風鳴 3

文字数 4,692文字


 まだ陽が昇りきらぬうちにカプレントの商館を抜け出したアニョロ・ウィレンテ・ヴェルガウソは、港の桟橋に横付けられていたルージューの飛空艇に人目に付かぬようにして乗り込んだ。
 艇の上にはルージューを統べるマルティ家の三男、アティリオ・マルティ・アブレウが常ならぬ硬い表情で立っていた。側らに西方の(きら)びやかな鎧姿を二人従えている。どちらも(いささ)か小柄ではあったが、何れ腕に覚えのある衛士なのであろう。
 アニョロが掛けられた板を伝って船上に上がると、アティリオは只黙って頷いた。それでアニョロもまた頷いて返した。

 商館の業務は信頼の置ける手下(てか)に託してきている。細かな指示も残してきた。当面はルージューと示し合わせた通り、門を閉ざして状況の推移を見守り、戦時虜囚の交換窓口となる。
 クロエとはあの後、もう会うことは叶わなかった。
 最後にあの澄んだ目を見ておきたかったが、アニョロが部屋を訪れた時には、兄ジョスタン・エウラリオに従って商館を引き払った後だった。
 私物がそのままに置かれた彼女の部屋に立ったとき、やはり傍に居て欲しかったと思っている身勝手な自分を思い知る。だが、それと同時に覚悟も定まった。
 彼女は強い女性(ひと)だ。命のある限り〝彼女〟は彼女で在り続けてくれるだろう。生きる道を自分で決める女性だ。
 だから自分は、クロエとの縁を解いてもらったのではないか。


 そうしてアニョロはルージューの用意した飛空艇に乗り込んだのだった。最初の行き先はカルデラ南壁の〝浮舟の砦〟である。
 ルージューのジョスタン・エウラリオから、ルーベン・ミケリーノの入ったアンダイエに渡る前に()の地の砦に籠る西方軍の残兵らに開城の説得をせよ、と送り出された。
 ルージューとしても緒戦を制した以上、残された砦を強襲し(いたずら)に兵を損なうことは避けたい。砦に残る兵らの助命と退路の安全を引き換えに開城を求めるのは道理であった。
 アニョロには砦の残兵を纏めてアンダイエまで引率する役が与えられる。(アニタ)の仇であるルーベン・ミケリーノの懐に入る口実が得られるわけで、アニョロにとっても益の有る話だった。

 ルージューの描いたこの筋書きにアニョロは乗ることにした。軍使として〝浮舟の砦〟に入ることが出来るのは有難い。アニョロとしては、仇の在るアンダイエに入るに当たり、是非とも〝浮舟の砦〟から連れ出したい人物がいた。
 妹が結ばれるはずであった我が友──アロイジウス・ロルバッハである。
 アニタを死に追いやったルーベン・ミケリーノを討つのである。その事業を彼に黙して成すということはアニョロになかった。妹の非業の死を納得するアロイジウスではない。まして彼は、アニタのみならず養父母ともを殺されている…──〝(ルーベン)をどう討つか〟、恐らくそればかりを考えているはずである。



 〝浮舟の砦〟にルージューからの軍使が到着したのは、正午までまだ2時間(ホーラ)ほど、という頃合いであった。
 此度の使者は弁舌爽やかに開戦の口上をしてみせた美丈夫、マルティ家の五男マルコではなく、その異母兄で三男のアティリオであったが、何れにせよ美しい青年であることに変わりはない。
 頼みの〈ハウルセク〉を喪い目に見えて士気の低下している砦の浮桟橋で出迎えたアロイジウスは、軍使の(しるし)である白旗を掲げたルージューの艇から降りてきたマルティの貴公子の後ろに知己の顔を見て息を呑んだ。
「アニョロ……」
 流石に戦の最中のこと、軍使一行として現れたアニョロに声を掛ける訳にもいかずアロイジウスは口を噤んだ。アニョロもまた、唯黙って頷いただけである。

 正使のアティリオ、副使のアニョロの他、2名の衛士というルージューの一行は、砦の中央部に浮く今は本丸として使用されている飛空船へと案内された。元は8パーチ(≒24メートル)の船で、その甲板の上で守将のボニファーツィオ・ペナーティが待っていた。周囲には西方軍の将兵が囲んでいる。
 アティリオは、そんな中をペナーティの前まで進み出ると単刀直入に言った。
「挨拶も社交辞令も無し、ということで進めたい。砦を棄て此の地を去れば、ルージューは貴殿らの命と退路の安全を保障します」
 これに西方軍の将兵らは動揺した。アティリオの態度も言葉も丁寧ではあったが、このルージューの言は俄かには信じることは難しい。ルージューは聖王の代理人たる西方長官を騙し討ちにしたのだ。
 ペナーティは、その思いを正直に口にした。
「その言葉を信じる耳を、我らは持ち合わせていないな」
 アティリオの口許に皮肉な微笑が浮かんだ。ルージューからすれば聖王朝の側から挑発してきた戦を受けたまでである。
「では、ここで貴殿らはことごとく討ち死にすることとなります。無駄な死を所望、ということになりますな」
 小さな砦の〝本丸〟に緊張が奔った。アティリオの慇懃無礼な上に問答無用なこの物言いに、アロイジウスでさえ鼻白んでアティリオの隣のアニョロを見た。
 このときになってようやく、アニョロが腕を小さく振り上げ口を開いた。
「ボニファーツィオ卿……まず兵らを下げてくれまいか。これ以降は卿とロターリオ男爵との話としたい」
 言ってアニョロはアティリオを見た。アティリオは肯いて返す。
 ペナーティはロターリオと目線を交わすと、アニョロに船尾楼の扉を指し示した。
 アニョロは独り扉の方へと足を向け、
「アロイジウス、おまえも来てくれ」
 と、アロイジウスの前を横切るときにそう言う。
 アロイジウスはペナーティを見、ペナーティが肯いたので共に船尾楼へと入った。
 アティリオは衛士と3人になって、つい先程まで殺気立っていた西方軍の将兵らと本丸の甲板に残ることになった。


「やはり開城が得策か?」
 船尾楼の扉が閉まるやペナーティはアニョロを質した。アニョロは考えるまでもない、といふうに首を縦に振った。
「ルーベン・ミケリーノは船団をアンダイエに返した。戦略的に正しいがこの砦は見捨てられた。この上戦うとなれば、アティリオ・マルティの言うように〝無駄な死〟に殉じるだけとなるな」
 ロターリオが、ふんと鼻を鳴らす。
 籠城を続けても援軍の当てはない。そのようなことは始めから判っていたことだ。
 マンドリーニ軍は向かい風を衝く勢いを示さなかった。練度が低いのか、或いは〝こうなる〟ことへの思惑から〝動かなかった〟のか。何れにせよルーベン・ミケリーノは兵を退いた。アンダイエに残した留守居の隊が動いたとして、それでも8日から10日は掛かる計算である。それまでとても持ち堪えることは出来まい。
 そもそも砦に籠ったのは〈ハウルセク〉の後退の時間を稼ぐためで、〈ハウルセク〉を喪失した時点で戦うことの意味もなくなっている。

「──意味の無い死に兵を追いやることは将のすることではないでしょう」
 そう静かに言ったアニョロに、ペナーティは疲れた目を向ける。
「それを言わされるために卿は此処へ来たか」
 アニョロは曖昧に肯いて返した。
「それで……我々に選択肢はそれ程ない訳だが──」
 ロターリオが静かに割って入って訊く。
「ルージューを信じられるのか?」
 カルデラの南で戦った彼らにとって、ルージューは聖王朝の西方長官を騙し討ちにした叛徒である。またこれ迄のカルデラの南における〝不義理〟は(およ)そ許せるものではなく、信を置くことが難しい。
 だが不信の声で質すロターリオに、アニョロははっきりと請け負ってみせた。
「それについては……少なくともアンダイエまでの撤退は間違いなく保障される」
「なぜそう言い切れる?」
「それが〝策〟の一環だからだ」
 その言葉に、それまで黙っていたアロイジウスの口から怪訝な声が漏れる。
「策……?」
 アニョロは厳しい表情で続けた。
「砦の兵をアンダイエまで引率することでルーベン・ミケリーノに近付く」
 ペナーティとロターリオは、アニョロの口から〝ルーベン・ミケリーノ〟の名が出たことで、それぞれ緊張の面持ちとなって視線を交わした。アロイジウスはというと、アニョロのその言葉に戸惑い、ただ怪訝な表情となっただけである。
 そうして結局、ペナーティがアニョロの真意を質すことになる。
「何を言っている?」
 アニョロは抑揚を抑えた声で応えた。
「ルーベン・ミケリーノを討つ」

「…………」
 室内の空気がさらに重くなった。
 皆が言葉のない中、アニョロが視線をアロイジウスへと動かすよりも先に、ペナーティの静かな声がアニョロを質した。
「それは……私怨からか?」
「否定はしない」
 アニョロはやはり静かに答えた後、鋭い視線でペナーティを向いて言う。
「──だが此度の戦、(もと)は〝我が殿(タルデリ)〟の不見識から発したこと……。それにマンドリーニが付け込んだ、というのが事実だ。ルージューが戦を受けたのには理が有る。そのルージューが今さら騙し討ちには及ぶまい。タルデリ襲撃の件、ルーベン・ミケリーノが裏で糸を引いている節がある」
 アニョロは、アロイジウス、ロターリオ、ペナーティを順番に見て、それから言った。
「謀られたのさ。長官府(われわれ)はルーベン・ミケリーノに」
 ペナーティは息を呑むと表情を改めた。そしてアニョロの目を向き言う。
「聞こうか……」


 ペナーティら3人を前に、アニョロは淀みの無い口調で語り出す──。

 先ず、長官府の諜報網に掛からない動きがルーベン登用後に頻出している。ルージューとコレオーニのそれ程には大きなものではないが、西方長官府の諜報の網は現在(いま)に至るまで機能している。それが、ルーベン・ミケリーノの登場の前後で不審とも言える動きが増えている。
 その上でカルデラ南壁の空に飛空艇を並べて砦を造る、という〝奇策の実行〟をタルデリに願い出たのもルーベンである。そのルーベンは自ら造らせた砦に一度として足を向けていない。敵中に孤立無援の砦の実状を承知しているからだ。

 ルーベンと故タルデリ伯の関係についても色々とあった。
 実は他ならぬタルデリの指示で、アニョロはルーベンの周辺を洗うべく準備を進めていた。が、ある時点でその動きは立ち消えとなっている。その理由は推測するしかないが、ルーベン・ミケリーノは戦争をしたがっていた。戦に飢えている、とも言える。そしてタルデリもまた、ルージューの富欲しさに開戦へと導きたがっていた。利害が一致したのだろう。

 (くだん)の襲撃は、そんな中で起きた。
 ルーベン・ミケリーノは、ルージューの招きとは言え砦に進出したタルデリからの再三の合流の要請に、言を左右に応じていない。
 代わりにユレを介して砦に物資が流れるようになったが、ユレへの指示はシラクイラから出された形跡がない。とすれば、そういった指示は島嶼諸邦から伸びる経路から、とアニョロは疑っている。
 そして事件の前後……。マンドリーニの船団は突然船脚を止め、まるでそういう事実が伝えられるだろうことを知っていたかのように、〝西方長官(タルデリ)が騙し討ちにあった〟ことを確認した後、針路をアンダイエに向けている。


「……状況証拠だな」
 ロターリオが慎重な面差しで言った。ペナーティは黙っている。……が、2人の表情には疑義は浮かんでいなかった。むしろ納得をした目であった。
 そんな2人に、
「そうだ。状況証拠と推測に過ぎない──」
 構わずにアニョロは続ける。
「──…だがいまの話の真偽を確かめる術がなかろうと、タルデリとルーベン・ミケリーノの傲慢がこの事態を招いたことに変わりはない……。私には、焼け落ちたロルバッハの砦と妹の死を伝える手紙だけで十分だ」


 本丸の船の船尾楼の中に、冷たい風が吹き込んできた…──。
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登場人物紹介

■エリベルト・マリアニ(12 →19 ⇒22歳/♂)


竜騎見習い →聖王朝宮中竜騎(アレシオ・リーノ近習衆筆頭)




本作の主人公の1人。蒼い瞳、「麻くず」の色の髪トウヘッド。幼少時より〝物静かな〟顔立ちながら、その瞳に怜悧さを宿していたという。成人後は精悍さが強調されるのはお約束。もちろん均整のとれた長身。


生家は聖王朝の武門プレシナ大公家に代々使える宮中竜騎の家柄で、父リスピオは大公麾下の〈プレシナ大隊〉にあって筆頭の竜騎長である。


アレシオ・リーノの竜騎見習いへの志願の折での〝とある行い〟がアレシオの目に留まり、取り立てられることとなる。以後、彼の半身とも言うべき存在となった。




主人公の1人アロイジウス・ロルバッハの竜騎の師であり、そのアロイジウスの姉ユリアを妻に迎えた。


そのユリアを巡り権門マンドリーニ公の勘気を被り、第1部の後半では近習衆を解任され閑職に左遷の憂き目となっているが、アレシオ・リーノからの信頼は些かも損なわれていない模様。




<メイキングこぼれ話>


モデルは『銀河英雄伝説』のキルヒアイスですよ、それは。(笑)


物語の幕開けの視点の主人公なのに、以降、第1部ではほとんど出番がありません。(汗) 失敗ですねぃ。


でも物語全体ではアレシオ・リーノの片腕として活躍することが約束されているので〝問題無しノープロブレム〟なのですよ!

■アレシオ・リーノ・プレシナ(11 →18 ⇒21歳/♂)


竜騎見習い →プレシナ第2大隊第3中隊長 ⇒第2大隊次席指揮官(プレシナ大公家嫡子)




本作の主人公の1人で、聖王朝三公の1つ、武門のプレシナ大公家の嫡子。黒曜石の瞳、射干玉ぬばたまの髪の美丈夫──女性と見紛う美貌ながら溢れる才気、命令することになれた物言い、美しきモノへの憧憬、貴族たる気概と魂……、そして前線に兵と共に在ることを厭わぬ剛健、という真の武人。(盛り過ぎw)




自らの竜騎見習いの志願の折に出会ったエリベルト・マリアニを〝竹馬の友〟として側に置き、緩慢な衰退の中にある聖王朝にあって、火薬を始めとする科学技術を利用した軍制への改革を推し進めている。


かつては元老院派の論客ランプニャーニ宮中伯に学び武威に慎重な姿勢を見せていた。


なお、自身の傲慢を戒めるためか、幼き日に施しをした〝へロット下層民の娘〟から突き返された小金貨をペンダントとして常に身に付けている。




<メイキングこぼれ話>


当然こちらはラインハルトと思いきや、黒髪の美しい貴公子。現在なら『キングダム』の嬴政な感じでしょうか?


本作全般の主人公。やはり真価は第2部以降……ということに。


ちょっとだけネタバレな感じで言うと、〝ジブリ作品『風立ちぬ』の主人公は自分の理想的な美にしか関心のない残酷な男〟というキャラ分析を読んでインスパイアされてみました。そういう複雑なキャラを描いてみたいです。(笑)

■アロイジウス・ロルバッハ(8 →14 ⇒17歳/♂)


戦利奴隷 →竜騎見習い ⇒独立竜騎(西方軍長官府附き武官/ロルバッハ家当主)




本作の主人公の1人で最年少の少年竜騎。鳶色の目と同じ色の巻き毛の髪。頭の回転が速く弁も立つ。


元はアンダイエの工房職人の子だったが、アンダイエが聖王朝に攻め落とされたことにより姉ユリア共々戦利奴隷となった。奴隷市でロルバッハ砦の独立竜騎ファリエロに救われたことで姉と共にロルバッハの養子となり竜騎となる。




竜騎として養父とエリベルト・マリアニの薫陶を受け、優れた若武者であると共に〝知識の間〟ではアニョロ・ヴェルガウソと同窓という文武両道の者である。


その人物像の最大の特徴は〝誠実な為人ひととなり〟で、理よりも情で行動する。


アニョロとはその妹アニタと共に兄妹同然に育つ。そのアニタとは互いに憎からず思う間柄であるが……。




<メイキングこぼれ話>


いたって〝普通の〟主人公です。多くを語る必要はないという……。(笑)


モデルは安彦良和の『アリオン』の主人公アリオン。


……でも、ちょっと不幸な出来事が続いてますね。ごめんよ、アーロイ。

■アニョロ・ウィレンテ・ヴェルガウソ(18 ⇒21歳/♂)


竜騎見習い ⇒アンダイエ商館長代理(ヴェルガウソ子爵家当主)




本作の主人公の1人。17歳で父を流行り病で失い子爵家を相続した。ヴェルガウソ家はタルデリ宮中伯家を補佐する官吏貴族の家で、画に描いたような中級貴族の家柄。貴族社会の体面は立てるが個人にへつらうということをしない性格で、少々扱いにくい人物。


一応、竜騎見習いの資格はある(師は友人でもあるエリベルト・マリアニ……)が自他共に認める文筆の人で、聖王朝の学術機関〝知識の間〟で学ぶ学徒である。知恵者を気取っている。


アロイジウス・ロルバッハの身元引受人を父から引き継ぎ、彼とは兄弟のような仲。アニタという名の妹が1人いる。




主家の主ポンペオ・タルデリの西方長官着任に伴いルージューの地に赴任、アンダイエ商館の館長代理として聖王朝西方の情報収集を取仕切っている。そういった〝裏向き〟の活動の中でルージューの姫君クロエと出会い、見初めることとなる。


左利き。




<メイキングこぼれ話>


立ち位置的には『アルスラーン戦記』のナルサス(当然ダリューンはエリベルト)。……なのだが、キャラの造形は『鋼の錬金術師』のエドワード・エルリックな感じ。気の措けない〝身内〟に見せる気さくさと、貴族社会の中での達観した立居振舞とのギャップが魅力……に描きたいものです。

■ジョスタン・エウラリオ・マルティ・ポーロ(20 ⇒23歳/♂)


ルージュー辺境伯マルティ家 次男




本作の主人公の1人。物語の序盤から西のカルデラの側に居る〝いま一人の〟貴公子。(……なのだが、アレシオ・リーノ同様、第1部では余り目立っていない。)


西のカルデラの地に6つの邦を束ねるルージュー辺境伯を世襲するマルティ家の御曹司で、多くの兄弟親族がいる。


聖王朝に先駆けて火薬主体の軍制を模索するなど天賦の〝戦の才〟を持つも、一族に関わる諸豪族の干渉に嫌気がさしており、すぐ下の異母弟アティリオと図って〝出来た弟〟と〝うつけの兄〟をそれぞれに演じ、周囲の目を欺きつつ韜晦していた。


〝果断の人〟の二つ名を持つ。




その二つ名の通りの〝動くべき時の果断さ〟と〝動くべからざるそうでない時の泰然さ〟を合わせ持ち、〝過去に縛られない柔軟さ〟と〝こうと決めたら梃子でも動かぬ頑固さ〟がある。


欠点は、大邦ルージューの御曹司として育ったためか他人の風下に立つことに慣れておらず、侮られることを嫌うこと。が、傲慢であるかと言えばそういうばかりでもない。


政略で名門ユレ家の姫オリアンヌを妻に迎えたが、夫婦仲はたいへんに睦まじい様子。


プレシナ大公家の嫡男アレシオ・リーノを高く評価し、警戒してもいる。




<メイキングこぼれ話>


アレシオ・リーノの好敵手ライバル。精悍で豪快な兄貴系。イメージは『十二国記』の延王 小松尚隆かな。


〝戦バカ〟を触れ回っていますが実は深慮の人のよう。


でも人間としては判りやすく、裏表のないナイスガイを目指します。

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