クイズ・誰から誰へ? 答え合わせのページ
文字数 2,142文字
Q1. 基本の視点人物は誰でしょうか?
A1. 「若者」です。
Q2. 一か所だけ切り替わる視点人物は誰でしょうか? その部分は、どこからどこまででしょうか?
A2. 「私」です。最後の「あのとき~語ったものです」の2行。
視点の切り替えだけでドラマを作れる、ということを発見して、味を占めて書いた(笑)、2作めでした。
(一作目は第5話「珊瑚」でした。)
ちなみに、これは一から十まで作り話です。おなじみ「金の斧銀の斧」のパロディです。
ヒツジにこんな素敵なお祖父さんはいません。笑
「私」と言っている語り手も、架空の人です。
Q1. 基本の視点人物は誰でしょうか?
A1. 「鬼」です。
Q2. 一瞬だけ切り替わる視点人物は誰でしょうか? その部分は、どこからどこまででしょうか?
A2. 「乙姫さま」です。
「あるときそれに気づいたリュウグウノツカイが、長い体を縦に張って、とがめだてをしようとしたのですが、
乙姫さまは細い指をくちびるにあてて、にっこりし、首を小さくふりました。」
という2行。
(なっとくいかない、というかた、ぜひ下の解説もあわせてお読みください。^^)
「泣いた赤鬼」と「浦島太郎」をくっつけたおはなしです。いや、ちょっと違うか。笑
いじめられているのは鬼で、亀が助けてくれる、というね。反転させてみました。
「すぐそばにいるキャラクターの視点も拾ってしまっている」と注意書きをつけましたが、例えば、鬼のそばに亀がいて、乙姫さまのそばにリュウグウノツカイがいて、彼らの視点も入っているように見えなくはないんですね。
正確には、乙姫さまの心の中にも入っているとは言い切れないです。亀もリュウグウノツカイも乙姫さまも、何をしたかを外から描かれているだけなので。心の中まで描かれているのは鬼だけなので。
なので、上のA2の2行は「中に立ち入る作者」視点、とするほうが、厳密には正しいです。
「乙姫じゃないだろう作者だろう」と思ったかた、正解です!
だいたい、冒頭で、鬼の風貌「肌は赤く、髪は白くてふさふさで、筋肉がりゅうりゅう」と書いちゃってますけど、これ鬼自身の視点ではないですね。作者視点ですね。
でも、そういう細かい正確さより、「誰の目を通しておはなしを体験しているか」ということを重視すると、
「基本、鬼視点で、一か所だけ乙姫視点」
というおはなしになります。
(小声で)
ずっとふつうに昔話風に過去形で書いているんですが、鬼と亀がこっそり陸へ行くところから、現在形に切り替えているんです。「もといたあたりには」という所から。
ちょうどその直前に、一瞬ちらり乙姫さま視点を挿入して、
そこからあと現在形にすることで、昔話ふうの語り口から現代の小説ふうの文体にシフトしているんです。
きゅうにリアルな感じに変わったな?と読んでいただけていたら成功なんですけど、どうかな。^^
Q1. 第一の視点人物は誰でしょうか?
A1. 「子ぎつね(若者)」です。
Q2. 第二の視点人物は誰でしょうか? どこで切り替わっているでしょうか?
A2. 「女の子(舞姫)」です。
「日が暮れて、二人は」で始まる段落が切り替えポイントです。
正確には「若者の寝息が聞こえてくると、舞姫は」というところで完全にシフトするのですが、その前の「日が暮れて」~「丸まって眠りました」が二人のどちらの視点とも取れ、シフトをなめらかにスライドさせる役割を果たしています。
Q3. 第三の視点人物は誰でしょうか? どこで切り替わっているでしょうか?
A3. 「作者」です。ラスト、突然「『義経千本桜』だと」という解説が始まるところで、作者視点に切り替わっています。
「~と思います」って誰が言ってるのか、主語はないですが、文脈から作者以外あり得ません。
この「作者」はめずらしく正直にミムラアキラ本人です。笑
自分でもドキドキしてたのですが、本当に書き始められたので喜んでいます。
ですが……いったいこの二人がどうなるのか、まだまだ先は長そうです。
『ダブルダブル』、よろしくお願いいたします!
と友だちに訊かれたのですが……
答えは、イエスで、ノーです。
ヒツジは書くときに「ここで誰から誰へ切り替える」と思いながら書いています。
だいたいはっきり意識しています。
なんだろう、喩えて言えば、ご飯を食べるときに、お茶碗を持ってお箸を動かしますよね?
あのときいちいち「左手にこうお茶碗を持って、右手でこうお箸を」とかはもう考えないですよね、初めてお箸を持たされた子どもじゃないから。
だけど、うわのそらで無意識にそうしているわけでは決してなくて、ちゃんとお箸で「次は何をつまもう」と思って動かしてますよね。
そうじゃないと危ない人ですよね?笑
そんな感じです。
楽しいですよ!