炸風 1

文字数 4,447文字


 アロイジウスは夢を見ていた。
 それが夢だとすぐに判ったのは、アニタが自分を睨んでいたからだ。
 それだけで、嗚呼、これは現実ではないのだと気付き、アロイジウスは一度跳ね上がった鼓動がゆっくりと収まってゆくのを感じる。
 視界の中のアニタの顔はまだ幼く、強情な瞳が揺れていた。
 その10歳の彼女の表情(かお)を憶えている──…初めてヴェルガウソ館を養父(ちち)に連れられて訪ねたときの、決して忘れ得ぬ記憶が甦ってきた。

 今は亡き先代のヴェルガウソ子爵アルバン・ハシントが、自分と養父を親しく館のホールで出迎えてくれたとき、アニタは兄のアニョロと共に其処にいた。
 ロルバッハ砦を出立する前の日に〝粗相の無いように〟と姉ユリアに強く求められて練習した作法の通りに自分は挨拶をしたのだったが、その時のアニタは(はな)から〝気もそぞろ〟で、一刻も早くこの場を退出したいとばかりに父ヴェルガウソ子爵の顔をチラチラと見ていた。
 解放された戦利奴隷の挨拶などよりも大事な〝何か〟があるのだろう。そのとき、そう思ったことを覚えている。当時の自分は、そういう扱いに慣れてしまっていた。

 事実は少し違っていた。
 アニタは、その前日から、着地に失敗して大怪我を負ったワイバーン(飛竜)の幼獣を館の竜舎で介抱していた。
 どうにか礼を失さぬ態で自分と養父とに挨拶を返したアニタは、すぐさま飛ぶようにして竜舎へと駆けていった。
 (くだん)の幼獣は、前年の暮れに生れた3頭の中から彼女が特に父に強請(ねだ)って任された〝お気に入り〟の1頭で、この時にはもう彼女に懐いていたことは後で知った。
 ようやく飛ぶことをし始めた幼獣の兄弟が〝じゃれ合う〟うちに怪我をする、という事はないことではない。怪我の具合が軽ければよかったのだが、脚に負った傷は致命的だった。グリフォン(大鷲獣)程の巨躯でなくともワイバーンは大型の獣である。大きな体躯をその脚で支えねばならない。脚に重い傷を負えば飛び立つことはおろか自らの重い体躯を支え切ることが出来なくなり、やがて脚から壊死していくことになる。
 その幼獣の負った怪我は、そういう具合のものだった。

 館付きの獣医や厩役には、もう何日も前から、幼獣が助からないと判っていたろう。事情を聞かされぬまま初めて状態を目にした自分にさえ、そのことは判った。──ロルバッハ砦でワイバーンの世話を任され、島嶼の島々の中で翼獣の扱いを学んでいたのだ。日々の暮らしの中で、親しくなった翼獣の死も経験していた。

 竜舎のみならず館全体に重い空気が漂う中、唯一人アニタだけが幼獣の快癒を信じて疑わないでいた。その健気さに父も(アニョロ)も目を伏せるばかりだったが、そんなうちにも幼獣は衰弱していった。
 ようやく人の身体程に成長した体躯(からだ)を苦し気に悶えさせる幼獣に、アニタは懸命に声を掛け、水で濡らした布で熱に(ほて)る体躯を拭いてやっている。だがそうしたところで快方に向かうはずはなく、痩せ細り衰弱するばかりとなった……。
 流石(さすが)にアニタの表情も翳っていった。

 嗚呼、やはりこれは夢なんだな……。
 記憶の中に納められた通り…──それでも諦めないでいる彼女に、誰も〝穏やかな死(安楽死)〟を勧めないでいることに微かな怒りを滲ませた〝あの日〟のアロイジウスが言った。

『──…もう、苦しませるのは止めなよ……』

 幼いワイバーンの側に膝をついて見守るアニタの背後から投げ掛けたその言葉が、竜舎の空気を更に重くしたことを覚えている。
 最初、アニタはその言葉に〝聴こえないふり〟をしようとしたが、それを含めて非難がましく背後に立ち続ける自分(アロイジウス)の気配に、終に肩を怒らせて立ち上がった。背後を振り見遣ると、キッと睨み返してきた。
 そのとき初めて、彼女から〝感情のある〟表情(かお)を向けられた。

『なんで……なんでそんなことを言うのっ……』
『……かわいそうだ』

『今は苦しいでしょうけれど、きっと良くなるのっ……』
『……よくはならないよ』

『治るわ! 治るためにこの子はがんばってるっ……』
『……もう、治らない』

 そんな遣り取りがあったと思う。
 最後は、泣きそうになりながらそれを懸命に堪える強情なアニタの肩に手を置いて、父ヴェルガウソ子爵が優しく云って諭した──「(アロイジウス)の云う通りだ」と……。
 その手を振り払って竜舎を飛び出していったアニタを見送ると、父子爵は獣医にそっと肯いた。
 ワイバーンは、その日のうちに苦しみから解放された。
 最後の瞬間には、アニタは(ワイバーン)の側に戻ってきていた。
 もう既に泣くだけ泣いたのだろう。最後を看取ったとき、彼女は泣かなかった。

 翌朝、館の片隅にワイバーンの骸を葬り石を置いて墓としたとき、初対面だった自分から〝厳しい言葉を投げ掛けてしまったこと〟に何と声を掛けたら良いかと言葉を探していると、彼女の方から声を掛けられた。
 腫れぼったい顔の彼女は、畏まって頭を下げると、ワイバーンを苦しませてしまっていた自分の身勝手を指摘してくれたことの礼を述べ、改めて礼を失していたことを詫びた。
 それから、どう応じたものか戸惑う自分を前に、不安気に微かに震える声で彼女は訊いたのだ。
『──あんなに苦しませてしまって、あの子はちゃんと天国へ辿り着けるかしら……。途中で力尽きてしまわないかしら……』
 そう云って心配する彼女の(てら)いのない表情に、好感を持ったのはこの時だ。
『大丈夫だよ。こんなに大事に扱われたワイバーンは、そうはいないもの。きっと次に生まれたときには君を乗せて飛びたいって、そう〝葬祭の女神〟に伝えようって天国に還っていったさ』
 自分のその言葉に、彼女は少し安心したように小さく笑うと、サッと手を差し出してきた。それから表情をあらためて云った。
『アニタよ。これからよろしくね』


 その手を取ろうと手を伸ばしかけたとき、夢は醒めてしまった。

 ──まっ、待って……っ!

 アロイジウスは目を開けた。
 そこは無論ヴェルガウソ館の庭でなく、警衛の獄の石畳の上でもなかった。
 清潔なベッドを覆う白い帳に、暖炉に(おこ)された炎の照り返しと影とが踊っている。
 ベッドに半身を起こしたアロイジウスは、室内に人の気配を感じて目線を遣った。
 ソニア・トザッティの、睨むような硬い表情があった。
 何と声を掛けるべきか。アロイジウスのそんな思案を余所に、ソニアはつと目線を外すと、足早に部屋を出ていった。
 アロイジウスは、自分がまだ〝天国〟に辿り着けていないことと、状況が何ら好転していないことを知った。



 パウラ・アルテーアは、町娘に扮した自らの出で立ちを〝名を持たぬ女〟の前で確かめさせる様に、その場でくるりと廻ってみせた。
 女の方は〝不思議なもの〟でも見るかのような表情だったが、パウラの視線を感じ取ると 取り繕った微笑になって肯いて返してやる。正直、市井の娘というには無理があったが、それでも〝御忍びで市中に出る良家の子女〟程度には見えなくもない。
 その女の表情に、パウラはとくに満足気に、というふうでもなく頷き返すと、何気ない感じに言った。
「アロイジウスへの暗示……後は任せてよいのかしら?」 問い掛けの形の命令。
 女は肯き、
「お任せを……」
 と女主人(あるじ)に手を伸ばし〝端然と過ぎる〟主人の着こなしを少しばかり崩してやりながら、やはり何気なさ気に訊き返した。
「──ですがパウラさま。パウラさま自らコレオーニの商館を訪ねる必要がありますの?」
 パウラは物憂い表情(かお)で応じた。町の〝走り使い〟を装う小道具のバスケット()を手に取り、中に蝋燭を確認する。パウラはこれから一時、〝蝋燭売り〟となるのだ。……が、差し当って今はアルソット家のパウラ・アルテーアである。
 何らの表情の浮かばぬ顔で言う。
「あると言えばある、ないと言えばないわ……」
「…………」
 〝名を持たぬ女〟は、その思惑を推し測るように主人の横顔を盗み見て、
「では、〝ない〟のでしょう?」
 女主人の気紛れを、そう〝問いの形〟で断じてみせた。
 それにパウラはふっと嗤った。
「いいじゃない。──…ルージュー・マルティの末息子アベル・サムエル。少し興味が湧いたわ。〝よくしてくれた〟こともあるのだし、少しばかり戯れるのも一興よ」
 先に出会った際にアベル・サムエルの心の表層はすでに読んでおり、彼がマルティの男子であることは判っていた。

 そんなパウラに、女は目を伏せて応じた。
 あらためて女主人(あるじ)の性分を思う──。
 パウラ・アルテーアにとって少年の純情を弄ぶのも、聖王朝と西の大邦とを相争わせるために画策するのも同じようなことなのだ、と。

「それでは、後はよろしくね」
 女はその声に頭を下げると、部屋を出て行くパウラの背を見送った。



 アンダイエ在所のコレオーニ商館に〝ローブ姿の女性からメッセージを預かってきた〟と蝋燭売りの娘が姿を現したのは、正午の前という時間だった。
 〝名を持たぬ女〟が訪れた日から2日が過ぎている。
 アティリオと共にホールに下りたアベルは、そこに知己の顔を見て驚いた。──蝋燭売りに扮してはいるが、間違いなく〝先日グリフォン(大鷲獣)に襲われたところを助けてやった少女〟である。
 町で〝走り使い〟をする貧しい者に有り勝ちな落ち着きの無さからは程遠い物腰で、少女はアティリオの伸ばす手の中に〝言伝て〟の紙片(メッセージ)を物怖じすることなく置いた。普通の〝走り使い〟とは違った意味で、カーテシーが不似合いだった。
 なら〝市井の娘〟に扮する意味など無かったんじゃないのか? そう額に手を遣りたくなったアベルは、同時に、なぜ彼女がアロイジウスを(さら)った魔女の〝走り使い〟をしているのかが解らず、心の中では混乱させられている。
 その混乱したアベルは、ふと自分に向けられた少女──アルテーア──の悪戯っぽい目線に気付き、大いに(あせ)らされることとなった。浮かれた〝市井の娘〟のする様な、媚びを湛えた笑みで無かったの救いだったが、余りに明け透けな目線だったからだ……。

 そんな異母弟(アベル)の心中の焦りを他所に、紙片を受け取ったアティリオはそれを一読するや〝蝋燭売りの娘〟に頷いて言った。
「委細承知したと伝えてくれ」
 まさかその紙片を(したた)めた当人が目の前の〝蝋燭売りの娘〟であろうとは露とも思い至らないのはアベルも一緒である。マルティの2人を前に、パウラ・アルテーアは小さく頷いてもう一度腰を折ってみせた。


 パウラは商館のホールを辞すると、建物の正面に開けている広場の噴水の前に立った。上品な佇まいが人目を惹くのも構わずにアベルが出て来るのを待つ。
 程なく、彼女の思惑通りにマルティの末の息子は商館から出てきた。
 アベルは真っ直ぐパウラの許に歩み寄ると小さな紙片を手渡し、踵を返して商館へと戻っていった。それを見送り少年(アベル)の背が商館の中に消えると、手許の紙片を(おもむろ)にパウラは開いた。
 そこには、『3時頃、〝水場の杜〟の池の辺で』と(したた)めてあった。
 ──その場所は、初めて会った場所だ。

 パウラは満足気に笑うと、燕の様な軽やかさでその場を離れた。
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登場人物紹介

■エリベルト・マリアニ(12 →19 ⇒22歳/♂)


竜騎見習い →聖王朝宮中竜騎(アレシオ・リーノ近習衆筆頭)




本作の主人公の1人。蒼い瞳、「麻くず」の色の髪トウヘッド。幼少時より〝物静かな〟顔立ちながら、その瞳に怜悧さを宿していたという。成人後は精悍さが強調されるのはお約束。もちろん均整のとれた長身。


生家は聖王朝の武門プレシナ大公家に代々使える宮中竜騎の家柄で、父リスピオは大公麾下の〈プレシナ大隊〉にあって筆頭の竜騎長である。


アレシオ・リーノの竜騎見習いへの志願の折での〝とある行い〟がアレシオの目に留まり、取り立てられることとなる。以後、彼の半身とも言うべき存在となった。




主人公の1人アロイジウス・ロルバッハの竜騎の師であり、そのアロイジウスの姉ユリアを妻に迎えた。


そのユリアを巡り権門マンドリーニ公の勘気を被り、第1部の後半では近習衆を解任され閑職に左遷の憂き目となっているが、アレシオ・リーノからの信頼は些かも損なわれていない模様。




<メイキングこぼれ話>


モデルは『銀河英雄伝説』のキルヒアイスですよ、それは。(笑)


物語の幕開けの視点の主人公なのに、以降、第1部ではほとんど出番がありません。(汗) 失敗ですねぃ。


でも物語全体ではアレシオ・リーノの片腕として活躍することが約束されているので〝問題無しノープロブレム〟なのですよ!

■アレシオ・リーノ・プレシナ(11 →18 ⇒21歳/♂)


竜騎見習い →プレシナ第2大隊第3中隊長 ⇒第2大隊次席指揮官(プレシナ大公家嫡子)




本作の主人公の1人で、聖王朝三公の1つ、武門のプレシナ大公家の嫡子。黒曜石の瞳、射干玉ぬばたまの髪の美丈夫──女性と見紛う美貌ながら溢れる才気、命令することになれた物言い、美しきモノへの憧憬、貴族たる気概と魂……、そして前線に兵と共に在ることを厭わぬ剛健、という真の武人。(盛り過ぎw)




自らの竜騎見習いの志願の折に出会ったエリベルト・マリアニを〝竹馬の友〟として側に置き、緩慢な衰退の中にある聖王朝にあって、火薬を始めとする科学技術を利用した軍制への改革を推し進めている。


かつては元老院派の論客ランプニャーニ宮中伯に学び武威に慎重な姿勢を見せていた。


なお、自身の傲慢を戒めるためか、幼き日に施しをした〝へロット下層民の娘〟から突き返された小金貨をペンダントとして常に身に付けている。




<メイキングこぼれ話>


当然こちらはラインハルトと思いきや、黒髪の美しい貴公子。現在なら『キングダム』の嬴政な感じでしょうか?


本作全般の主人公。やはり真価は第2部以降……ということに。


ちょっとだけネタバレな感じで言うと、〝ジブリ作品『風立ちぬ』の主人公は自分の理想的な美にしか関心のない残酷な男〟というキャラ分析を読んでインスパイアされてみました。そういう複雑なキャラを描いてみたいです。(笑)

■アロイジウス・ロルバッハ(8 →14 ⇒17歳/♂)


戦利奴隷 →竜騎見習い ⇒独立竜騎(西方軍長官府附き武官/ロルバッハ家当主)




本作の主人公の1人で最年少の少年竜騎。鳶色の目と同じ色の巻き毛の髪。頭の回転が速く弁も立つ。


元はアンダイエの工房職人の子だったが、アンダイエが聖王朝に攻め落とされたことにより姉ユリア共々戦利奴隷となった。奴隷市でロルバッハ砦の独立竜騎ファリエロに救われたことで姉と共にロルバッハの養子となり竜騎となる。




竜騎として養父とエリベルト・マリアニの薫陶を受け、優れた若武者であると共に〝知識の間〟ではアニョロ・ヴェルガウソと同窓という文武両道の者である。


その人物像の最大の特徴は〝誠実な為人ひととなり〟で、理よりも情で行動する。


アニョロとはその妹アニタと共に兄妹同然に育つ。そのアニタとは互いに憎からず思う間柄であるが……。




<メイキングこぼれ話>


いたって〝普通の〟主人公です。多くを語る必要はないという……。(笑)


モデルは安彦良和の『アリオン』の主人公アリオン。


……でも、ちょっと不幸な出来事が続いてますね。ごめんよ、アーロイ。

■アニョロ・ウィレンテ・ヴェルガウソ(18 ⇒21歳/♂)


竜騎見習い ⇒アンダイエ商館長代理(ヴェルガウソ子爵家当主)




本作の主人公の1人。17歳で父を流行り病で失い子爵家を相続した。ヴェルガウソ家はタルデリ宮中伯家を補佐する官吏貴族の家で、画に描いたような中級貴族の家柄。貴族社会の体面は立てるが個人にへつらうということをしない性格で、少々扱いにくい人物。


一応、竜騎見習いの資格はある(師は友人でもあるエリベルト・マリアニ……)が自他共に認める文筆の人で、聖王朝の学術機関〝知識の間〟で学ぶ学徒である。知恵者を気取っている。


アロイジウス・ロルバッハの身元引受人を父から引き継ぎ、彼とは兄弟のような仲。アニタという名の妹が1人いる。




主家の主ポンペオ・タルデリの西方長官着任に伴いルージューの地に赴任、アンダイエ商館の館長代理として聖王朝西方の情報収集を取仕切っている。そういった〝裏向き〟の活動の中でルージューの姫君クロエと出会い、見初めることとなる。


左利き。




<メイキングこぼれ話>


立ち位置的には『アルスラーン戦記』のナルサス(当然ダリューンはエリベルト)。……なのだが、キャラの造形は『鋼の錬金術師』のエドワード・エルリックな感じ。気の措けない〝身内〟に見せる気さくさと、貴族社会の中での達観した立居振舞とのギャップが魅力……に描きたいものです。

■ジョスタン・エウラリオ・マルティ・ポーロ(20 ⇒23歳/♂)


ルージュー辺境伯マルティ家 次男




本作の主人公の1人。物語の序盤から西のカルデラの側に居る〝いま一人の〟貴公子。(……なのだが、アレシオ・リーノ同様、第1部では余り目立っていない。)


西のカルデラの地に6つの邦を束ねるルージュー辺境伯を世襲するマルティ家の御曹司で、多くの兄弟親族がいる。


聖王朝に先駆けて火薬主体の軍制を模索するなど天賦の〝戦の才〟を持つも、一族に関わる諸豪族の干渉に嫌気がさしており、すぐ下の異母弟アティリオと図って〝出来た弟〟と〝うつけの兄〟をそれぞれに演じ、周囲の目を欺きつつ韜晦していた。


〝果断の人〟の二つ名を持つ。




その二つ名の通りの〝動くべき時の果断さ〟と〝動くべからざるそうでない時の泰然さ〟を合わせ持ち、〝過去に縛られない柔軟さ〟と〝こうと決めたら梃子でも動かぬ頑固さ〟がある。


欠点は、大邦ルージューの御曹司として育ったためか他人の風下に立つことに慣れておらず、侮られることを嫌うこと。が、傲慢であるかと言えばそういうばかりでもない。


政略で名門ユレ家の姫オリアンヌを妻に迎えたが、夫婦仲はたいへんに睦まじい様子。


プレシナ大公家の嫡男アレシオ・リーノを高く評価し、警戒してもいる。




<メイキングこぼれ話>


アレシオ・リーノの好敵手ライバル。精悍で豪快な兄貴系。イメージは『十二国記』の延王 小松尚隆かな。


〝戦バカ〟を触れ回っていますが実は深慮の人のよう。


でも人間としては判りやすく、裏表のないナイスガイを目指します。

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