風の舞う地
猛毒の大気〝瘴〟に沈みつつある黄昏の世界グウィディルン。
人々は大地を空に浮かせ島として逃れ、あるいは高地に昇りわずかに残された大地を奪い合って生きていた。
天空の浮き島には、かつて世界を遍く統べていたという巨大帝国の末裔を称する聖王朝があり、西方の地に残されたカルデラにはルージュー辺境伯が六つの邦を束ねていた。
彼の地の力と富とを奪うべく聖王朝はルージュー一族に狙いを定める。
猛毒の大気に沈みゆく黄昏の世界。
飛空船と飛竜による空の戦い。
中央門閥と地方語族との間で繰り広げられる権謀術策。
そんな骨太なハイ・ファンタジーの世界を
〈大貴族の貴公子〉
〈その腹心にして清廉な軍人貴族〉
〈辺境を束ねる辺境伯の御曹司〉
〈中央に異を唱える中堅貴族の学徒〉
そして……
〈孤児から身を立てた在郷の志士〉
といった若者たちの視点で描く大河ファンタジーです。
目次
完結 全63話
2022年02月07日 21:37 更新
- プロローグ2021年04月14日
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風の子ら
- 風の子ら 12020年08月01日
- 風の子ら 22020年08月01日
- 風の子ら 32022年01月21日
- 風の子ら 42021年02月14日
- 風の子ら 52020年08月01日
- 風の子ら 62022年02月04日
- 風の子ら 72020年08月22日
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暁風
- 暁風 12020年12月29日
- 暁風 22020年12月04日
- 暁風 32021年11月29日
- 暁風 42022年01月21日
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西の辻風
- 西の辻風 12021年02月11日
- 西の辻風 22020年12月04日
- 西の辻風 32021年12月03日
- 西の辻風 42022年01月21日
- 西の辻風 52022年02月04日
- 西の辻風 62020年12月04日
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微風
- 微風 12022年02月04日
- 微風 22022年02月04日
- 微風 32021年01月06日
- 微風 42021年01月06日
- 微風 52020年11月04日
- 微風 62022年02月07日
- 微風 72022年02月04日
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禍つ風
- 禍つ風 12021年12月26日
- 禍つ風 22022年02月04日
- 禍つ風 32021年11月21日
- 禍つ風 42021年01月12日
- 禍つ風 52022年02月04日
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凪
- 凪 12021年02月02日
- 凪 22022年02月07日
- 凪 32022年02月07日
- 凪 42020年12月23日
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突風
- 突風 12020年12月04日
- 突風 22020年12月04日
- 突風 32021年12月26日
- 突風 42022年01月21日
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風早
- 風早 12021年03月26日
- 風早 22020年12月23日
- 風早 32021年01月16日
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風鳴
- 風鳴 12021年02月11日
- 風鳴 22021年02月23日
- 風鳴 32021年02月02日
- 風鳴 42021年02月23日
- 風鳴 52021年02月12日
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嵐気
- 嵐気 12021年11月21日
- 嵐気 22021年12月27日
- 嵐気 32021年03月30日
- 嵐気 42021年04月14日
- 嵐気 52021年03月30日
- 嵐気 62022年01月21日
- 嵐気 72022年01月21日
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炸風
- 炸風 12021年12月14日
- 炸風 22021年11月21日
- 炸風 32022年01月21日
- 炸風 42021年05月09日
- 炸風 52021年05月17日
- 炸風 62022年01月21日
- 炸風 72021年11月21日
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風の伝え
- 風の伝え 12022年01月21日
- 風の伝え 22021年11月29日
- 風の伝え 32022年01月21日
登場人物
■エリベルト・マリアニ(12 →19 ⇒22歳/♂)
竜騎見習い →聖王朝宮中竜騎(アレシオ・リーノ近習衆筆頭)
本作の主人公の1人。蒼い瞳、「麻くず」の色の髪。幼少時より〝物静かな〟顔立ちながら、その瞳に怜悧さを宿していたという。成人後は精悍さが強調されるのはお約束。もちろん均整のとれた長身。
生家は聖王朝の武門プレシナ大公家に代々使える宮中竜騎の家柄で、父リスピオは大公麾下の〈プレシナ大隊〉にあって筆頭の竜騎長である。
アレシオ・リーノの竜騎見習いへの志願の折での〝とある行い〟がアレシオの目に留まり、取り立てられることとなる。以後、彼の半身とも言うべき存在となった。
主人公の1人アロイジウス・ロルバッハの竜騎の師であり、そのアロイジウスの姉ユリアを妻に迎えた。
そのユリアを巡り権門マンドリーニ公の勘気を被り、第1部の後半では近習衆を解任され閑職に左遷の憂き目となっているが、アレシオ・リーノからの信頼は些かも損なわれていない模様。
<メイキングこぼれ話>
モデルは『銀河英雄伝説』のキルヒアイスですよ、それは。(笑)
物語の幕開けの視点の主人公なのに、以降、第1部ではほとんど出番がありません。(汗) 失敗ですねぃ。
でも物語全体ではアレシオ・リーノの片腕として活躍することが約束されているので〝問題無し〟なのですよ!
■アレシオ・リーノ・プレシナ(11 →18 ⇒21歳/♂)
竜騎見習い →プレシナ第2大隊第3中隊長 ⇒第2大隊次席指揮官(プレシナ大公家嫡子)
本作の主人公の1人で、聖王朝三公の1つ、武門のプレシナ大公家の嫡子。黒曜石の瞳、射干玉の髪の美丈夫──女性と見紛う美貌ながら溢れる才気、命令することになれた物言い、美しきモノへの憧憬、貴族たる気概と魂……、そして前線に兵と共に在ることを厭わぬ剛健、という真の武人。(盛り過ぎw)
自らの竜騎見習いの志願の折に出会ったエリベルト・マリアニを〝竹馬の友〟として側に置き、緩慢な衰退の中にある聖王朝にあって、火薬を始めとする科学技術を利用した軍制への改革を推し進めている。
かつては元老院派の論客ランプニャーニ宮中伯に学び武威に慎重な姿勢を見せていた。
なお、自身の傲慢を戒めるためか、幼き日に施しをした〝へロットの娘〟から突き返された小金貨をペンダントとして常に身に付けている。
<メイキングこぼれ話>
当然こちらはラインハルトと思いきや、黒髪の美しい貴公子。現在なら『キングダム』の嬴政な感じでしょうか?
本作全般の主人公。やはり真価は第2部以降……ということに。
ちょっとだけネタバレな感じで言うと、〝ジブリ作品『風立ちぬ』の主人公は自分の理想的な美にしか関心のない残酷な男〟というキャラ分析を読んでインスパイアされてみました。そういう複雑なキャラを描いてみたいです。(笑)
■アロイジウス・ロルバッハ(8 →14 ⇒17歳/♂)
戦利奴隷 →竜騎見習い ⇒独立竜騎(西方軍長官府附き武官/ロルバッハ家当主)
本作の主人公の1人で最年少の少年竜騎。鳶色の目と同じ色の巻き毛の髪。頭の回転が速く弁も立つ。
元はアンダイエの工房職人の子だったが、アンダイエが聖王朝に攻め落とされたことにより姉ユリア共々戦利奴隷となった。奴隷市でロルバッハ砦の独立竜騎ファリエロに救われたことで姉と共にロルバッハの養子となり竜騎となる。
竜騎として養父とエリベルト・マリアニの薫陶を受け、優れた若武者であると共に〝知識の間〟ではアニョロ・ヴェルガウソと同窓という文武両道の者である。
その人物像の最大の特徴は〝誠実な為人〟で、理よりも情で行動する。
アニョロとはその妹アニタと共に兄妹同然に育つ。そのアニタとは互いに憎からず思う間柄であるが……。
<メイキングこぼれ話>
いたって〝普通の〟主人公です。多くを語る必要はないという……。(笑)
モデルは安彦良和の『アリオン』の主人公アリオン。
……でも、ちょっと不幸な出来事が続いてますね。ごめんよ、アーロイ。
■アニョロ・ウィレンテ・ヴェルガウソ(18 ⇒21歳/♂)
竜騎見習い ⇒アンダイエ商館長代理(ヴェルガウソ子爵家当主)
本作の主人公の1人。17歳で父を流行り病で失い子爵家を相続した。ヴェルガウソ家はタルデリ宮中伯家を補佐する官吏貴族の家で、画に描いたような中級貴族の家柄。貴族社会の体面は立てるが個人にへつらうということをしない性格で、少々扱いにくい人物。
一応、竜騎見習いの資格はある(師は友人でもあるエリベルト・マリアニ……)が自他共に認める文筆の人で、聖王朝の学術機関〝知識の間〟で学ぶ学徒である。知恵者を気取っている。
アロイジウス・ロルバッハの身元引受人を父から引き継ぎ、彼とは兄弟のような仲。アニタという名の妹が1人いる。
主家の主ポンペオ・タルデリの西方長官着任に伴いルージューの地に赴任、アンダイエ商館の館長代理として聖王朝西方の情報収集を取仕切っている。そういった〝裏向き〟の活動の中でルージューの姫君クロエと出会い、見初めることとなる。
左利き。
<メイキングこぼれ話>
立ち位置的には『アルスラーン戦記』のナルサス(当然ダリューンはエリベルト)。……なのだが、キャラの造形は『鋼の錬金術師』のエドワード・エルリックな感じ。気の措けない〝身内〟に見せる気さくさと、貴族社会の中での達観した立居振舞とのギャップが魅力……に描きたいものです。
■ジョスタン・エウラリオ・マルティ・ポーロ(20 ⇒23歳/♂)
ルージュー辺境伯マルティ家 次男
本作の主人公の1人。物語の序盤から西のカルデラの側に居る〝いま一人の〟貴公子。(……なのだが、アレシオ・リーノ同様、第1部では余り目立っていない。)
西のカルデラの地に6つの邦を束ねるルージュー辺境伯を世襲するマルティ家の御曹司で、多くの兄弟親族がいる。
聖王朝に先駆けて火薬主体の軍制を模索するなど天賦の〝戦の才〟を持つも、一族に関わる諸豪族の干渉に嫌気がさしており、すぐ下の異母弟アティリオと図って〝出来た弟〟と〝虚けの兄〟をそれぞれに演じ、周囲の目を欺きつつ韜晦していた。
〝果断の人〟の二つ名を持つ。
その二つ名の通りの〝動くべき時の果断さ〟と〝動くべからざる時の泰然さ〟を合わせ持ち、〝過去に縛られない柔軟さ〟と〝こうと決めたら梃子でも動かぬ頑固さ〟がある。
欠点は、大邦ルージューの御曹司として育ったためか他人の風下に立つことに慣れておらず、侮られることを嫌うこと。が、傲慢であるかと言えばそういうばかりでもない。
政略で名門ユレ家の姫オリアンヌを妻に迎えたが、夫婦仲はたいへんに睦まじい様子。
プレシナ大公家の嫡男アレシオ・リーノを高く評価し、警戒してもいる。
<メイキングこぼれ話>
アレシオ・リーノの好敵手。精悍で豪快な兄貴系。イメージは『十二国記』の延王 小松尚隆かな。
〝戦バカ〟を触れ回っていますが実は深慮の人のよう。
でも人間としては判りやすく、裏表のないナイスガイを目指します。
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