『秋の入り口』

文字数 274文字

見慣れぬ脇道を見つけ
ふらりと遠回り

目新しい公園へと
呼ばれた気がして足が進む

小さなせせらぎから
マイナスイオンのお裾分けを受けとり

涼やかさを含み始めた風に
前髪を(くすぐ)られて歩く


ほんの少し黄色い葉が見え隠れ
まだまだ緑色の木々の中

先客がいました
赤とんぼ




羽をキラキラ秋のひかりに反射させ
写真を撮る私を不思議そうに見つめるクリクリの眼

いつもは空を見上げるけれど
今日は見下ろすのが楽しくて

じんわり落ちている秋の気配
ゆっくり目を凝らす秋の気配

ほら、
どんぐりと落ち葉の可愛いスリーショット
あれこれ井戸端会議のもよう

どんな話をしているかしら
微笑ましく耳を澄ませた秋の入り口






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