(袋とじ!)長文読解のコツ:複雑な文章には色を塗ってみる(英語も日本語も)

文字数 2,390文字

じつはね、前のページて引用した、シュウォーツさん&ル=グウィンさんの発言部分。

原文がすーっごく難しいんです。
この本の中でも1番か2番に難しいんです。

でもすごく素敵な文章だから、英語の原文、貼ってみます。
読んでみたいかたはぜひチャレンジしてみてください。
そのあと日本語を載せますので、英語のとこ飛ばしたいかたはそこまでスクローーールお願いします!

(受験生の読者さまへ)
ヒツジの勘だと、たぶんMARCH(明治大・青山学院大・立教大・中央大・法政大)の入試には出ないレベルです。たぶんその上。

あ、ヒツジみたいな訳は入試の答案としては「やっちゃいけない例」になります。
たぶんそうとう減点されます。

工夫はしちゃだめなんです。わりと直訳に近く訳したほうが高得点になります。

受験ってそういうシステムです。
The novelist Lynne Sharon Schwartz argued that present-tense narration, avoiding temporal context and historical trajectory, oversimplifies, suggesting that nothing "is terribly complex and that understanding, such as it is, can be achieved by naming objects or accumulating data," and that "all we can ever understand is what can be understood from a glimpse."  This externality and narrowness of its field of vision may be why so much present-tense narrative sounds cool -- flat, unemotional, uninvolved.  And therefore all rather alike.

mimura_akira

ややこしいのは、"avoiding" "suggesting" というふたつのing形(分詞構文)の意味上の主語が特定しづらいためです。
試しにグーグル翻訳にかけたら、みごとに間違った答えが返ってきました。


どうやって特定するかというと、それはもう内容から判断するしかないんです。

こういうとき、ちょっと離れて見てみると、文章に色がついて見えてきたりするんですね。
ちょっと塗ってみます。
The novelist Lynne Sharon Schwartz argued that present-tense narration, avoiding temporal context and historical trajectory, oversimplifies, suggesting that nothing "is terribly complex and (suggesting) that understanding, such as it is, can be achieved by naming objects or accumulating data," and (argued) that "all we can ever understand is what can be understood from a glimpse."  This externality and narrowness of its field of vision may be why so much present-tense narrative sounds cool -- flat, unemotional, uninvolved.  And therefore all rather alike.

mimura_akira

オレンジ色レモン色の部分が、リン・シャロン・シュウォーツさんの言っていること。
の部分が、(シュウォーツさんに賛成しながら)ル=グウィンさんの言っていること。
オレンジ色の部分は2か所あって(3か所に見えますが初めの2つはセット)、つまり2つのことをシュウォーツさんは言っています。
レモン色の部分は3か所あって、3つとも1つめのオレンジ色の部分を補強しています。
つまり、avoidingとsuggestingは、どちらも意味上の主語がpresent-tense narrationです。
「現在時制だけで小説を書くこと」が、「避けるので」、「想定させるので」、ということです。
日本語の文章だって、色分けして読んでみると、意味のまとまりが見えるんですよね!
ヒツジは「共感覚」というのがあるらしく、文章をよくこうしてパーツに塗り分けて(頭の中でですけど)、読んでいます。
 小説家のリン・シャロン・シュウォーツは言う。現在時制だけで物語を書くと、時間がどう流れてきて歴史とどうつながっていくかということを書かずにすませてしまうから、ものごとが必要以上に単純化されると。つまり、現在時制だけで書かれる世界ではこみいったことなど何も起こらず、だから何を理解するのも簡単で、ただ物を名指したりデータを集積したりすればよく、その結果」、「私たちが理解できるのはひと目で理解できるものだけになってしまうと言うのだ。
 こういう上っ面な世界との関わりかたと視野の狭さのせいで、現在時制だけで書かれた小説はどれもこれもクールな印象を与えるのだと思う。フラットで、感情がなく、単純。おかげで、みんな似たり寄ったりだ。

mimura_akira

もうー、ほんと、NovelDaysに感謝! こんなにいろんな機能があって!

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登場人物紹介

ミミュラ


このコラボノベルの管理人。ときどきアマビエに変身する。

アーシュラ・K・ル=グウィンをこよなく慕い、勝手に師と仰いでいる。

ヒツジのくせに眠るのが下手。へんな時間に起きてしまったり寝てしまったりする。

犬派か猫派かでいったら、犬派。(←ヒツジだけにお犬さま方にはつねづねお世話になってます(^^ゞ)

たい焼きは頭から、チョココロネは太いほうから食べる派。

ミニャノ

管理人に「眠り下手仲間」のよしみで誘われ、このコラボに参加することになった紀州犬。と言っても紀州には何のゆかりもなく、出身は相州鎌倉。現在、台湾台北に生息中。

「鳩サブレー」は頭からでも尾からでもなく、袋の状態のまま、指でぶちぶち潰してから食べる派。

日本語と中国語の間をふらふら往き来する人生ボケ担当大臣(自称)。ときどき別形態になるんだって。

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