫君クロエと出会い、見初めることとなる。


左利き。




<メイキングこぼれ話>


立ち位置的には『アルスラーン戦記』のナルサス(当然ダリューンはエリベルト)。……なのだが、キャラの造形は『鋼の錬金術師』のエドワード・エルリックな感じ。気の措けない〝身内〟に見せる気さくさと、貴族社会の中での達観した立居振舞とのギャップが魅力……に描きたいものです。

■ジョスタン・エウラリオ・マルティ・ポーロ(20 ⇒23歳/♂)


ルージュー辺境伯マルティ家 次男




本作の主人公の1人。物語の序盤から西のカルデラの側に居る〝いま一人の〟貴公子。(……なのだが、アレシオ・リーノ同様、第1部では余り目立っていない。)


西のカルデラの地に6つの邦を束ねるルージュー辺境伯を世襲するマルティ家の御曹司で、多くの兄弟親族がいる。


聖王朝に先駆けて火薬主体の軍制を模索するなど天賦の〝戦の才〟を持つも、一族に関わる諸豪族の干渉に嫌気がさしており、すぐ下の異母弟アティリオと図って〝出来た弟〟と〝うつけの兄〟をそれぞれに演じ、周囲の目を欺きつつ韜晦していた。


〝果断の人〟の二つ名を持つ。




その二つ名の通りの〝動くべき時の果断さ〟と〝動くべからざるそうでない時の泰然さ〟を合わせ持ち、〝過去に縛られない柔軟さ〟と〝こうと決めたら梃子でも動かぬ頑固さ〟がある。


欠点は、大邦ルージューの御曹司として育ったためか他人の風下に立つことに慣れておらず、侮られることを嫌うこと。が、傲慢であるかと言えばそういうばかりでもない。


政略で名門ユレ家の姫オリアンヌを妻に迎えたが、夫婦仲はたいへんに睦まじい様子。


プレシナ大公家の嫡男アレシオ・リーノを高く評価し、警戒してもいる。




<メイキングこぼれ話>


アレシオ・リーノの好敵手ライバル。精悍で豪快な兄貴系。イメージは『十二国記』の延王 小松尚隆かな。


〝戦バカ〟を触れ回っていますが実は深慮の人のよう。


でも人間としては判りやすく、裏表のないナイスガイを目指します。

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