『冬をキライにはなりきれない』

文字数 439文字

どんより曇り空から
とめどもなく降りしきる
大きな大きな白い粒
コートに貼りついた雪は
六花と言われる結晶が
はっきりと見えるほど

真っ白な中
公園の斜面を滑る人たち
氷点下ゆえの粉雪を
味方につける遠い存在






私といえば
雪の斜面にはしばらくご無沙汰
眺めるだけで なんの感情もなく通りすぎる

車にしても徒歩にしても
雪道は緊張を伴うし
帰宅すると 自宅前には
よけられるためだけに降る
白く重たく 気が滅入る原因の品、雪
どうしてこんなに降るのだろう


雪は、顔にも 容赦なくふきつける
まるで泣いてるみたいに濡らすから
やっぱり仲良くなんてできなくて
さっさと無心で雪かきを終わらせる
私にとって雪との対峙は遊びじゃなくて苦行


翌朝

雪は、降るだけ降っておいて
私を存分に滅入らせておいて
それを帳消しにする魔力を使う

雪が作りだす冬の『自然美術館』






ずるい。
こんな画を見せつけられると
雪に心を許したくなる

いつもいつも舞い落ちる雪空に
げんなりしたあと

雪が
あまりにも美しい景色を連れてくるから
いつまでたっても
冬をキライには なりきれない


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